地味~~~~~なメタリックカラーの新顔たち(生田緑地) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

前日の仙石原が内容盛りだくさんだった中で

翌日どこに行こうかと悩んだ挙句、生田緑地へ。

ゼフィルスを探そうと思ったのですが

あいにくこの日は一匹も現れませんでした。

 

とりあえずアジサイなどを撮影しつつ

全体を巡り歩きます。

 

 

 

 

 

そういえば昨年の講座開催時からずっと

緑道の一部閉鎖が続いておりましたが

6月30日時点ですと、範囲は大幅に狭まったものの

まだ依然として一部通行止めが続いていました。

 

原因はもちろんナラ枯れによる倒木なのですが

これについては生田緑地に限った話ではなく

全国的に生じていることですので致し方なし。

管理者の皆さんも相当苦労されているかと思われます。

目下、感染が著しくて倒木しそうなものは伐採し、

そうでないものはラップを巻くなどして防除するという

従来の対策を続けるしかないのがもどかしいところです。

 

 

 

 

 

とある池の近くで、まだ尻尾の付いている

若いカエルの集団を確認しました。

この写真だけでも3匹写っていますが

もちろんこれは氷山の一角。

池周辺で果たしてどれだけいたのか?

まあ、色んな意味で数えない方がいいでしょう(汗)

 

 

 

 

 

拡大するとこんな感じ。

鼻先が丸まっていることや

目を横切る黒いラインがあることから

アマガエルが陸に上がったばかりかと思われます。

 

なお、このカエルを撮影した池では

過去にシュレーゲルアオガエルを

何度か見ておりますので、

今後も識別は慎重にやりたいところです。

 

 

 

 

 

 

湿った藪の中には、カマキリの若(左)と

対照的に成熟したヒメギス(右)の姿が。

仙石原の湿生花園でもヒメギスは多数見られましたが

あちらと同様、生田緑地にも湿地と言ってよい

水気の多い草原があります。ヒメギスはやはり

湿地を好むようで、毎年同じ場所で見かけます。

 

 

 

 

 

ニホンカナヘビも。

全身を写すと尻尾の長さがよくわかります。

 

 

 

 

 

ナラ枯れと同様、今回の訪問で気になったこと。

2年前に初めて撮影した外来種のハゴロモですが

この日は生田緑地のあちらこちらで見かけました。

昨年までは目にした記憶がありませんので

今年1年で爆発的に増えたことになるわけで……。

 

何か大事にならないことを願います。

 

 

 

 

 

さて、ここからは新顔の紹介です。

実はこの日だけで4種類も登録できました。

なのですがタイトルにも書きました通り

どうにも地味な連中が多く……。(;^_^A

 

まずはこちら。丸い顔にメタリックカラー、

そして背中には6つの斑点……。

これはムツボシタマムシというタマムシの仲間です。

 

遭遇率・・・2 (珍種ではないらしい?)

インパクト・・・2 (そこそこ綺麗だけど小さい)

美しさ・・・4 (限りなく3に近い(爆))

俊敏性・・・4 (驚くと速く飛んで逃げます)

知名度・・・1 (マイナー)

 

広葉樹・針葉樹問わず枯れ木のある場所で

発生しやすいようです。(タマムシは基本そうですが)

タマムシらしく金属光沢がありますが

色合い的にやっぱり地味ですね……。

 

 

 

 

 

次はこちら。顔の形からすると

ゾウムシやオトシブミの仲間のようですね。

正体はカシルリオトシブミという種で

日本で見られる最もポピュラーな

オトシブミの仲間だそうです。

……じゃあ何で今まで会えなかったんだろうか?

