平成29年6月7日、北陸財務局にて”岡本シゲーリンの狗、”ベリヤ野”など数々の異名を持つ”敏腕官房長”、矢野康治官房長が講演会を行っていた模様。
講演で使われた資料が北陸財務局HPに掲載されていたので、論評してみたいと思います。
資料が3つありますが、中でも出色なのは、『配布資料(税・財政の現状)』でしょう。(他の2つはおそらく財務省HPに掲載されている”税制改正のポイント”をそのまま流用したものとみられ、面白味にかけます。)
この資料で矢野官房長は一体何を説明したかったのでしょうか?
特に7ページの「個人所得課税の実効税率の国際比較」のグラフですが、これだけを見ると「日本は低所得者層が優遇され過ぎている」と言いたいとしか思えないのですが。
また、8ページ以降もジニ係数や相対的貧困率を持ち出して論じていますが、
「日本のジニ係数は高くない」「特に現役世代のOECD諸国の中で最も低い水準」とあり、「相対的貧困率(全体)」、「子供の相対的貧困率」の推移も平成21年度と比較すると平成26年度は大きく改善されているかのような資料になっています。
「じゃあ、一体何が問題なの?」と頭の中に?マークが浮かんでいる最中に、突如として「消費税の特徴」が登場し、終了。
起承転結を無視した、このぶっ飛んだ展開の資料でどうやって当日の講演では”ご説明”していたのでしょうか?
しかも消費税の特徴として「脱税しづらい」ことを挙げていますが、平成28年度の国税庁の査察概要をみると、法人税(6,503百万)に次ぐ3,379百万が脱税されてますし、
(参考:平成28年度査察の概要http://bit.ly/2uJfgGD)
「負担感(痛税感)を感じやすい」 「所得に対する逆進性がある」と消費税のマイナス面もわざわざ取り上げているではありませんか。
これって教科書通りのプレゼンしかできない典型的なダメなパターンの提案書にしか見えないのですが・・・
それともこれを理解できるのがエスタブリッシュメントで、理解できない私が凡人なのでしょうか?
”岡本の狗”への道は凡人には遠く険しいですね。