「現代アメリカ保守主義運動小史」及び「アメリカにおける保守主義を理解するための参考文献」 | ScorpionsUFOMSGのブログ

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オバマ大統領の広島訪問後、「日米の保守を分断する動きが活発化している」という指摘がある。
正直、私自身は今回のオバマの広島訪問をどう捉えるべきか、良かったのか悪かったのか、判断することができない。
というかよく分からないというのが正直な感想だ。
とはいえ、「日米の保守を分断しようとする動きが活発化している」という指摘は傾聴に値する。
そのためにも、まずは”アメリカにおける保守主義”を理解することが先決だろうと思う。
 
そのためにもアメリカにおける保守主義運動の歴史をまとめた本書「現代アメリカ保守主義運動小史」をもう一度読み返したい。
あわせて同書で列挙されている「アメリカにおける保守主義を理解するための参考文献」もまだハイエクの「隷属への道」しか読破していないので、他の文献も目を通したい。
 
【現代アメリカ保守主義運動小史】
明成社編集部有志のブログ
http://ameblo.jp/meiseisha/entry-10126116078.html
アメリカを代表するシンクタンク、ヘリテージ財団の特別研究員が描く、アメリカ保守主義運動の歩み。

アメリカは、F・ルーズヴェルト大統領時代、労組・知識人・マスコミの「ニューディール連合」によって支配されてしまった。
左翼リベラル勢力から、政治の主導権を奪い返すために、アメリカの保守主義たちは、いかにして立ち上がり、いかにして勝利したのか。

【本書のポイント】
・反日親ソのルーズヴェルト政権と、日本に占領政策を強要したアメリカの“ニューディーラーたち”は、日米両国の保守主義者「共通の敵」であった。

・ヤルタ協定と東京裁判を批判したロバート・タフト上院議員こそ、現代アメリカ保守主義運動の政治的創始者であった。

・反差別と福祉充実を名目に政府による統制を強め、国民の自由を圧迫する左翼リベラル勢力に対抗して、「道徳的社会秩序に基づく自由」を掲げて立ち上がった。

・「ハル・ノート」にもつながりがある“ソ連のスパイ”アルジャー・ヒスを追い詰めた
 ホイッタカー・チェンバースこそ、現代アメリカ保守主義の理論家の一人であった。

・共和党の左傾化を憂慮した「ニューライト」と、民主党の対ソ宥和外交に反発した「ネオコン」とが手を結んだ結果、レーガン保守主義政権が誕生した。

・翻訳者による解説 「アメリカの独立から戦前までの政党政治史」、「現代アメリカ保守主義に関係する135名の人名録」も収録。

日本人が知らない「アメリカのもう一つの戦後史」とは?
アメリカ政治事典として、欠かせない一冊です。
 

【アメリカにおける保守主義を理解するための参考文献】
<八冊の規範集>
① フレデリック・A・ハイエク「隷属への道」(西山千秋訳。春秋社)
著者は「計画経済は結局のところ独裁政治をもたらし」、経済活動の進路は「自主独立の抑圧」を求めるといったことを、なるほどと思わせるように論ずる非常に説得力のある論客。
本書は1944年に出版され、現代保守派の運動の役割などを初めて明確にしたもの。

② リチャード・A・ウィーバー著『理念には結果がある』
このきちんと論考した作品は、唯名論、合理論、唯物論と言った理念が西側諸国の道徳の「溶解」を引き起こしてしまったことを断言している。けれども、私有財産の擁護、言語・言葉遣いの尊重、さらには敬愛の態度を通じて、人類は現代的思考の惨害から立ち直ることができると著者は述べている。

③ ホイッタカー・チェンバース著『目撃』
共産主義のスパイたち、スパイ行為、そして裏切りというドラマチックな自伝本の物語で、西側諸国と敵である全体主義者との間で行われようとしていた大規模な戦いをめぐって将来の不幸を予言する警告が入っている。第二次世界大戦後では、最も影響を及ぼした反共産主義の本である。

④ ラッセルカーク著『保守主義の心』
十八世紀後半から二十世紀半ばに至るアングロ・アメリカンの保守派の思想家と政治家を描いた不朽の歴史書。
カークは、わが共和国の建国以来アメリカの保守主義の伝統が「存在した」ことを立証し、この一冊の本で保守主義を知的で尊敬すべきものにした。

⑤ ロバート・ニスベット著『共同体の探求-自由と秩序の行方』(安江孝司・樋口裕子・小林修一訳、梓出版社)
文化的な狙い、成員であること、連続性といった人間性の最も力強く必要なものの部分を、いかに共同体が満足するかということについての古典的な研究。アレックス・ド・トクヴィルやエドモンド・バークに同調してニスベットは例えば、家族、すべてのキリスト教徒、近所の人々といった「中間にあるつながり」の復活を呼び掛ける。

⑥ ウィリアム・F・バックリー・ジュニア著『エール大の神と人間』
反キリスト教である集産主義者の偏見が、いかに自分の母校に道徳的な悪影響を及ぼしているかを-別の意味でアメリカの高等教育を-述べた作品で、保守派運動の書籍のうちでもルネッサンス的教養人による最初の本。

⑦ アレックス・ド・トクヴィル著『アメリカのデモクラシー上下』(松本礼二訳、岩波書店)〔ほかにも『アメリカの民主政治 上・中・下』井伊玄太郎訳、講談社〕
トクヴィルは十九世紀フランスの貴族的な人だが、その彼が合衆国を訪れた後にまとめた卓越した社会学的な研究書。トクヴィルは、合衆国に照らし合わせて、民主主義共和国の維持は、法律や国家制度によるだけではなく、国民の風俗習慣によると書いている。

⑧ アレクサンダー・ジェームズ・マディソン、ジョン・ジェイ共著『ザ・フェデラリスト』
(斎藤眞、中野勝郎編訳、岩波文庫)
アメリカ合衆国憲法に関する権威があり奥深い解釈の本。少なくとも公共政策学者のジェームズ・O・ウィルソンの言葉によれば「アメリカ政治哲学についてこれまでに書かれた著作では、唯一ともいうべき最重要作品」と評価されている。

「現代アメリカ保守主義運動小史」より
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