2024.3.16 ANTHEM OVERLOAD/ETERNAL WARRIOR完全再現@川崎 | TPN MANIACS

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THE POWERNUDEを中心に、ANTHEM、歌魂、GOLDBRICKなどなどのLive Report、Newsを綴ってます。
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<第1部 OVERLOAD>
1.REVENGE(★)
2.THE VOICES
3.DEMON'S RIDE
4.ROUGH AND WILD(★)
5.RESCUE YOU
6.GROUND ZERO
7.OVERLOAD
8.DESERT OF THE SEA
9.GOTTA GO
10.ETERNAL MIND(★★)
<第2部 ETERNAL WARRIOR>
11.ONSLAUGHT
12.ETERNAL WARRIOR
13.SOUL CRY
14.LIFE GOES ON(★)
15.LET THE NEW DAY COME
16.DISTRESS(★)
17.BLEEDING
18.OMEGA MAN
19.EASY MOTHER
20.MIND SLIDE(★)

EN1.WHEELS OF FIRE
EN2.MASTER OF DISASTER
EN3.WILD ANTHEM

★…森川さん初披露曲 ★★…ANTHEM初披露曲

いよいよ開幕しました2024年のANTHEM!「OVERLAOD/ETERNAL WARRIOR完全再現」というアルバム2枚分を一気に完全再現してしまう”大人げない”ANTHEMらしいヤンチャな企画でシーズンイン。
もともとは2020年の35th ANNIVERSARYの一環の「PROLOGUE2」「PROLOGUE3」という2本のライブでCOVID-19の影響で中止となってしまったもの。それを4年越しで、さらに2部制にしてまとめてリベンジという倍返し状態のライブなのです。
長丁場になるということで川崎は指定席制。私は下手ブロックの4列目通路側で見やすい席で見ることが出来ました。

BGMが小さくなって場内の明かりも暗くなりオーディエンスが立ち上がり始めると、いつものSE「HEAVEN&HELL」が鳴り響いていよいよライブの幕が切って落とされます!オーディエンスの手拍子が響き「THE ROCK」に合わせて登場するメンバーに大歓声が上がって既にものすごい
熱気!

「『OVERLOAD』完全再現!いくぞ!」という森川さんの雄たけびに大歓声で応えて1曲目の『REVENGE』へ!完全再現といっても歌メロをアレンジしてあってブルージーな雰囲気が出ていてこれはこれでカッコいい!
つづくHEADBANGINGナンバーの『THE VOICES』は森川さんの歌だと切れ味も鋭く強靭な日本刀でばっさばっさとなぎ倒していく感じ!現メンバーver.だとより攻撃的に感じます。

「2024年のスタートをこのCITTAで切れるというのも感慨深いんですが…」と話し始めた柴田さん。今日は珍しくツアーTにシャツという衣装で想像以上に暑いと言ってましたが、場内の空調が止まってる?らしく2曲目で既に物凄い室温と湿度になっていて客席も滅茶苦茶暑くなってたのでステージ上は更に凄いことになってたんじゃないかな。
そして「最近ものすごい嬉しいことがありまして。田丸が……じゃなくて清水が!1位を!」とB!誌の読者投票でギタリスト部門1位を取ったことに触れると大歓声が上がりました。挨拶をと振られた清水さんは照れながらも「2023年をメンバー一丸となって過ごしてきて、皆さんにもアツく支えてもらったお陰です!そして、ANTHEMに入った二十歳のころからずっと高く評価してくれてる柴田さんに少しでも恩返しができたかな、と」と謙虚に周りへの感謝を表していました。柴田さんは本誌での発表の前に聞いていたそうで、どうだぁ!とガッツポーズしたそうで、自分のこと以上に嬉しかったから次のMCでもこの話をするかも、というくらい喜びようでした。

ライブに戻って『DEMON'S RIDE』ではそのNO.1ギタリストが奏でるイントロやギターソロに合わせてオーディエンスも一緒に歌って凄い一体感!現メンバーで何度も演奏されているけれど、このメンバーでの方が速くて激しいのにずっしりと重くなっていて更にカッコいい!
『ROUGH AND WILD』はこのメンバーで披露するの初めてかも。田丸さんの重いドラムが刻むシャッフルビートと森川さんのブルージーな節回しで全く別の曲みたいになってる!
『RESCUE YOU』はライブアレンジで付け加えられたイントロ前のブリッジからめちゃくちゃアツい!重く疾走するイントロに森川さんのシャウトが突き刺さって滅茶苦茶カッコいい!下手側で見てるから田丸さんの重いツーバスと柴田さんのブリブリのベースの相性がさらに良くなっていてこの疾走感に繋がってるというのがよくわかりました!

