お食事中の人は

読まないほうがいい内容かと思われます

(タイトルから想像は出来るでしょうが)


お食事が済んだらまた来てね


では警告終わり


高齢者である祖父は

ときどき食べ物にむせてしまいます。


もっとも恐ろしいのは

誤嚥性肺炎でございますので

(気管に入った食べ物が原因で

肺炎になってしまうというのだから

洒落にならない)

食事中に祖父が少しでも咳き込みますと

同席している家族全員が

「さあ、吐いてください!吐き出してください!

飲み込もうとしちゃ駄目です!無理は禁物!

ぺっしてください!頑張らないでください!」

と必死に懇願するのですが。


・・・祖父にとって

「一度口に入れた食物を

お皿に吐き戻す」という行為は

どうにも耐えられない恥辱であるらしくてですね。


どれだけ顔面が紅潮し肩が震えようとも

じっと一点を見据えたまま

あの人、根性で嚥下を完了してしまうんですよ。


祖父よ・・・!

たとえ貴方が咀嚼中の食べ物を

勢いよくお皿に吐き出してしまっても

私の貴方への愛と尊敬は

そんなことでは損なわれないんだぜ・・・!


ま、祖父もそこら辺は

理解してくれているんでしょうけど。

大正生まれのチャーミング・シルバー

自尊心と気骨は

戦後生まれの我々には

はかりしれないものがあるんでございます。


ちなみに誤嚥を防ぐため

現在祖父の薬はすべて粉状になっておりまして、

これをヨーグルトだのアイスクリームだのに

ねりねりと混ぜ込んで、

お匙で毎食後に飲んでもらっています。


・・・粒々ザラザラした粉薬と

クリーミーなスイーツの食感、

そして苦味と甘味が混ざり合い、

それはそれはひどいお味らしいんですが、

誤嚥の恐怖にはかえられませんから!


さて、体力の落ちていた入院中は

半眼状態で黙々と

あてがわれた薬を飲み下していた祖父ですが、

家に帰ってきて数日目でしょうか

「・・・この薬どもは本当にひどい味だな!

俺、これ、毎回10匙も飲まされてるんだぞ!」

「・・・10匙って・・・お祖父様、

そんなこと数えていらしたんですか!」

「当たり前だ!俺はちゃんと勘定していたんだ!」

「やったぞ皆!お祖父様は快復して来たぞ!」


祖父はたいそうご立腹だったわけですが

我々としては嬉しかったんですよね。


介護者の心、病人知らずというか、

いや、これは病人の心、介護者知らずが正解か・・・


とりあえず、お薬服用

頑張ってください、お祖父様。

でもゴホッときたら

すぐ吐いて欲しいんですよ!

頼みますから!


闘う高齢者は格好いいんだぜ

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なお祖父は現在

口に入れる部分が小指の先くらいの大きさの

特製スプーンを使って食事をしています


・・・先日ヘルパーさんに笑顔で

「Norizoさんもこのスプーンを使ったら?

ちょっとは食べる量が抑えられるかもよ?」

と言われました

私が何をしたというんですか しくしく