近所の丘に花を見に行きました。


ツリガネスイセン

(釣鐘水仙、Bluebell)というらしいです。

木陰に密集して生えていて

青紫色の絨毯のようになっています。


スコットランドひきこもり日記-春ですね


「ね、妻、きれいでしょう?

「そうだね、きれいではあるね」

「こんなに美しい森の中を

歩けるなんて僕達は幸せですね!

じゃあちょっと丘の上まで散歩しましょうか?」

「そういうときの君の『ちょっと』は

信用ならないところが恐ろしいんだがな」


スコットランドひきこもり日記-曇り空の日でした


とりあえず

森の中の散歩道を

ぶらぶら歩いておりました。


スコットランドひきこもり日記-時々ここらに鹿が出没します


『ブルーベル』というくらいですから

花の色は青色が基本なのだとは思うのですが

ところどころに白い色をした花も見えます。


スコットランドひきこもり日記-おわかりいただけますか


「へえ、青い色ばかりじゃないんだね、

白いツリガネスイセンもあるんだ」

「ああ、それは

突然変異体(ミュータント)ですね」


君はまた突然

雅な単語を口になさいますな!


ま、そういうわけで

ツリガネスイセンはきれいでした。


そして話は変わるのですが。


夫(英国人)はこの頃よく

「僕もとうとう36歳。

そろそろ髪の毛と

お別れせねばならない年齢です」

とか口にするんですよ。


なんでも義父の毛髪が

帰らぬ旅路に出始めたのが

36歳のときだったのだそうです。


「でもむしろ36歳で僕は運がいいんです。

僕の母方の祖父は、結婚を20代でしましたが

そのときすでに毛髪は一本も

頭部に残っていなかったそうですから」


以前もこのブログで

力説した記憶がありますが、実は私は

「真の美男子は禿」くらいのことは

常日頃考えている

禿頭に理解の深い女です。

禿を馬鹿にする連中には天罰が下ればいいと思うよ。


でもね、毛髪量の減少に悩む夫に

「大丈夫大丈夫!私はむしろ禿が好きだし!」

とか言っちゃうのは、

いくらなんでも妻として

デリカシーが欠如しているじゃないですか。

私だって顔の小じわに悩んでいるところに

「平気平気!僕、

脱皮した蛇の皮とか嫌いじゃないし!」

とか夫に言われたら

無言で殴りかかると思いますし。


で、スイセンに囲まれた森の小道で

ふと傍らの夫を眺めたらですね、

彼、耳の上辺りに

白髪が生え始めていたんですよ。

普段は気づかなかったんですが

光の加減かサングラスのせいか

その日は妙にその白さが目に映えてですね。


「おや、夫、

君は髪に白いものが混ざり始めたね」

「僕ももう若くはないんですよ」

「いやいや、これはこれで可愛いよ、

むしろ渋味があって魅力倍増だ

・・・というか、君、白髪が出たってことは

もしかするとお禿げあそばす可能性

低くなったってことじゃないのか?」

「は?何ですかそれ?」


あれ?日本だとよく

「早くに髪が白くなる殿方は

そのままロマンスグレー路線に移行し

その後禿げる確率が低い」

みたいなことを言いますよね?


私がそれを説明すると夫は鼻で笑って

「君は僕の父親の頭を忘れたんですか、

日本人の毛髪事情はよく知りませんが

少なくともこの国じゃ

髪の毛が白くなろうが黒いままだろうが

禿げる人は禿げるんですよ」


「いや・・・私はよかれと思ってだね・・・」

「だいたい僕の一族を思い返して御覧なさい、

男は皆、全員が全員例外なく

とても涼やかな頭をしているんです。

僕が将来的に禿げない可能性なんて

ほぼ皆無に等しいんですよ」

「あ・・・そこまでですか・・・」

「万が一僕の頭が禿げなかったら

僕は超突然変異体(スーパーミュータント)です。

白い花をつけるどころじゃない、

ショッキングピンクの花の咲いた

ツリガネスイセンみたいな存在ですよ」


どうもすみません。

いや、だから私は頭部の軽やかな殿方は

嫌いじゃないから大丈夫。



禿までいかずとも殿方は

お年を召したら少々頭が薄くなられるくらいが

美しいのだと私は主張したいのです

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軽薄な小娘どもに禿の魅力はわかるまい

世の男性も禿を厭う馬鹿どもの

浮ついた発言に振り回されちゃ駄目です



ショーン・コネリー

(初代ジェームズ・ボンド)を見ろ!

ダニエル・クレイグ

(最新版ジェームズ・ボンド)も

将来いい感じに

てっぺんが薄くなりそうだろ!



サルコジよりもシラク、

メドヴェージェフよりもプーチン、

ま、麻生と福田はこれはちょと

色々な意味で比較が難しいのですが・・・

何が言いたいのかというと

禿は恥じゃない、むしろ魅力だ、

とそういうことです