「毒だらけ」もまた、自然度の高さの表れ(飯能市内) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

大分遅れてしまいましたが4月末の記録をお送りします。

(まだGWにすら入っていないという……)

昨年夏以来の飯能市訪問です。

まずは例年と同様に薬香草園(右)へ。

 

 

 

 

 

何気に、春に来たことは一度もなかったりします。

白藤(写真左上)やラベンダーなどの

春らしい花が、自然な雰囲気の中で楽しめます。

 

 

 

 

 

ラベンダーはここでもハチに人気。

写真だとセイヨウミツバチが一匹しか

写っていませんが、本当は相当数が飛んでいます。

 

2021年までは薬香草園で養蜂をしていたらしいのですが

現在も継続しているのかはちょっと不明です。

(ブログの記事が2021年秋頃で途切れている)

 

 

 

 

 

黒い三連星

古いネタですみません

 

 

 

 

 

以前に県内某所でも撮影した

タケウチトゲアワフキです。

思い切りクローズアップしているので

わかりにくいかもしれませんが

サイズはナナホシテントウにも及びません。

 

シナノキという樹木に依存しているため

撮りたいのであれば虫情報を漁るよりも

シナノキを植えている場所を虱潰しに当たった方が

効率的かもしれません。

 

 

 

 

 

上記のタケウチryは葉を引っ繰り返したりしながら

撮影したものですが、その木にはイラガの繭も。

ちょっとタイミングを間違えていたら

うっかり幼虫に触れて大惨事になっていたので

今後は一応気をつけた方がよさそうです。

 

 

 

 

 

指先サイズの新顔のカメムシ。

シンプルにチャイロカメムシというそうです。

前回のアイツとは大違い

 

遭遇率・・・3(イネ科の植物につきます)

インパクト・・・1 (小さくて地味な存在)

美しさ・・・2 (気持ち悪いタイプではない)

俊敏性・・・3 (忙しなく歩き回っていました)

知名度・・・2 (地味なのでマイナー)

 

実はあの美麗種 アカスジキンカメムシに近い仲間で

手持ちの図鑑でも同じ見開きページに掲載されておりました。

 

 

 

 

 

薬香草園から飯能駅に戻る途中

上空を舞ったチョウゲンボウ

トビを追い掛け回していました。

 

 

 

 

 

 

午後からは天覧山のハイキングに向かいましたが

最短ルートで向かうと途中で飯能河原を経由します。

BBQ会場などとしてよく知られたスポットですが

そうした会場として利用されているのは

河原全体のごく一部のみであり、

少し離れた所は割と閑散としています。

 

水たまりに何かの水生昆虫の

幼虫らしきものが多数いましたが(右写真)

これだけではちょっと正体は不明です。

トンボのヤゴにしては小さ過ぎたし

形状がちょっと違う気もしますが……?

 

 

 

 

 

美しきミヤマカワトンボが出現。

今回はかなり距離が近かったため、

本ブログ史上最高の画質で撮影できました。

ご協力、感謝いたします。<(_ _)>

 

 

 

 

 

上流域らしく、キセキレイ(写真)や

セグロセキレイなども多数見られます。

 

 

 

 

 

 

天覧山に登る前にちょっとブレイク。

登山口近くの八幡屋でケーキをいただきました。

 

ちなみにこのお店、漬物などの発酵食品に特化した

セレクトショップになっておりますので

興味のある方はぜひ一度お立ち寄りください。

レストラン・カフェも併設されているので

ランチにもティータイムにも最適です。

 

 

 

 

 

 

天覧山を経て、昨年も訪れた谷戸の湿地(右)へ。

この湿地は厳密には「ホタルの里」と呼ばれており

ホタルを呼ぶための自然再生が行われています。

 

 

 

 

 

クモの仲間を捕食するハエトリグモ

やっぱりハエを食うシーンを見たことがない……。

 

 

 

 

 

シオヤトンボ。飯能は丘陵地なので

平地よりも出現が遅れているようです。

今年はこれが見納めになるかな?

 

 

 

 

 

水田にいきなりヤマカガシが出現!

大人しいヘビとはいえ、いきなり足下に現れると

やはり私でも結構ビビります。

(大分前には一度踏んづけて足に巻き付かれたこともある)

 

ちなみにこの写真、

手前で全身を晒している1匹だけでなく

木組の隙間に頭を突っ込んでいる

もう1匹がいることに気づきましたでしょうか?

 

この後、同じ水田で違うヤマカガシに

複数回エンカウントしましたので

ここだけで相当数が生息している模様。

上記の首を突っ込んでいる隙間を覗いたら

もしかするととんでもないものを見ることになる……かも?

 

 

 

 

 

頭をクローズアップ

本種に限らず、ヘビはしょっちゅう身体を伸ばすので

全身をクリーンに撮影するのが非常に困難です。

(ついでに警戒心が強く素早いのも問題)

漫画みたく「とぐろ」でも巻いててくれれば

楽なんですけどね……。

 

 

 

 

 

水田には大量のオタマジャクシも。

小さくて黒い方がヒキガエル

灰色の大きい方がニホンアカガエルと思われます。

(昨年ここでニホンアカガエルの成体を撮影しています)

これらが成長した時を狙って

ヤマカガシはここにスタンバイしているのかも?

 

まあ、強い毒を持つヤマカガシではありますが

あれだけの数が集まっているということは

それだけ獲物が多いということでもあります。

ここは自然再生の現場でもあるわけですし

喜ばしいことと考えていいでしょう。

 

 

 

 

 

山中で撮影したササバギンラン

 

 

 

 

 

多峯主山の山頂にも上りました。

天覧山と共に、それほど高い山でもないため

気軽にハイキングが楽しめます。

そのため、近所の親子連れと思われる人の姿もちらほら。

 

 

 

 

 

最後に、冬眠明けでもう翅がボロボロながら

それでもちゃんと飛べるヒオドシチョウです。

(翅の脈が外に飛び出してしまっている有り様)

石砂山はもちろん筑波山の時もそうでしたが

どうやら相当「山頂」が好きみたいです。

 

そういや筑波山の個体は全体的に

翅がきれいなまま残っていたけれど

あれは何か理由があるんだろうか?

 

 

 

 

 

【4/29 飯能市内で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、オナガ、カルガモ、カワラヒワ、キセキレイ、セグロセキレイ、チョウゲンボウ、トビ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ムクドリ、モズ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、アメンボ、ウリハムシ、オオアメンボ、キンケハラナガツチバチ、クマバチ、クロハナムグリ、コアオハナムグリ、コジャノメ、コマルハナバチ、ササグモ、シオカラトンボ、シオヤトンボ、セイヨウミツバチ、センチコガネ、ダイミョウセセリ、タケウチトゲアワフキ、チャイロカメムシ、ツチイナゴ、ツバメシジミ、ツマグロヒョウモン、ナナホシテントウ、ニッポンヒゲナガハナバチ、ニホンミツバチ、ハエトリグモの一種、ハサミムシ、ハラビロトンボ、ヒオドシチョウ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ベニシジミ、ミヤマカワトンボ、ムシヒキアブ、ムラサキシジミ、モモブトカミキリモドキ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、ヤマトシリアゲ、ルリタテハ

その他・・・タニシ、ニホンアカガエル(おたま)、ニホンカナヘビ、ニホントカゲ、ヒキガエル(おたま)、ヤマカガシ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年6月18日(日)に開催いたします。

 行先は「生田緑地(神奈川県川崎市)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。