多賀城市が南門復元に賭ける意気込みとは? | 仙台城 謎の覆面ガイド「すこっち」のブログ

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平日はフツーの会社員、しかし週末は伊達政宗の居城「仙台城」にてボランティアガイドを務める謎の男、「すこっち」。
ウィスキー好きで名付けたハンドルネームで、ジャンルを問わず、縦横無尽にブログで語り尽くします。

あなたも「すこっち」に酔いしれてみませんか?

どうも、すこっちです。(^o^)

 

今日、たまたまJR仙石線多賀城を覗いたら、改札前にこんなものが、、、。

 

 

なんと、これはレゴブロックの多賀城南門なのです。

 

見事な出来映えですこと。興味を惹かれる人だったら、一枚は撮りたくなるだろうかねぇ。

 

現在、多賀城市は多賀城創建1300年にあたる令和6年(2024)の公開に向け、多賀城南門の復元工事を絶賛実施中なのである。

 

復元する南門は、8世紀中頃(政庁Ⅱ期)のもので、多賀城外郭に設けられ、東北の経営の中心であった多賀城の、まさに入口にあたる重要な施設とされていたものだそうで、完成すれば、高さ14mの二重門で、両脇につく高さ4.5mの築地塀も併せて復元するんだそうな。

 

この南門を建てるのに、予算だけで27億4,424万円。周辺整備に53億という市民の税金が投入されるんだそうですよ、みなさんどう思います?

 

まあ、出来上がればね、そこそこ話題を呼んで観光客は来るんでしょうけど、2024年までコロナ禍がどんな状況になっているのか、誰にも分かりませんけどね。

 

でね、アタシがちょっと疑問に思ったのがさぁ、多賀城市のことなんて知らない人の方がほとんどだと思うんで、一応説明をしておきますけど、

 

この力作のレゴブロックが置かれたJR仙石線の多賀城駅野ある場所は、実際の南門が復元される多賀城跡とはとんでもなーく離れている。そーねー距離にして5㎞以上はあるかな。(徒歩では厳しい)

 つまり、実際に南門を見るためには仙台駅から東北本線に乗り換えて、多賀城政庁駅で降りるのが一番の近道ということになります。

 

ほらね、現在地と特別史跡多賀城跡はかなり、離れているでしょう

 

そこからは素直に行けないというのに、レゴブロックを設置するという多賀城市の発想。まあ、同じ多賀城市ということで市民に南門復元キャンペーンを浸透させるって狙いがあるんでしょうけど。

 

それにしても、市民の血税から53億円ですか、、、。(-_-;)

 

アタシも仙台城のガイドボランティアをやっている関係上、関心はあるんですが、伊達政宗の没後400年となる2036年の完成を目指して、仙台城の大手門の復元計画が進行中なのです。

 

いったいこれには、何億円のお金が注ぎ込まれるんでしょうか、、、。(-_-;)

 

これはね、あくまでアタシが仙台城のガイドボランティアをやってきて感じていることなんですが、本当に自分が歴史的な旧所・名跡に興味があって、いろんな本やネットの情報を読んだりして、自分なりにある程度掘り下げている人からしたら、まがい物の建物があろうが無かろうが、そんなことは関係ないんだと思うんです。だってね、自分の中ではさ、その場所を訪れるための下準備というか、イメージは出来上がっている分けですから。

 

あとは、実際にその場所を訪れて、空気感を感じて、自分なりに目をつぶって過去との交信が出来れば、「ああ、ここに伊達政宗様がお座りになっていたんだな」とか、「ここから仙台城下をご覧になったんだな」という空想現実でもって、自己完結して満足感が得られれば十分なはずなんです。

 

だけど、得てしてそういう人ばっかりじゃあない。

 

有形固定資産、形のあるモノがその場に存在していないと城とは認めない、ありがたみが無い、SNS映えしないという考え方の人の絶対数の方が圧倒的に多いという悲しい現実。(-_-;)

 

だから、国も県も市も箱モノ行政に巨額の予算を投じるのは前述した通り。

 

アタシから言わせてもらえばね、建物なんてどーでもいいからさ、アタシらのようなボランティアガイドが活動しやすくなるように、休憩所件案内所みたいなものを作るとか、もっと現地の環境整備にその何億の十分の一でもいいから、使ってもらった方が十分意味がある。

 

所詮ね、にせもの箱ものを作って集客を狙うという発想はさ、客寄せパンダをあてがって、歴史音痴でミーハーな民衆を寄せて、お金を落とさせようという魂胆が見え見えなんだよね。

 

だから、観光客のみなさんにお願いをしたいのは、本当は旧所・名跡を見る際には、しっかりと下準備をして来て欲しいというのと、それが無理な方は、アタシらのようなガイドさんに船頭役を依頼して、説明をしてもらって、せっかく訪れた場所を堪能して頂きたいんです。

 

そうしないと、いつまでたってもスマートで文化的な大人にはなれないってことですから。(>_<)

 

まあ、そうは言っても作るって決まったものは突貫工事でも何でも間に合わせるんでしょう、きっと。

 

機会がありましたら、南門がどんなもんかご自身の目で確認をしに多賀城に足を運んでみてはいかがでしょうか?