それが本当に事故の抑止力となるのかい? | 仙台城 謎の覆面ガイド「すこっち」のブログ

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平日はフツーの会社員、しかし週末は伊達政宗の居城「仙台城」にてボランティアガイドを務める謎の男、「すこっち」。
ウィスキー好きで名付けたハンドルネームで、ジャンルを問わず、縦横無尽にブログで語り尽くします。

あなたも「すこっち」に酔いしれてみませんか?

どうも、すこっちです。(>_<)

 

貨物事故、死亡事故、交通事故、労働災害。

 

人の命を失ってしまう大きな事故から、貨物を破損する程度の事故。世の中にはいくら気を付けていても、注意していても起きてしまうのが事故の困ったところでもある。

 

アタシの勤務する職場にも作業に従事する職員がいる。彼らも一歩間違えば、大事故に繋がる可能性を孕んでいる。もちろん作業中は常に細心の注意を払ってはいるのだろうが、それでも事故には無縁という職場では無いというのも悲しい現実である。

 

さて、この望まずして起きてしまう事故。起きてしまったものは仕方が無い。誰も起こしたくって起こす分けじゃあない。時計の針を逆に戻せるんだったら、誰だって戻したいと思う。でも、そんなことは叶わない。だから、大抵の場合、事故が発生すると対策会議なる会議が行われ、そこで再発防止策なるものを求められる。アタシが取り上げたいのが、その後の再発防止策の類いなのである。

 

今やコンプライアンスという錦の御旗でもって、大義名分的にはご立派な再発防止策が示される。

 

「どこの誰が考えたんだろう?」

 

「現場のことが分かってるのかな?」

 

「本当に事故抑制になると思っているのかな?」

 

そんな声が聞こえてきそうな再発防止策がまあ、見事に成立して実行されている職場の多いこと、多いこと。分かり易いところから言うと、「チェックリスト」ね。事故が起きると何かにつけて、この「チェックリスト」がエースみないな存在で、待ってました~とばかりに登場する。

 

しかし、このチェックリストってホント煩わしいんですよね。いやね、分かるよ言いたいことはさ。これでもって、やったらチェック、やったらチェックってやればさ、抜けは無いんだろうし、チェックシートを見るたんびに注意喚起にもなるんでしょう。でもさ、事故が起きれば起きるだけ、重なれば重なるだけ、このエースの枚数はどんどんと増えていく。そいつにハンコをもらって保管しておくことになる。そんな書類、○○監査のときぐらいしか見ないでしょって思うんだけど、記録=証拠ってことでその存在価値は格段に高い。かくして、チェックリストの類いを保管する場所もたくさん必要になるってこと。


だけどさ、がんじがらめにすれば安全が保証されると言うんなら、誰も苦労はしないはずでは?

 

そして、次にアタシが気になるのが「子供だましの見える化アピール改善」ってやつね。

 

たまたま今日、他の会社に行ったら、いいサンプルがあったのでこちらをご覧ください。

 

 

 

ここの事務所は出入り口が狭いし、階段も狭い。運転手が外からも入ってくるんでしょう。これは推測ですが、恐らく外から急ぎ足で入ってきた運転手と内勤の事務さんが階段付近で衝突したような事故でもあったんでしょう。だから、左側通行を義務付けて徹底させるという再発防止策でも編み出したんですかね。そんでもって、壁には「危険です 走らないで」の表示と階段にわざわざ左側通行の表示と矢印、さらには階段を昇りきったところの出入り口には左と右の矢印マーク。

 

いやーご立派、ご立派!十分合格点はもらえるでしょうね。

これなら、極端な話お役所の監査が来ても、胸を張ってお披露目出来るでしょう。

 

でも、これってなんか寂しいと思いませんか?

 

小中学生じゃあるまいし、これって「廊下を走るな!」と何ら変わらない。

 

会社勤めをしているということは、そこを通る人は間違いなくいい大人でしょ。それに対して、「廊下を走るな」にでっかい矢印で注意喚起?まー分からんでもないけど、そもそもこれって誰のための再発防止策なのかなぁ~。会社のお偉いさんとかお役所とかそういうところ向けのアピール的な要素が強い再発防止対策なんじゃあ、ないのかな?

 

以前、大きな工場の作業を見学させてもらったことがあったんですけど、そこではフォークマン(フォークリフトを運転する人の事ね)が後進のたびに、後ろを向いて指差呼称をしていた。バックするたんびにですよ、信じられる?これが、みんな真剣にやっていた。というより、やらされていたって言った方がいいのかな?だってさ、バックするときにきちんと後方確認をすりゃあ、いいじゃん。そこにね、体をわざわざひねって、指差呼称をやる必要をアタシは感じない。そんなことを1日中やっていたら、体の疲労度がハンパないって、タダでさえ神経を使って作業をされているんだからさ。

 

とにかく世の中、こういう誰のための再発防止策なんだかよく分かんない、子供だましのアピール優先の対策がそこら中に溢れかえっていると思いませんか?

 

そんな低次元にまで注意喚起を落とさないと、事故は無くならないと本気で思っているのかね。

 

それよりも、社員の心の教育をもっとしっかりとするべきなのではありませんか?

そういうことを疎かにしておいて、上辺だけの対策で上に対する点数稼ぎをしているようにしか、アタシには見えないんだけど、、、。(-_-;)

 

信号な無いのに、不思議と事故は起きなかった交差点。そこに、信号を付けた途端、事故が起きるようになった。思えば、東日本大震災の時なんて、停電で信号がしばらく止まっていたけれど、意外と事故は起きなかったように思う。いざとなれば、気を付けるもんだよね、人間って。

 

安全第一。果たしてそれは、誰のための安全なんだろうね?