 

遭遇率・・・3 (Wikiにも「ごく普通の種」とあるので……)

インパクト・・・1 (アリレベルの小ささ)

美しさ・・・4 (緑色を帯びていて、拡大するときれい)

俊敏性・・・4 (こちらも飛んで逃げる速度は速い)

知名度・・・2 (一応Wikiに単独ページを持っているので)

 

名前の通り、樫の木につくオトシブミらしいですが

樫の葉で揺りかごを作ることは稀なのだとか。

 

 

 

 

 

3種目はこちら。黒いテントウムシのようで

拡大してみると虹色の仄かな光沢を持っています。

正体は、ホンドニジゴミムシダマシ

ゴミムシダマシの仲間……ということですが

そもそもゴミムシダマシという種族の認知が

どこまで行き届いているのか微妙かなり微妙……。

 

遭遇率・・・2 (実は前にも見たことはある)

インパクト・・・1 (小型のテントウムシレベル)

美しさ・・・3 (明るさを上げないと虹色は確認できない)

俊敏性・・・3 (ちょこまかと歩き回るが速くはない)

知名度・・・1 (暗記しようとするのはやめよう)

 

散策路沿いのとある枯れ木の隙間に

集団で固まっていましたので

見つけるのは容易でした。

ただ、名前が非常に長ったらしい……。

上記の通り、実は過去にも数回目にしたことはあり

写真をちゃんと撮っていなかったのですが

今回はしかと撮影し、新顔登録させていただきました。

 

 

 

 

 

最後はこちら。

一見すると過去にも撮影した

キイロトラカミキリによく似ていますが

翅の模様の形がかなり違います。

 

これはフタオビミドリトラカミキリといい

まったく別の種になります。

 

遭遇率・・・1 (昆虫エクスプローラーには非掲載)

インパクト・・・2 (カミキリムシとしてはそれなりのサイズ)

美しさ・・・3 (金属光沢はないけど美しい)

俊敏性・・・3 (あまり活発には飛ばない様子)

知名度・・・1 (非常に覚えにくい名前)

 

フタオビ(2つの黒い帯を持つ)

ミドリ(緑色の(黄色に見える気がしますが))

トラ(言わずと知れた虎)

カミキリムシ……ということみたいですが

名前に含まれる要素があまりに多過ぎて

ぶっちゃけ明日まで覚えていられる自信がありません(爆)

 

こういうのは変に種名を暗記しようとせず

「タマムシの仲間は似たような丸顔をしているが、地味で小さいものが多い」

「オトシブミの仲間にはメタリックカラーの普通種がいる」

「ゴミムシダマシというテントウムシみたいな甲虫がいる」

「黄色いカミキリムシにも色々な種類がいる」など

それぞれの特徴だけ覚えておけばいいかな?と思っています。

また、タマムシやゴミムシダマシについては

枯れ木や朽ち木のある環境を好むらしいので

昨今のナラ枯れが何かしらの形で

影響している可能性もあるかもしれません。

その辺の繋がりを追究してみるのも面白いかも?

 

 

 

 

 

カブトムシの残骸(汗)

最近多いらしいので、まあよくある光景か?

 

 

 

 

 

最後になりましたが、今年の秋より

川崎市で全国都市緑化フェアが開催されることになり

生田緑地も会場の一つとなっております。

その関係なのか、正門(?)前の車道沿いの花壇が

なかなかきれいに設えられていますので

もしお出かけになる方がいらっしゃいましたら

ぜひチェックしてみてくださいませ。<(_ _)>

 

 

 

 

 

【6/30 生田緑地で撮影した生きもの】

鳥類・・・ガビチョウ、ツバメ、ヒヨドリ

昆虫類・・・アカボシゴマダラ、アメンボ、イオウイロハシリグモ、エグリグンバイ、オオコフキコガネ、オオシオカラトンボ、オオヒラタシデムシ、オオモンクロベッコウ、カシルリオトシブミ、カマキリの幼虫、キタキチョウ、キマワリ、クサカゲロウ、クロウリハムシ、コチャバネセセリ、ササグモ、シオカラトンボ、シオヤアブ、シマアメンボ、ショウリョウバッタ、ツバメシジミ、トウキョウヒメハンミョウ、トホシテントウ、ネコハエトリ、ヒメギス、フタオビミドリトラカミキリ、ホソハリカメムシ、ホンドニジゴミムシダマシ、マメコガネ、ムシヒキアブ、ムツボシタマムシ、ムネアカオオアリ、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、ルリジガバチ

その他・・・アオダイショウ、アカミミガメ、ナミギセル、ニホンアマガエル、ニホンカナヘビ

 

 

 

 

【生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」開催中!】

2024年のプログラムはこちらをご参照ください。

(毎月、第3日曜日に開催しております)

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年8月18日(日)に開催いたします。

 行先は「薬師池公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。