どうも、すこっちです。(^o^)
それでは今日も仙台城のエアガイドを初めて参るとしましょうか。
今日は第4弾ということで、フツーの観光ルートではお目に掛かれないレアな初代の伊達政宗騎馬像についてガイドをしていきたいと思います。
仙台城の本丸に行く手段は、
①車で直接仙台城跡へ乗り入れる
②仙台駅から「るーぷる仙台」に乗って仙台城跡で降りて徒歩で行く
③地下鉄仙台国際センター駅で降りて大手門跡の登城路を徒歩で行く
以上の3通りの行き方がある分けですが、①~③のいずれのパターンで行っても、今回紹介する初代伊達政宗の騎馬像には辿り着くことが出来ないんです。
なので、お勧めルートとしては②を仙台城跡ではなく、一つ手前の博物館・国際センター前で下車するか、③の仙台国際センター駅で降りたら博物館の前を通り越して裏庭に行って頂くとOKです。
さて、仙台市博物館を素通りして裏に回りますと、仙台にゆかりのある偉人達の銅像やらレリーフやらのオンパレードなんですが、その中でもひっそりと存在感を発揮しているのが、こちらの伊達政宗様の初代騎馬像なのであります。
さて、ここで問題です!
では、なぜ初代がここにあるのでしょうか?しかも、上半身だけ?
これには深い分けがあります。
もともとこの初代伊達政宗騎馬像は政宗公の三百回忌に当たる昭和10年(1935年)の記念行事として
柴田町の彫刻家小室達(とおる)によって作成されました。仙台の街並みを見下ろす騎馬像は、仙台市のシンボルとして注目の的だったんだけど、今はコロナ禍だけどこの時は戦禍(太平洋戦争だね)によって、暗い影を落とし始めます。
アメリカへの真珠湾奇襲攻撃で行け行けどんどんだった戦争。しかし、近い国との短期決戦ならいざ知らず、相手ははるか太平洋の彼方の大国アメリカ。持久戦を強いられると資源の乏しい島国日本はあっという間に鉄資源不足に陥ってしまいます。苦し紛れに日本が始めたのが「金属類回収令」。早い話が鉄は溶かせば再加工できるので、お寺の鐘から台所の鍋釜に至るまでお国の命令で回収されてしまいます。そうなると、「銅像なんていらないんじゃね?無くても生活に困んないし、政宗様もお国のために役に立ちたいと思ってるよ、きっとそうだ間違いない!」と勝手なゴリ押しで、騎馬像は旅立ちます。
誰もが悔しい、残念と思ったことでしょう。(-_-;)
でもね、そこは常にピンチをチャンスに変えてきた日本一の伊達男!このままで終わるはずが無い。
やがて、昭和20年8月15日の玉音放送で戦争は終結。
誰もが忘れかけていたあの政宗様の騎馬像は何処へ?
あったんですねー、ちゃあんと。郷土歴史家の石川謙吾さんという方が塩竈港にある東北ドック(現東北重機工事)のスクラップヤードに溶かされずに残っていたんです。石川さんは歴史的に価値のある騎馬像の救出を試みます。しかし、東北ドックもタダでは譲ってくれなかったんだね(まあ、どこも困窮してましたからね)宮城県や仙台市に掛け合っても、食うに困る時代でしたから誰も騎馬像レスキュー話には乗ってくれません。ここで、石川さんは男を魅せます!な、なんと私財を投じて騎馬像を買い取り、それを自分の家の庭に飾っておきましたとさ、めでたし、めでたし。って違ーう!嘘ですよ、嘘。(>_<)
(私財を投じて買い取ったところは本当です、石川さんごめんなさいm(_ _)m)
石川さんは買い取った騎馬像の上半身を青葉神社に奉納し、その後昭和36年に仙台市博物館が開館された際に今のところに鎮座されたのであります。(これで本当にめでたし、めでたし)
ほらね、よーく見てみるとなんか無造作に切り取られたような痛々しさが伝わってきませんか?
残念ながらあの立派なお馬さん(後藤黒だね)は溶かされて鉄砲の弾にでもなったのかしら。(>_<)
戦争が終わって、平和の国をアピールするべく日本各地で平和キャンペーンが展開されました。あの台座だけが残った仙台城本丸には騎馬像=戦争をイメージさせるってことでNG。昭和28年に政宗様のセメント製の立像が建てられました。しかし、戦後復興とともに世の中が明るさを取り戻してくると、「やっぱり騎馬像だよね!」的な雰囲気が盛り上がるのは必定。かくして昭和39年の東京オリンピック開催が決まると、その機運は最高潮に達します。こうして騎馬像の機運が高まり、東京オリンピックの開会式の前日に二代目伊達政宗騎馬像がお披露目され、今日に至っているという分けなのです。
ちなみに、この初代と二代目を並べて比較してみた。
よく見ると、兜の前の部分と前立ての部分が微妙に違う。(初代の前立ての方が長い?)
型はいっしょなのだから、果たして台座から旅立った後の初代騎馬像の前立てに何が起こったのか?
(っていうか、よく折れなかったよね~)
今は外出自粛の世でありますが、コロナ禍終息した暁には、ぜひとも仙台城に足を運んでみてください。
そして、初代とのツーショット写真撮影をして、初代と二代目をじっくり見比べてみたら面白いかもよ!