【緊縮財政と外交、安全保障】 #くたばれ財務省 | ScorpionsUFOMSGのブログ

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【緊縮財政と外交、安全保障】

財務省の緊縮路線というものが、外交、安全保障政策にどれほど多大な影響を及ぼしているのか、歴史の事実からよくわかりますね。

 

「平和」という病 樋口 恒晴著

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-日本の防衛費削減に失望したダレス-

 

29年3月、MSA(相互防衛援助)協定が締結され、そして4月6日には1月から行われていた防衛分担金についての交渉が妥結して書簡を交換した。それは、昭和29年内に日本が、地上兵力を11万人から13万人へ2万人増強して管区隊(師団)を4個から6個に増やすなどする代わりに、米国は日本の防衛分担金を700万ドル軽減するというものだった。

 

ところが、春から夏にかけて大蔵省では昭和30年度の予算編成が難航する。

主計局は、財政緊縮のために一律10%の削減を要求していた。これを受けて政府は、米国の対日援助が増額されない限りは、MSA協定で約束したばかりの防衛予算増額を行わない方針を固めた。そこで政府と米大使館は衝突してしまう。

 

米国側が日本への援助増を不可としたので、日本側では昭和30年度の防衛予算を10%減額することを決定した。

 

これによって日本の防衛努力は、特に陸上兵力の増強ペースは、米国側の要求水準を大きく下回ることは言うに及ばず、従来日本政府が公約していた増強水準をも下回ることとなった。

 

米大使館のアリソン大使からダレスに宛てた9月9日付の覚書では、米国側への事前の通告なしに、日本が昭和30年度の防衛予算が予定より10%削減されることになったことは米国政府に『重大な決断を迫る』ものであると深刻に伝えられた。また同覚書では、米国の対日政策の力点を、再武装強化要求から経済および国内治安対策の方に移すべし、との提案を行ったという。

 

日本の防衛費10%減に「極端に失望」したダレスは、9月の国家安全保障委員会で「われわれは、日本の再軍備について照準を下げる必要があるかもしれない」と言ったという。

 

吉田内閣は占領が終わると間もなくレイムダックになってしまっていた。防衛費の増減は、政治家の米側への説明とは全く無関係に”大蔵省”が差配していた。しかし、そのことは米側には理解できることではなかった。