トランプ大統領誕生!! 『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』書評  | ScorpionsUFOMSGのブログ

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トランプ大統領誕生!!
”もしもトランプ大統領に「共に立ち向かおう」と手を差し伸べられたなら”が現実に!
『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』書評
http://bit.ly/2eevoM7  
#本が好き 
「アメリカ保守を最もよく知る日本人」である著者が解き明かす”トランプ台頭の真実” 

 

▼その男、異端にあらず 
▼アメリカ草の根保守の原点、”初恋の”バリー・ゴールドウォーター上院議員
▼民主党ジョンソン陣営がゴールドウォーター氏に仕掛けた“恥知らずなCM”
▼レーガンを勝たせた“連合主義”
▼そして再びサヨク・リベラルが席巻する時代へ
▼共通の目的「反共・反ルーズヴェルト・反東京裁判史観」
▼「共に立ち向かおう」(Let's Tackle Them Together)
  
 
もしもトランプが大統領になって日本に対して「共に立ち向かおう」(Let's Tackle Them Together)と手を差し伸べてきたのならば、あなたはどう思いますか?
 
「あの粗野で横柄なトランプがそんなこと言うワケない」
「あり得ない」
「馬鹿げている」
「日本が大混乱に陥る」
 
確かにその通りです。私もそう思います笑。
ですが、果たして本当にトランプが「共に立ち向かおう」と言う可能性は“ゼロ”なのでしょうか?
万が一にも、そのような事態になった場合のことを考えなくていいのでしょうか?
また、それは日本にとって“マイナスである”と決めつけてよいのでしょうか?
 
目下、民主党の大統領候補ヒラリー・クリントン氏と激戦を繰り広げているトランプ氏ですが、彼の最大支持団体は全米有権者の約1割、“1100万人”にのぼると言われる「アメリカ草の根保守団体」であり、彼のブレーンにはレーガン政権時代の主要メンバーが名を連ねていると言われています。
  
そして、そのアメリカ草の根保守こそ、「強い日本がアジアに安定をもたらす」とする“ストロング・ジャパン・ポリシー派”なのです。
ならば、どうしてその彼らが支持するトランプが「共に立ち向かおう」という可能性を排除できるというのでしょうか。
そしてなぜ“ストロング・ジャパン・ポリシー派”であるアメリカ草の根保守がトランプを支持するのか、その理由(ワケ)を知りたくなってくるのではないでしょうか。
  
本書を書かれた江崎道朗先生は、日本の近現代史研究および安全保障、インテリジェンス、情報戦に関する分野に団体職員として、あるいは国会議員政策スタッフとして長年携わって来られたスペシャリストであり、さらにアメリカの草の根保守の重鎮らと10年以上にわたり交流を深め、アメリカ保守派の苦闘の歴史を綴った「現代アメリカ保守主義運動小史」の邦訳編集に携わるなど、まさに日本における“アメリカ保守に関する第一人者”と言える方です。
特に近年は憲政史家の倉山満先生が主催するネットチャンネル「チャンネルくらら」にもレギュラー出演され、精力的に活動されています。
  
そんな”コミンテルン・ハンター”江崎道朗先生が手がけた渾身の一冊である本書を読めば、「トランプ台頭の真実」が見えてくるのではないでしょうか。
  
ここでは、本書の内容を踏まえた上で、日本ではあまり知られていない「アメリカ保守運動の近代史」に焦点を当てつつ、本書以外の文献からの引用も用いながら書評を書いてみたいと思います。
そして最後に「共に立ち向かおう」(Let's Tackle Them Together)は一体“どこ”から引用した言葉なのかについても触れたいと思います。
 
▼その男、異端にあらず 
本書では現在のアメリカの政治状況がいかに悲惨なものになっているのかということが語られています。まさに「内戦状態」だと。
それもこれも、古くはF・ルーズヴェルト政権時代から続くサヨク・リベラルによる「自虐史観教育」が米国を蝕んできているからだと著者の江崎先生は指摘します。
(このあたりの惨状は米国保守派の大物論客、パトリック・J.ブキャナン氏の著書「病むアメリカ、滅びゆく西洋」でも克明に綴られています。)
 
