テポドン報道を(少し)考える
前回の記事 で、「テポドン発射準備」の報道は信用できるか、てな感じのことを陰謀論っぽく書いてみたわけだが、その後、少しだけ調べてみたので、追加する。
(毎日新聞2006/6/18)<テポドン2号>発射情報なし 北朝鮮公式メディアも報じず
テポドン発射準備に関する報道で確認できた一番最初は2006/6/16のもの(前回の記事 参照)だったのだが、これから少なくとも6/18までは、この情報のソースは米政府のみだったわけだ。
まあ、国交のない国の軍事施設の状況を偵察しなければわからない情報(他には通信傍受くらい?)なんだから、この手の情報をタイムリーに得ることができるのは、米国以外にあまり考えられない。
「テポドン発射準備」という外交戦略は、北朝鮮ならやりかねないとは思うのだが、情報ソースが米政府のみっていうのが、判断を保留する理由である。
可能性1.米政府が「テポドン発射準備」を示唆する誤情報を収集した
可能性2.米政府が収集した情報を誤って「テポドン発射準備」と判断した
可能性3.米政府は情報を得ていないが、米国の国益のため「テポドン発射準備」と公表した
可能性4.実際に「テポドン発射準備」が行われており、米国は正確に情報を収集・判断・公表した
ざっと、このくらいの可能性はあるわけで、実際、イラク戦争では「可能性3」と思しきことをやっている。
今回の場合、米国のロボット小泉の有力な後継者「統一協会」安倍への援護射撃という動機もあるし。
で、6/20に、北朝鮮サイドからこんな言及があった。
(共同通信2006/6/20)「平壌宣言拘束されない」 北朝鮮外務省
これで、「可能性4」が多少有力になったと判断しているのだが、記事の内容は「発射準備」について明言しているわけでもなく、北朝鮮外務省自体、ミサイル関連の情報をどの程度つかんでいるのかも疑問(独裁国家の特徴は、反乱防止のため横のつながりが少ない)なので、まだ判断は保留です。
ひょっとしたら、ガセかも?黒に近い灰色かなあ?
なんで、こんなに疑うか、というと、
政府しか入手できない情報に基づいて、「自衛」戦争が可能だからです。
(「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」第二条3 武力攻撃予測事態)油断していると、「武力攻撃予測事態」判断の既成事実にされかねないと危惧してます。