近所のスーパーで

ふと気づいたのですが

もしかして最近

生花の値段が下がっていませんか?


以前の二割引きくらいの

価格設定な気がするんですが・・・


これも不況の影響でしょうか。

たしかに家計が苦しくなったら

花なんか買わなくなるものなあ。


とか思いつつレジに行きました。


レジのおばさまは

前のお客でしょうか

家族連れと楽しげに会話をしています。


「ちーす、清算お願いします」

「あら、おはようございます!

はいはい、じゃあレジを通していくわよー!」


最初は牛乳でした。

おばさまが牛乳パックを機械にかざし

バーコードを読み取ります。


このスーパーはレジのところで

お客が自分で袋詰めをするのです。

そのため、レジの奥には

少し広めのスペースが用意されています。


値段の読み取りが済んだ牛乳を

さて袋に詰めていくか、

私が掴もうとしたそのとき。


レジのおばさまとの会話を終えても

その場を立ち去ろうとしなかった家族連れの

12、3歳くらいになる少年が

さっと牛乳を手に取ると

手早くビニール袋に

詰め始めるではありませんか。


えーと・・・あれ?

これ、どういうことですか・・・?


牛乳の次におばさまの手を離れた

オレンジジュースのパックも

少年が当然のような顔つきで

ビニール袋に詰めていきます。


こ・・・これは・・・

あの、あれですか?

もしや私は今、窃盗行為

被害者になろうとしているのですか?


しかしちょっと待て!

相手は家族連れ、

少年の行為には親も気づいているはず、

ということはこれはつまり

親が少年に盗みを働くよう言いつけて

そして少年は仕方なく

その言葉に従っているんじゃないか?

それって親としてどうなの?

というか、人としてどうなの?


突然の義憤にかられた私は

われながら鋭く厳しい声で

「失敬、少年、待ってくれるか。

君が手にしている牛乳とジュースは

それは私が

買おうとしているものだと思うのだが」


少年はびくりとして手を止めると

私の顔と親の顔を交互に見ています。

そうだ、君に罪はない!

ここからは大人同士の話し合いだ!

と私が臨戦態勢に入ろうとした次の瞬間。


少年の背後に立っていた母親が

怯えた目をしておずおずと

献金用のビンを取り出し

「あの・・・地元のサッカークラブの

資金集めの一環で・・・その、私たち、

皆様の袋詰めのお手伝いをしているんです・・・」


・・・ごめーん、

誰か私のこと殴ってくれませーん?


私はどうしたというのでしょう、

自己防衛はするに越したことはないですが

何もこんな善意の人まで

疑いの目で見なくてもいいじゃないですか。


てかさ!

お母さん、貴方もさ!

息子さんが袋詰めを始める前に

私に一言その旨を伝えるべきじゃないの?


しかも私はスーパーには

自分のバッグを持参しているのでございます。

少年がわざわざ詰めてくれた牛乳を

一度ビニール袋から取り出して

のそのそ己のバッグに詰め直すときの

あの周囲の空気・・・

いたたまれないとはああいうことか・・・


複雑な感情に押しつぶされそうになった私は

逃げるようにその場を立ち去ったのでした。

ええ、献金をすることもなく。

そんな余裕、気持ち的にゼロだったんです!



清い心を取り戻すため

図書館で『小公女』でも借りてこようと思います

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被害妄想にもほどがありますよね


私の深層意識で何が起こっているのだろうか