2016年現在においてもオバマ政権下で「White Guilt(白人の罪)」と呼ばれる“反米自虐史観”が蔓延しているそうなのですが、それもそのはずで、当のオバマ大統領自身がアメリカの伝統的価値観を破壊する「共産主義者」ではないかという強い疑念がもたれているというのです。(オバマ氏は学生時代、熱烈な共産主義者であったこと、大学を卒業した後は“コミュニティ・オーガナイザー”と呼ばれる社会主義の“先導者”をしていたことが明らかになっています。)
 
そのような「アメリカの危機」に登場したのがトランプでした。そしてトランプの唱える政策は、まさにアメリカ保守の本流、ロバート・A・タフト、バリー・ゴールドウォーター、そしてロナルド・レーガンに連なる「正統的なもの」であり、その政策を詳しく読めば、掲げられている政策は“極めて穏当な共和党の伝統的理念に基づいて構成されたもの”であることが明らかだと江崎先生は指摘されています。
 
▼アメリカ草の根保守の原点、”初恋の”バリー・ゴールドウォーター上院議員
“保守の衝動”などというものは全然思慮深さがなく、せいぜい理念のようにみえる、“いらついた精神のジェスチャー”に過ぎない
 
これほど奇怪で、これほど時代遅れで、これほど自己混乱していて、アメリカ人の基本的な総意からこれほど隔たった理念を持った者が今までいただろうか?
 
責任感がなく、右翼で、過激派で、人種差別的で、そして“気違いじみたキルト[端布刺繍]の収集だ
 
内心は大量殺戮者
 
これらの言葉を今見ると、誰しもが「トランプ氏に向けられて発せられた言葉だろう」と思うのではないでしょうか。
ところが、これらの言葉はトランプに向けて発せられた言葉ではありません。
これらの言葉は1960年代のアメリカ保守派の英雄、“タフトの後継者”、“ミスター共和党”バリー・ゴールドウォーター上院議員に向けて当時のサヨク・リベラルが発した言葉でした。
 
ロバート・タフト議員やレーガン元大統領に比べれば、日本では「ほぼ無名に近い存在」のゴールドウォーター議員ですが、アメリカ保守にとって、「ゴールドウォーター」の名は“初恋の思い出”のように忘れられない存在であるそうです。(「現代アメリカ保守主義運動小史」より)
 
そんなゴールドウォーター氏に浴びせかけられた誹謗中傷の数々が、呆れるぐらいに今のトランプ氏に向けられているそれと似ているように思えるのは気のせいでしょうか。
 
対する“ミスター共和党”、ゴールドウォーター議員もトランプばりに負けていません。
自由の擁護において過激主義は少しも悪いことではない!とあなた方に指摘したいと思う。そしてまた、正義の追求において節度は少しも美徳ではない!ということも
(1964年共和党全国大会での大統領候補指名の受諾演説より)
と述べています。
 
このあたりの構図もまさに2016年現在のアメリカ大統領選のそれと瓜二つと言えますし、トランプ氏の過激な発言だけを見ているだけでは気づきもしませんが、「挑戦的な保守派」というスタイルは“共和党の伝統スタイル”なのだと言えそうです。
 
▼「ジョンソン陣営が仕掛けた“恥知らずなCM”によって、ゴールドウォーターの大統領キャンペーンはぶち壊しにされた」(“広告の父”デイビット・オグルヴィ)
 
バリー・ゴールドウォーター上院議員はアメリカ草の根保守の熱烈な支持によって下馬評を覆して共和党の大統領候補となり、民主党候補のリンドン・ジョンソン氏と対決します。
この時、「こだまに惑わされず選択せよ」という著書を出版し、ゴールドウォーター支持の中心的な役割を演じていたのが本書でも“草の根保守の重鎮”“保守のチャンピオン”として本書でも語られている故フィリス・シュラフリー女史でした。
(2016年9月5日に92歳で亡くなられたシュラフリー女史の最後の遺言が”保守はトランプを支持せよ“だったそうです。)
 
