いつ、どこから、なぜ来たのか全く不明(石神井公園&牧野記念庭園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

前回の記事から大分遡りまして

3/7の石神井公園の記録をお送りします。

つまりまた1ヶ月前の記録に逆戻り

この頃はまだ大分冬鳥が残っていましたが

さすがに4月に入った今は

大分抜けているんじゃないでしょうか?

 

 

 

 

 

 

まだ寒緋桜(カンヒザクラ)が最盛期だったこの頃。

ヒュウガミズキなどと同じで下向きに咲く花ですが

ヒヨドリは器用にぶら下がって嘴を突っ込み

蜜だけを舐め取っていました。(右写真)

 

 

 

 

 

一方でコイツは嘴の形状状仕方ないとは言え

花ごと食いちぎっていました(呪)

でも、何気に過去イチきれいに撮れたかも?

 

ワカケホンセイインコの数につきましては

東京区部の「西側」で増加傾向にある気がします。

実際、石神井公園のある練馬区と

私の勤務先(ほぼ自宅作業ですが)のある世田谷区では

本種とのエンカウント率が明らかに他より多いです。

一方で、23区でも東部(葛飾区や北区)での遭遇率は

あまり高くなく、さらに埼玉県に入ると極端に見かける頻度が

低くなります。何か理由があるのかは不明ですが……。

 

まあ、このまま極端に増えないことを願うばかりです。

 

 

 

 

 

 

山野草園に行ってきましたが

まだこの時点では目ぼしいものは咲いておらず。

フクジュソウやセツブンソウも植わっているのですが

それらを観賞するには逆にちょっと遅過ぎた……。

 

シジュウカラ(右)やメジロエナガ

何羽か訪れていました。コモン枠ばかりですが

全体的に鳥の数は安定して多かった気がします。

 

 

 

 

 

で、この日何のために石神井に来たのかというと

お目当てはコレだったりします。

見た目はキジのメス辺りとよく似ていますし

実際キジとほぼ同等のサイズです。

 

 

 

 

 

全身画像はこんな感じ。

ハッカン(白鷴)といい、本来は中国南部に分布している

キジの仲間です。ちなみにこの個体はメスであり

オスはもっと派手派手しい外見なのだとか。

 

はるばる海を渡ってくるような鳥ではないこと

人が近づいてもほとんど逃げようとしないことから

どこかで飼育されていた個体が逃げ出したと思われます。

なのでこれを新顔として登録していいのかは

相当怪しいところですが……ま、いいか(爆)

 

遭遇率・・・1 (日本に野生個体はいません)

インパクト・・・5 (サイズはキジとほぼ同じ)

美しさ・・・3 (オスだったら5)

俊敏性・・・3 (飼育個体だったからか逃げない)

知名度・・・2 (この個体で初めて知った人も多いはず)

 

 

 

 

 

後ろにちらと靴が見えていますが

これは私ではない別の来園者の足です。

バーダー以外の来園者は大分驚いていましたが

近くを通っても全然逃げようとしません。

 

 

 

 

 

地面をかき分け、何かを食べていました。

こういう点は野鳥然としているといいますか

ちゃんと生きる術は心得ている様子。

 

この後いつ頃まで残るかはわかりませんし

場合によっては公園管理者に捕獲されて

持ち主(?)へ返される可能性もあるわけですが

その辺はどうなるか全くわかりません。

まあ、公園に極端に迷惑をかけているわけでもないので

(少なくともどこぞのインコに比べれば(爆))

このまま放置されて公園のマスコットみたいに

なっていく……のかもしんない。

 

ちなみにコイツ、昨年の秋頃からずっと

公園に残っているらしいです。

……もう回収する気なさそうですね(笑)

 

 

 

 

 

ハッカンの食事見ていたら腹が減ったので

いつものセンターの食堂で武蔵野うどんを食します。

相変わらずここは美味ですが

休日の昼食時なんかは相当混むので

足を運ぶなら入る時間を多少ズラすといいでしょう。

 

お目当てのものは撮れましたし

昼食も済んだので、早めに石神井公園を後にし、

徒歩で牧野記念庭園に向かいました。

 

 

 

 

 

こちらが牧野記念庭園です。

昨年、雑誌で牧野富太郎博士の特集を組んだ際には

大変お世話になりました。博士の終の棲家であり

現在は企画展などを色々と行っています。

昨年は例の朝ドラの効果もあって

来園者数がグンと伸びたと聞いております。

 

園内には生前の博士が直接植えられたという

樹木も多数残っています。ちなみに入口を彩るこのサクラは

ソメイヨシノではなくオオカンザクラ(大寒桜)

枝張りがよく、花数も多いのでとてもよく目立ちます。

 

 

 

 

 

メジロヒヨドリが多数吸蜜に来ており

来園者の方も写真を撮られていました。

 

そういや先日NHKでシマエナガ( ・ ▴ ・ )が特集されていましたが

クローズアップするほどに可愛らさを増すあちらと反対に

メジロは拡大すればするほど怖い目つきが目立って

可愛さが低下していくというry

 

 

 

 

 

 

林床部には多数のアマナが開花……と思いきや

これはどうやらヒロハノアマナという別種のようです。

無印のアマナと違い、こちらは個体数が少なく

地域によっては絶滅も心配されているとのこと。

 

牧野博士にも縁のある植物で

1899年に板橋区で発見したとのこと。

今ではもう区部で野生の個体は見られないようですが

ここの庭園では大事に保全されています。

 

 

 

 

 

蜜源としても有用なようで

セイヨウミツバチが複数吸蜜に来ていました。

 

オオカンザクラも蜜源としては魅力的なのでしょうが

あれだけ鳥が来ていたのでは、蜜のツマミに

食われるリスクが高いので、こっちに固まっていたのは

賢明な判断と言える……かもしんない。

 

 

 

 

 

 

コーヒーの販売もしていました。

昨年の夏からキッチンカーでの販売を始めたらしく

生前の博士が好んで飲んでいたコーヒーの味を

再現したと聞いております。

(博士と奥様のイラストの描かれたコースター付き)

 

 

 

 

 

最後に、博士の胸像です。

周りに植えられているのが、朝ドラ最終週の

タイトルにもなっていた「スエコザサ」

一般的なアズマザサなどと比較すると

葉の一部が裏側に反り返って

「筒」みたいな形になるのが特徴です。

山地に生えるそうですが、そう簡単に見つかるような

植物でもないでしょうし、識別も相当難しいかと思われます。

もしハイキング中にそれらしきものを見かけても

黙っておいた方がいいかもしれません。

(変なコレクターに盗掘されても嫌ですし)

 

なお、朝ドラ関連の展示もありますが

そこで紹介されている博士の若い頃の写真は

神木隆之介さんに非常によく似ています。

Webで検索してもすぐわかりますので

興味のある方は「牧野富太郎 若い頃 神木」で

ググってみてください。<(_ _)>

 

 

 

 

 

【3/7 石神井公園~牧野記念庭園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、エナガ、オオバン、オナガ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、キジバト、キンクロハジロ、ゴイサギ、コサギ、シジュウカラ、シロハラ、ツグミ、ハッカン、ヒヨドリ、マガモ、ムクドリ、メジロ、モズ、ワカケホンセイインコ

昆虫類・・・セイヨウミツバチ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年4月21日(日)に開催いたします。

 行先は「里山ガーデン&四季の森公園(9:30~15:30)」でございます。

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 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。