文章じゃ伝わらないですがクモヒトデの数は尋常じゃありませんでした(鎌倉・材木座海岸) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

今回は先日の「鎌倉歩き」の午後のお話です。

暖かくなってきたので、そろそろウミウシなど

磯の生きものが期待できるかと考え

サンダル持参で材木座海岸に向かいました。

(つまりハイキング中ずっと鞄にサンダルを入れていた)

 

一応まだ4月のことでしたので

ユリカモメが何羽か残っていました。↓

 

 

 

 

 

時期が時期だけに、頭の黒い個体も。

さすがにもう旅立った頃かも?

 

 

 

 

 

 

さてさて材木座です。石を引っ繰り返すと、

ヒライソガニ(右)なんかは簡単に見つかります。

昨年はGWにキヌハダウミウシなどの新顔を撮影し

非常に充実した日を過ごしたものでしたが

さて、今回は何かいいものが見つかるでしょうか?

 

 

 

 

 

こちらも石を引っ繰り返した例。

ムラサキウニが大量にくっついています。

(たまにアカウニが混じることもある)

観察後は石を元のポジションに戻しますが

潰れやしないかとたまにヒヤヒヤします(汗)

 

 

 

 

 

再び、ヒトデマンのハイドロポンプ

みずてっぽうのような気がしないでもないですが

 

 

 

 

 

イトマキヒトデはこの日とにかく数が多く

和賀江島周辺では誰でも見つけられるレベルでした。

中にはヘキサグラム(六芒星)タイプのものも。

通常はご存知の通り星型なのですが

たま~に突然変異でこういう個体が現れるそうです。

(もっと腕が多くなることもあるとかないとか)

 

ちなみに、この日はいませんでしたが

ヤツデヒトデなんかはもっと腕の本数差が激しいです。

 

 

 

 

 

では、コイツ(ニホンクモヒトデ)はどうなのか?

 

 

 

 

 

裏返した時の構造などからすると

何となくコイツは5本限定のように見えがち。

でも、たまに6本のものも存在する……らしい。

 

 

 

 

 

この日、イトマキヒトデ以上に

石の下からわんさかと出てきたのですが

腕のちぎれた個体こそあれど

6本腕の個体は一つも見つかりませんでした。

相当のレアケースなのでしょう。

 

コイツは激しく動き回るタイプですので

何気なく引っ繰り返した石の下から

大量に姿を現した暁にはry

動画でぜひともこのキモさを発信・共有したい

 

 

 

 

 

これはマナマコですね。

天神島によく現れるニセクロナマコとは違い

明るい茶褐色でトゲトゲしています。

ただ、水から出してしまうとトゲが潰れてしまうので……↓

 

 

 

 

 

海中に戻してやるとこの通り。

ちゃんと棘皮動物らしいフォルムに戻ります。

「マ」ナマコということでナマコの中では

恐らく一番メジャーじゃないかなと思われますが

近年は天神島にばかり足を運んでいるせいか

ニセクロナマコの方がエンカウント率が高いです。

 

 

 

 

 

お、これはもしかしたらウミウシか?と

期待したのですが、残念ながら違う貝の仲間。

ただしこれまでに撮影はしたことのない種で

オトメガサというそうです。

 

遭遇率・・・3 (探せばそれなりに見つかるはず)

インパクト・・・2 (この手の貝の中ではそこそこ大型)

美しさ・・・1 (このフォルムではしゃーない(爆))

俊敏性・・・1 (限りなくゼロに近い)

知名度・・・2 (あまり認知されない存在かも……)

 

黒いウミウシのような形状をしているのですが

実際に触ってみると結構固いことに気づきます。

それもそのはず、実は黒い軟体で貝殻を包んでおり

身体の中に貝殻を隠しているらしいのです。

つまり殻を持たない貝と見せかけた殻を持つ貝。

……なんつーか、色んな軟体生物がいるんですね(汗)

 

 

 

 

 

裏返すとこんな感じ。

何となくイソアワモチ辺りを彷彿とさせます。

和賀江島周辺ではそれなりによく観察されるそうですが

幸か不幸か、この地味さゆえにマイナーで

磯遊びに来る親子連れには見向きもされません(汗)

 

なお、イソアワモチとは違って

食用にもされないらしいです。

ますます不遇(いや、幸運か?)

 

 

 

 

 

ちょっと色褪せていますが

久しぶりのコノハミドリガイのようです。

体内に葉緑素を蓄えており

本来はもっと鮮やかな緑色をしています。

 

 

 

 

 

ペットボトルのキャップに入れて撮影。

(他に入れ物がなかったので急遽ドリンクを飲み干して用意した)

うーん、バックが黄色になるとますます黒っぽくなって

緑色が消えてしまいますね。

やっぱり透明なケースが必要かもしれません。

 

ペットボトルそのものに入れればいいのでは?

気づいたのは、家に帰った後でした。orz

 

 

 

 

 

そうこうしている内に潮が満ちてきて

陽も傾き、人の数がまばらになってきました。

そのためか、カワウが砂浜ギリギリまで来ていました。

お目当てのウミウシはコノハミドリガイだけで

少々寂しい結果となってしまいましたが

新顔一種を登録できましたので、個人的には満足です。

(鎌倉歩きの分と合わせると1日で3種登録できました)

 

引き続き、鎌倉からは目が離せません。

 

 

 

 

 

【4/13 材木座海岸で撮影した生きもの】

鳥類・・・カワウ、ツバメ、トビ、ユリカモメ

昆虫類・・・ナミテントウ

その他・・・アカウニ、アゴハゼ、イソヨコバサミ、オトメガサ、ケヤリムシ、コノハミドリガイ、イトマキヒトデ、オウギガニ、ニホンクモヒトデ、ヒライソガニ、ホンヤドカリ、マナマコ、ムラサキウニ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年5月19日(日)に開催いたします。

 行先は「目黒川緑道~中目黒公園」でございます。

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 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。