『君が何かを全身全霊で欲した時、君はその「大いなる魂」と最も近い場所にいる。それはいつも、前向きな力として働くのだ。』

少年は、錬金術を学ぶために本ばかり読んでいるイギリス人に、自分の人生の物語を話した。すると、クリスタルの店で働き始めてから起こったことに興味をもち、「大いなる魂」について教えてくれた。

それは、人間だけに与えられた贈り物ではなく、鉱物であろうと、植物であろうと、動物であろうと、単なる思いであろうと、地上にあるすべてのものは魂を持っているという。

少年はクリスタルの店をよくしようと熱中していたとき、グラスさえも成功するように協力してくれていると感じていたから、そのとき既に気づいていたことかもしれない。

確かに、全身全霊で欲したとき、なにもかもが応援してくれていると感じることがあります。たとえば、電車のつなぎがいいなどの小さなことや、些細な偶然が重なり導かれていると感じることがあります。

欲しているから前向きな力が働き、運命を実現しようとしているから「くさり」に導かれる。ということでしょうか?まだモヤモヤと実態がつかめませんが、もう少し少年を観察していれば見えてくるのかもしれません。少年が、キャラバンが砂漠を渡ってゆくのを観察していたように…。


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『砂漠はとても大きく、地平線はとても遠いので、人は自分を小さく感じ、黙っているべきだと思うようになるんだ』

キャラバンには、二百人近い人と四百頭の動物が集合していた。みんながやがやとやかましかったが、砂漠へ出ると、絶え間なく吹いている風の音と、動物のひづめの音だけになり、案内人さえもなにもしゃべらなくなった。

大自然をまえにすると、無条件で降参したくなります。しかも、心地のよい降参です。圧倒され、もうそのあるがままの姿を受け入れるしかないのですが、心は満足しています。そのことは、何の抵抗もせずにあるがままの姿を受け入れるということが、こんなにも心を穏やかにしてくれるのだと教えられます。

どんな時でも、あるがままを受け入れることができたなら、一つ心の負担が軽くなるのではないでしょうか。あるがままを受け入れることと、いいなりになることは違うような気がします。一人旅で大自然と向き合い、私が学んだ生きる知恵です。とはいえ、そうもいかないことも多いのですが…。


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『それは不思議なものごとはくさりのように一つずつつながって起こってくるということだった。』

同じくさりが少年を羊飼いにし、くり返し同じ夢を見させ、王様に会うためにアフリカに近い町へ連れていき、クリスタル商人に会うためにどろぼうに会わせたのだ。

そして、キャラバンに加わり、錬金術師を探しているイギリス人と出会ったことも同じくさりの仕業に違いない。

少年は、同じくさりにつながっている不思議なものごとに導かれ、自分の運命の実現に近づいていた。

少年はいつだって、不思議なものごとに素直にひたむきに向き合い乗り越えてきた。それでも、くさりが宝物につながっているという確信はまだない。だけど、いまはこの急流で溺れないよう、くさりに頼ることが賢明かもしれないと私は思います。


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