しかし残念ながら、直前に起きたケネディ大統領暗殺によるジョンソン氏への同情票、さらにジョンソン陣営が仕掛けた「恥知らずな宣伝戦」によってゴールドウォーター氏は大統領選で敗北してしまいます。
 
“広告の父”“広告王”呼ばれたエグゼクティブ、オグルヴィ&メイザー社の創設者であったデイビット・オグルヴィ氏は著書「“売る”広告」でジョンソン陣営の“恥知らずなTVCM”が、“公人として最も尊敬に値する人間の1人である”ゴールドウォーターを貶めたと断罪しています。
 
1964年、バリー・ゴールドウォーターの大統領キャンペーンは、対立候補のリンドン・ジョンソン陣営が仕掛けた恥知らずなCMによって、その効果をぶち壊しにされた
 
ジョンソン陣営は、歯磨きのCMならとても許されないような不正で皮肉に満ちたCMで、ゴールドウォーター上院議員を貶めた。CMによって有権者に、ゴールドウォーターは無責任かつ無思慮で好戦的、躊躇なく核戦争を始めかねないという印象を与えたのだ。
 
テレビCMが次期アメリカ大統領選を決める決定的な要因になることが多い時代では、不正な広告をすることは、投票箱に不正票を投じるのと同じくらい罪が重い。こんな悪事に身を売って、あたらその才能を卑劣な目的に供した広告人は、きっとあまりにも単純素朴で、問題の複雑さが理解できないのだろう。
(デイビット・オグルヴィ著「“売る”広告」より)
 
▼レーガンを勝たせた“連合主義”
サヨク・リベラルに苦杯を舐めたアメリカ草の根保守ですが、ここから「保守主義運動の反撃」が始まります。
アメリカ保守はゴールドウォーター氏の大統領選、支援活動を通じて組織力、資金調達のノウハウを得ていました。
さらに“ゴールドウォーターの後継者”としてロナルド・レーガンを見い出します。
 
これによって選挙戦・組織運営のノウハウ、ネットワーク、資金調達力、しかるべき候補者が揃いましたが、さらにもう一つ「必要なこと」がありました。
それが本書でも触れられている“連合(fusionism)”です。
要するに“和を以て貴しと為す”とし、広く支持結集しようということです。
 
日本でもよく見かける光景ですが、保守と言われる方はその信念の強さ故か「100%の同意しか認めない」傾向にあるように思えます。
とはいえ、現実的には自分の考えと100%同じ他人などあり得ません。お互いがお互いの考えは尊重しつつ手を取り合う。
日本の“和を以て貴しと為す”精神がアメリカ保守にも求められたということではないでしょうか。
(とはいえ日本の場合は“和を重視せよ”と言うと、それが過ぎて“主体性”すらなくしてしまいかねませんが、自己主張の強いアメリカではその位がちょうど良かったのかもしれません。)
 
▼そして再びサヨク・リベラルが席巻する時代へ
レーガン時代で終わっていればハッピー・エンドだったかもしれませんが、その後のアメリカ政治は紆余曲折を経て、再びリベラルが席巻する時代になり、いまのオバマ政権になりました。
共和党自体もかつての極左(トロツキスト)である“ネオコン”の台頭を許してしまい、かつ“ライノー(名ばかり共和党員)”と呼ばれる、自民党の中の親中派議員の如き議員が主流派を占めるようになってしまいました。
 
江崎先生がレギュラー出演しているネットチャンネル「チャンネルくらら」での放送によれば、アメリカ草の根保守の間では「今回の大統領選で勝たなければアメリカの保守は終わる」との非常に強い危機感があるそうです。
 
