スコーンを作っている最中に

突然その動きを止めたオーブン。


詳しくは昨日の記事をご参照ください。


夫(英国人)が

不動産屋に電話をしたところ

「では修理屋が今日中に

そちらに行くよう手配いたします」


・・・もちろん

修理屋さんはいらっしゃいませんでね。


というわけで翌日午前9時。


「さあ不動産屋に

督促の電話をかけるんだ」

「妻よ、君が自分で直接

不動産屋と交渉するってのはどうですか?」


うーん・・・

まあ夫の気持ちもわからないではない。

こういう電話って気疲れしますよね。


実は私は会社員時代

『関係先に英語で電話をかける』

みたいな仕事を受け持っていた時代がありまして、

こういう『話すべき内容が最初から明確な電話』を

英語でかけることはそれなりに出来たりするのです。


・・・逆にね・・・


クレジットカードとか銀行のカードとかを作った後

電話越しに身元確認をされる場合があるじゃないですか。

ああいうのは・・・ものすごく苦手でね・・・


現役社会人時代、某アメックスの係の人に

「申し訳ありませんが

私には貴方の英語が理解できません」

と言われたこともありました・・・

「申し訳ありません、

私も自分で自分の英語が理解できません」

と答えたら一応笑いは取れたんですが、

こういう姑息な笑いは狙えるのに

何故身元確認の簡単な質問を

聞き取ることが出来ないんだろうと

かえって心は暗くなりましてね・・・

(『貴方の最初のペットの名前は何ですか?』

とかたぶんそういう質問が理解できなかった模様、

毎日仕事で英語は使っていたはずなのに何故だ)


というわけでここはひとつ

昔取った杵柄を夫にも見せてやろうぜ!と

素直に不動産屋の電話番号をダイヤル。


「おはようございまーす、

○○不動産です!」

「おはようございます、

いつもお世話になっております

私、・・・に住むNorizoと申します」

「は、はい、どのようなご用件でしょうか?」


「私の夫が昨日

そちらに電話をして伝えたと思うんですが

実はわが家のオーブンが故障しまして」

「ああ、はい!承っております!」

「それではお話が早い!

で、そちらの昨日のお電話の内容によれば

昨日のうちに修理屋さんがわが家に来る、

ということだったと思うんですが」

「左様でございます」

「では修理屋さんがまったく来ないのは

いったい何故なのでしょうか、

ご説明いただけますと幸いです


「え・・・あのですね、

修理屋はそちらに昨日のうちに

少なくとも電話などで

連絡を入れているはずなのですが・・・」

「残念ながらそのような電話は

いっさいございませんでした」

「あっそうですか、あの、ほら、

行き違いになった・・・という可能性は・・・」

「その可能性はほぼゼロに近いと思われます、

私は昨日一日中家におりましたし」


「そ、そうですか、ではですね

・・・お調べして折り返しお電話いたします」

「その折り返しのお電話は

いつ頃になるご予定ですか?」

「えーと・・・わたくし、今すぐ

修理屋と連絡を取りましてですね、

連絡が取れ次第、すぐに!」

「つまり1時間以内くらい、ということでしょうか?」

「そ、そうですね、1時間以内には!」


「ではお話の内容を確認させていただきます。

これから一時間の間に修理屋から直接、ではなく

まず貴方からわが家にお電話がある、と。

そういう理解で問題はございませんでしょうか?」

「・・・その通りです・・・あの・・・申し訳ありません・・・」

「いえこちらこそお手数かけて申し訳ありません、

ではお電話お待ちしております。

オーブンが使えないと食事を作れないもので

修理がいつになるのか気になって!」

「そ、そうですよね・・・」


「ではそのような感じでよろしくお願いいたします!

次回のお電話お待ち申し上げております、

お時間割いていただいて

まことにありがとうございました、

よい一日をお過ごしください!

それでは次のお電話、1時間以内に!」


電話を切ったら

夫が背後で声もなく笑っておりまして


「何を笑っているんだ、

とりあえず1時間以内に

折り返しの電話があるらしいぞ」

「君・・・君って・・・

君の電話って怖いねえ!」


え?


「私、何か失礼なことを言っていたか?」
「全然全然!むしろ丁寧過ぎる

僕がもしも不動産屋で

こんな電話を顧客からもらったら

僕は恐怖に震え上がるわ!

何ですかあの怒涛の内容確認は!」

「・・・ビジネス電話では必須の行為だろ?」

「いやあ、君って、

自分で気づいているかは知らないけど

電話の間中すごい笑顔なんだよ!

それでもって声音もとても和やかなんだよ!

なのに話の持って行き方がとってもシビア!

今頃不動産屋は心を落ち着けるために

ココアとか飲んでいますよ、きっと!」


会社員時代の私は

電話の受け答えに関してのクレームは

一度も受けたことがなかったと記憶するのですが・・・

もしかして皆様

怖くて文句もつけられなかったのかしら・・・


でもこう書いてみても別に私、

怖いようなことは口走っていませんよね?

口調か・・・口調が問題なのか・・・


とりあえずこの電話が効いたのか

修理屋さんは午後早くに来てくれました。

もう、不動産屋さんったら

やる気を出せば出来る子なんだから!


というわけで勇気を出して

約24時間常温放置したスコーンのタネを

これから早速焼いてみたいと思います。



会社員時代、

英語の電話には泣かされたものですよ

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最初のうちは本当に

英語が話せなかったものですから

こう、表のようなチャートのような物を

自作してですね



先方が「イエス」と言ったら次の設問はこれ

「ノー」と言ったらこの文章みたいなものを

箇条書きにしてね・・・


英語圏出身の同僚達に

「健気過ぎる」と笑われたものです

私だって必死だったんですよ!