会場内が物凄い暑さで曲が終わるとオーディエンスも肩で息をするほど。2013年のHAMMARBALLを思い出す暑さです(苦笑)

「ギタリスト部門チャンピオンの清水が書いたインストで楽しんでくれ!」と鋼鉄の漢たちによるインストナンバー『GROUND ZERO』へ。これも現メンバーでは初披露かと思うんだけど、アルバムで聴くよりも重厚感・緊迫感が強くてドラムが違うだけでこんなに違うのかと!

そして現メンバーでの『OVERLOAD』はもうお馴染みのナンバーで、ANTHEMメンバーを先頭にオーディエンス皆が足並みを揃えて行進していくような一体感が気持ちいい!

「再結成後2枚目のアルバムで曲のふり幅も広いし難しい曲も多くて歌い甲斐があるんだけど、このアルバムのエピソーでも、あっ!エピソーデでも(苦笑)」と噛様から噛みまくられて話を振られた柴田さん。すかさずツッコミを入れつつ、清水さんと朝まで録音する日々が続き、精神的に追い詰められすぎて明け方に闇ビールをやってたというエピソードから「…そんな『DESERT OF THE SEA』を。」と始められた『DESERT OF THE SEA』は森川さんが歌って初めて曲が完成したといってもいいくらい大化けしていて、森川さんの声質と表現力で曲に深みが増して名曲の仲間入りができたんじゃないかと。
渋いノリから一転『GOTTA GO』ではイントロからエンディングまでメンバーとオーディエンスが一体となって拳と声を上げて突き進んでこれぞANTHEMのライブ!な楽しさ!
そして第1部ラストの曲『ETERNAL MIND』はリリース当時から今までライブで演奏したことがないというレア中のレア曲!この曲もこのメンバーで、森川さんが歌うことで滅茶苦茶カッコよくなることがこのライブで証明されたから今後はセット入りしそうですね!

『OVEROAD』10曲を完遂して大歓声を浴びながらメンバーはステージを降り、15分間のインターミッションへ。座席ありなのでドリンクを取りに行ったりトイレに行ったりもできるし座って待てるけど、オールスタンディングの大阪、名古屋はどうなるんだろう?

そうこうしているうちに客電が暗くなり、ギター、ベース、ドラムが轟音を立てるなか緞帳が開かれ板付きのメンバーが姿を現して第2部『ETERNAL WARRIOR』完全再現のスタート!

「『ETERNAL WARRIOR』完全再現!いくぞ!」という森川さんの雄たけびとギターとベースのピックスクラッチからアツく激しい『ONSLAUGHT』へ!もう何度も現メンバーでの『ONSLAUGHT』を聴いているけれど益々攻撃的になっていて火炎放射器で会場中を焼き尽くすようなアツさを感じる!
そのまま続けて田丸さんの重たいツーバスが響き『ETERNAL WARRIOR』へ。曲がより勇壮な雰囲気になって本当にカッコイイ!
『SOUL CRY』はオリジナルだと結構ポップな感じが、現メンバーだと更に骨太さが加わりますね!

第2部でもTシャツにシャツを羽織って登場した柴田さんでしたが会場が物凄い熱気で早々にTシャツ姿に。
「このアルバムは20周年に向けて”全部だそう”と創ったので激しいのから早いのから妖しいのまで相当幅が広いんだけど、現メンバーで完成したと思ってる」と言い切るほど!

