世界で最も美しいSF映画『メッセージ』をようやく観た件。。。 | SCONEオフィシャルブログ「転がる石には苔は生えない」

 

ずっと観たかったのに。

 

劇場公開に間に合わず、

DVDリリースもタイミングを逃し、

観た今まで過ぎ去っていた

昨今の中では名作の呼び名がふさわしいと言われている

SF映画『メッセージ』を

ようやく観ました。

 

監督は

ドゥニ・ヴィルヌーヴ。

 

そう、

あの『ブレードランナー』の

35年ぶりの続編『ブレードランナー 2049』の監督です。

 

ボクはこれまで

彼の作品を一度も観たことがなくて。

でも、

観終わった後、

彼がなぜ『ブレードランナー 2049』の

監督を任されたか

はっきりわかりました。

 

 

この映画、

SFの体をなしながらも

実は

数学と物理学の鎧を着た

ラブストーリーです(爆)

 

多分、頭のいい人が好きな

家族愛の形。

 

なんていうと

さっぱりわからないと思うけど。

 

ネタバレになるので

あまり深くは掘り下げられませんが。

 

未確認飛行物体は

公開前

お菓子の「ばかうけ」観たいと評判になり

日本ではかなりイメージ的に損してましたが。

 

でも観終わると

飛行物体はあの形で正解と思えるのです。

しかも立ち去り方が秀逸。

 

この物体が

地球の12箇所に舞い降りるわけだけど

なぜその場所だったのかの

科学的理論(統計的?)が

「シーナ・イーストンのデビューALがヒットした都市」

ってので爆笑してしまいましたが。

なん赤オースティン・パワーズみたいで。

あ、決して

コメディーではありませんよ、念のため。

 

そして斬新な驚きとしては。

 

この映画、

実は時間軸の概念が

あるようでないのです。

今までにも

そういう映画はありました、

「メメント」とか「リザボアドックス」とか。

でも

それらともちょっと違う、

言ってみれば

小説を読んでいるような感覚。

 

文章中に時間の流れは

さほど影響しないような物語。

 

原作を読んでいませんが

そういう意味では

原作に忠実なのかも。

 

そして原作タイトルが

「あなたの人生の物語」というように

SFではない

未来と現代の非常に美しい映画、です。

 

観終わった後、

何とも言えない充実感と、

不明な点に思った箇所を

その後何度も見返したりして

結局3回も観てしまいました。

 

 

この映画の素晴らしいポイント。

 

 

一つは、

理論に基づいた地球外生命体のお話を

自分の人生と瞬間的に重ね合わせることができること。

ファンタジーならともかく

(もちろん映画ですからファンタジーと言えばそうですが)

こういうたぐいの映画で

観ながら家族のことを思い出せるって、

名作だと思います。

 

2つ目に、

とにかく美術が良い。

ロケーションはもちろんのこと

宇宙人のデザイン、飛行物体、

そしてその言語まで

完璧にデザインされている。

とくに

ヘプタポットの表義文字と言われる

水墨画のような言語は

この映画の一番の特徴であり、

美しさの代表のようなもの。

この美術部門だけでも

満点以上を上げたい。

 

3つ目に、

人生って

ホントは時間の概念なんてないんじゃないかと

思わせてくれること。

3次元と4次元の世界って

ほぼ同じ場所にあって

思う人の思い方で

どっちでもなれるというか。

これを

この映画で感じて

凄く楽になりました。

最近嫌だったことなんかもみんな忘れます。

 

 

もし、

家族と幸せに過ごしたいと願い、

その家族よりも

自分が先に天国に行ってしまうかも、

と思った時、

絶望に陥らず、

素敵な気分になれる映画です。

 

もしも

あなたが人の人生の結末を知ることが出来たら、

それをその人に伝えるのか、伝えないのか。

それは誰のためなのか。

 

そんな、映画。

 

そして

ヨハン・ヨハンソンの

音楽が素晴らしい。

音響で

アカデミー賞受賞もうなずけます。

 

 

 

宇宙人とドンパチやるわけでも

侵略されるわけでもないので

そっちを期待していると

ある意味

「シンゴジラ」の驚きに似た感情が芽生えるかも。

 

このブログを読んでいる人には

ぜひ、

生きている間に

観て欲しい映画です。

 

たぶんジェレミー・レナーが出ている映画で

一番好きかも。

 

久々に所有したくなった、

映画です。