だからこそ、アメリカ保守の“最も伝統的”であり、“最も正統的な政策”を掲げる、サヨク・リベラルのレッテル張りに真っ向から立ち向かい、「強いアメリカを取り戻そう」と主張するトランプが支持されていると言えそうです。
 
おそらく、そういった“本質の部分”が見えてこないとトランプに対する評価も“単なる扇動家”、“炎上マーケティングが上手いビジネスマン”という程度の域を出ないものにしかならないのではないでしょうか。
 
▼共通の目的「反共・反ルーズヴェルト・反東京裁判史観」
本書において江崎先生は、傍観者としてのアメリカ論で終始するのではなく、「では日本としてどうするのか」という当事者意識を問いかけます。
そして「日米の保守が手を取り合うことは可能だ」とし、そのための重要な一片(ピース)が、アメリカ草の根保守が「クソ食らえ」と断じる、第二次世界大戦期の民主党F・ルーズヴェルト政権そのもの、あるいはルーズヴェルト政権下で行われた数々の経済・外交政策であると指摘します。
 
F・ルーズヴェルト政権は実はソ連の共産主義ネットワーク“コミンテルン”によって政権中枢を乗っ取られ、ソ連のスパイによって操られていたことが、1995年に公開された「ヴェノナ文書」によって明らかになっています。
日本においては、その共産主義に染まったF・ルーズヴェルト政権下で決定した対日外交方針によってGHQの占領政策や“合法的手続きの仮面を被った復讐“”いかさまの法手続き“としての東京裁判が行われていたのです。
 
これは、日米の保守が「反共・反ルーズヴェルト・反東京裁判史観」という点において共闘できるということを、アメリカ草の根保守がレーガン政権下で実現し、勝利を手にした“連合主義”を日米の保守間で実現しうる可能性を秘めていることを表しているのではないでしょうか。 
 
▼「共に立ち向かおう」(Let's Tackle Them Together)
最後に冒頭に触れた「共に立ち向かおう」(Let's Tackle Them Together)はどこから引用したものかというと、これは平成27年4月22日にインドネシアで行われたアジア・アフリカ会議、通称“バンドン会議”での「60周年首脳会議における安倍総理大臣スピーチ」から引用させて頂きました。(外務省HPより)
 
日米の保守が「反共・反ルーズヴェルト・反東京裁判史観」で共闘できたのなら、そこにインド・ミャンマー・タイ、ASEAN諸国などの“アジアの国々”も加えることが可能となります。
なぜなら、アジアの国々の多くが大東亜戦争の際、日本が掲げた“欧米列強による植民地支配からの解放”というスローガンに呼応し、戦後の独立の礎を築いていったからです。彼らにとっても独立の礎であった大義を否定する“東京裁判史観”は許し難いものなのです。
 
「反共・反ルーズヴェルト・反東京裁判史観」という”共通の目的“のもと日米の保守及びアジア諸国が結束し、困難に立ち向かうというのは”夢物語“なのでしょうか?
 
確かに険しい茨の道かもしれませんが、“トランプ大統領誕生”のあかつきには、その実現可能性が僅かながらであっても高まってくるのではないでしょうか。
 
もしトランプ大統領に「共に立ち向かおう」と手を差し伸べられたなら―
 “差し出されたその手を力強く握り返すことのできる手”を日本は持っているのでしょうか?
 
もしトランプ大統領に「共に立ち向かおう」と手を差し伸べられたなら―
「おカネ(予算)がありません」と拒否するのでしょうか?
 
もしトランプ大統領に「共に立ち向かおう」と手を差し伸べられたなら―
それとも、「F・ルーズヴェルト政権下のニューディーラー達(=GHQ)が制定した“日本国憲法”で制約されているので共闘できません」と拒否するのでしょうか?
  
これからの国際社会で日本はどのような方針を取るべきなのか、日米同盟の在り方をどうするべきなのかを考える上での多くのヒントが本書には詰め込まれています。
是非、多くの方に本書を読んでみて頂きたいです。
おススメです!