壮大でハードで物悲しい『LIFE GOES ON』は清水さんの泣きのギターとボトムをしっかり支えるリズム隊が奏でるイントロから森川さんの絶唱へとより激しい哀しさが際立つようでした。
『LET THE NEW DAY COME』も原曲よりも説得力があるというか…上っ面じゃないメッセージを感じました。

森川さんから「このアルバムのエピソードを」と振られた柴田さんは「1位だからなんか喋って」と華麗に清水さんにパス。清水さんから「『ETERNAL WARRIOR』こそ闇ビールですよ。」と。レコーディングエンジニアさんと3人で泊りがけで録っていて凄く大変で追い詰められたんでしょうね。でも20周年を前にこのアルバムが出せたことが今に繋がっている、と。

そんなアルバムの中でも最も重厚な『DISTRESS』はノイジーなギターにベースのリフが印象的なイントロからじっくり聴かせるゴシカルな曲調、メロディラインは森川さんの深い声がぴったりで、まさしくこれが完成形!
『BLEEDING』もよりハードに勢いよく飛び出す感じで滅茶苦茶カッコいい!

「さぁ!B!誌の人気投票ギタリスト部門1位を取った清水が書いた曲です!3人の漢たちが奏でる鋼鉄のコンチェルト!楽しんでくれ~!Here we go!ANTHEM!」と始まったのは『OMEGA MAN』!清水さんの流れるようなプレイと柴田さん、田丸さんの鉄壁かつ歌心のあるリズムで毎回毎回完璧なアンサンブルを聴かせてくれる…こんなバンドって他にあるんでしょうか…?これが普通になってしまってるのって凄く贅沢なんでしょうね。

森川さんがステージに戻ってコールしたのは『EASY MOTHER』。HEAVYでブルージーな曲調に森川さんの声がよく似合う!この曲もこれで完成でしょう!

森川さんの「息を整えたいので、リーダー、お願いしますよ何か」と物凄い雑なパスを受け取った柴田さん、「”何か”って(苦笑)」しつつ、次の『MIND SLIDE』の制作秘話を。時間が押して柴田さんはイギリスに行かねばならず、この曲の歌録りに立ち会えなかったので、留守電に歌メロを入れて清水さんに託してレコーディングしてもらったそう。で送られてきたヴォーカルを聴いて「………しかたない」となり、クリスに渡したところクリスも「………」となった、と。要は全然納得いってなかったんですね。で、今回のリハでやってみて「今後のセットリストに入れてもいいかも」という気持ちになってるんだとか。
そんなHEAVYでDARKな『MIND SLIDE』こそ森川さんにぴったり!柴田さんはこれを目指して作ったんだろうなという感じで、エンディングのアレンジも森川さんのシャウトも完璧だった!

前に出てオーディエンスに挨拶してステージを降りる4人に当然ANTHEMコールが掛かります!
ほんの3分ほどで再びステージに戻ってきてくれました!

「アンコールどうもありがとう!『WHEELS OF FIRE』!!!!」と森川さんのコールから始まったイントロは20年前の曲=20歳若い時に作った曲よりも数倍激しくてアツいって何なの!!!続けて『MASTER OF DISASTER』というアンコールはRe-ATTACK TOURでの1曲目、2曲目で、ここまで20曲終えた後の選曲とは信じられない!森川さんの声も滅茶苦茶出てるし、最新アルバムが最強、現行メンバーが最鋼であることをあらためてオーディエンスに見せつけるアンコールでした!

再びステージを降りた4人に容赦なくANTHEMコールがかけられます!
「アルバム2枚分の完全再現を感想出来て、かなり安堵してます!久しぶりのこのアツい空気!本当にありがとう!最後に思いっきり存分に楽しもうか!WILD!」「ANTHEM!」と最後はもちろん『WILD ANTHEM』!会場中が歌い!拳を挙げ!ジャンプし!メンバーもオーディエンスも、みんなどこにそんなエネルギーが残ってたのかというくらい大盛り上がり!森川さんの驚異のシャウトで締めくくりました!

恒例の記念撮影もバッチリきまり、「大阪、名古屋も気合入れて頑張ってきます!」という言葉を残してステージを降りるメンバーを大歓声で見送って2024年のANTHEMシーズン開幕戦の幕を閉じました。

今回完全再現した2枚のアルバム、激しい曲以外はのっぺりした印象で心に引っかからなかったのだけど、現メンバーでの再現、森川さんの歌で聴くと喜怒哀楽、感情の起伏が激しくなるというか、曲のコントラストが強まった感じがしました。
今までは1発勝負だった完全再現が今回は東名阪のツアーということで、大阪・名古屋ではさらに進化したものが聴けると思うと楽しみで仕方ありません!