秘する花を知る事。秘すれば花なり | 仙台城 謎の覆面ガイド「すこっち」のブログ

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平日はフツーの会社員、しかし週末は伊達政宗の居城「仙台城」にてボランティアガイドを務める謎の男、「すこっち」。
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どうも、すこっちです。(^^)


放送大学から借りた本、世阿弥の風姿花伝。


能を確立し、この世に広めた世阿弥がその能楽論をぎゅぎゅっと詰め込んだのが、この「風姿花伝」なのです。

でね、まあ読み出すと長いし、ピンと来ない部分も多いんだけど、よく引き合いに出される「秘すれば花なり」というところだけ、抜粋してみなさんにお裾分けです。

世阿弥さんはこう言っている。

秘して隠すことによって花となる道理を知ること。花の存在を人に隠せばそれが花になり、秘密にしないことには花にはなり得ない。

この秘するか秘さないかで花の有無が分かれるという道理を知ることが、花にとって大事なことなのである。


例えば観客が、「きっと珍しい事があるだろう」と期待していたら、たとえ珍しい能を演じたとしても、観客の心に珍しさに対する感動は生まれてこない。


観客の心に思ってもいない感動をもたらす方法というのが、花なのである。


戦において優れた将軍の策略によって、思ってもいないやり方で強敵に勝利する事がある。

これは負けた方の立場では、意外性に惑わされて負かされたということになる。これこそが、あらゆる物事、あらゆる分野の芸能において、勝負に勝つための道理なのである。


秘事の内容を明かさないだけでは不十分で、何か秘密のやり方を知っている人間だとも、人に知られてはならない。


敵にさとらせず、用心されなければ、こちらが勝つことは一層たやすいてあろう。人に油断させて勝利を得るのは、珍しさという道理の大きな効用ではないだろうか。


以上の理由から、秘すればこその花なのであり、秘密にしなかったならば花にならないのである。


なるほどね~、みなさんわかりましたか?


会社でもどこでも、なぜだか自分をアピールしたがる人間が多い。「自分はこれだけの事をやっている」、「なんで評価してくれないんだ!」

まぁ、欧米の文化が浸透しまくってね、自己主張をする事が、自分が快適に生活するためのツールだと思われていますからね、今の時代は。


結局さ、学生だったら担任の先生とか、部活だったら顧問の先生や監督とか、会社だったら上司とかのさ、目が曇りまくってしまって、観察眼っていうか、洞察力っていうのか、人を見る目が衰えているんだわね。


古式ゆかしき日本の文化とすればさ、アピールしまくりは確かに大事だけれど、「秘すれば花」論法に当てはめると、影では黙々と努力して実力を蓄えていて、いざという時にとてつもない会心の一撃を喰らわせられるヤツこそが、本当に大事にするべき存在なんだと思うんですわ。


秘して、溜めて、最後にドカンとあっと言わせてやりましょう!それこそが世阿弥のいう「秘すれば花なり」なのだから。