最大級の引き潮時間でシギ・チドリを探す(三番瀬) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

本来であれば9月の講座「首都圏生きものめぐり」

皆様と一緒に歩く予定であった三番瀬

残念ながらこういうご時世もあり開催できませんでしたが

講座開催予定だった日に1人で足を運びましたので

ここに報告させていただきます。

(谷津干潟にも行ったのですが成果が少なかったので一旦割愛)

 

到着時点でちょうど干潮。しかもかなり大きく潮が引いており

光の当たり具合によっては南米の某湖のような風景に。

 

 

 

 

 

当然、渡りのシギ・チドリも多数。

人と鳥とが一切隔絶されることなく

全く同じ海辺を共有しているこの風景を

ぜひ皆さんと共有したかったものです。

(しかもやたらと天気がよく風もほとんどない)

 

 

 

 

 

 

食事中のチュウシャクシギ(左)とハマシギ(右)。

一番多かったのはハマシギがトウネンのいずれかですが

後述のミヤコドリを除くと集団はいくつかに分かれており

巨大な1つのグループで固まることはまずありません。

 

 

 

 

 

白色を基調とした美しいミユビシギ

トウネンなどとほぼ同サイズですが

三番瀬ではとりわけよく見られます。

上記のハマシギ&トウネンに次ぐ数ではないかと。

 

 

 

 

 

三番瀬で出逢ったのは久しぶりかもしれない

ソリハシシギです。ここ数年ご無沙汰だったので

ちょっと嬉しかったですね。クチバシの反り具合も見事。

この日は複数個体で固まっていました。

 

 

 

 

 

シギ・チドリのいる風景をもういっちょ。

(ダイゼンとミユビシギが写っています)

 

 

 

 

 

こちらはウミネコのいる風景

背後にでっかい廃材置き場のようなものがあり

今にも崩れてきそうですが、大体いつもこんなもん。

崩れたという話は聞かないので、まあ気にしなくていいでしょう。

(生ゴミ置き場でもないので特に臭うこともありません)

 

 

 

 

 

ここのシギ・チドリの中では大型種である

オオソリハシシギ。やはり複数個体見られました。

クチバシの「そり」具合のついては

長さはともかく、角度は無印のソリハシシギの方が

恐らく上かと思われます。

 

 

 

 

 

まだ夏羽のままのダイゼン

とは言え、きれいに夏羽のままなのはこの個体くらいで

既に地味な冬羽(黒い部分がなくなる)になったもの、

生え変わりつつあるものが大多数を占めていました。

 

 

 

 

 

十数体程の集団で行動していた、やや大型のシギ。

明らかにトウネンやハマシギより大きく、色も違う……。

どうやら2019年に新顔登録したオバシギのようです。

こんな近くで鮮明に、しかも集団を撮影できたのは初めてですね。

新顔登録した時は天気が悪く、色がイマイチだった)

 

 

 

 

 

1羽をクローズアップ。

地味ではありますが、頭部から胸部にかけて

黒い斑点がちりばめられているのが特徴らしいです。

確かに、ここで見た他のシギには見られなかったかも。

 

 

 

 

 

オバシギのいる風景

毎年のように来ているらしいのですが

個体数はあまり多いと思えませんので、

こんな姿を撮影できるのは幸運ですね。

 

 

 

 

 

 

ミヤコドリの集団にも会うことができました。

例によって、デカいくせにやたら臆病ですぐ逃げるため

撮影には最も気をつかいます。

 

他のシギ・チドリは待っていると向こうから

近づいてくることすらあるので、警戒心の強さが目立ちます。

実際、上にアップしたミユビシギは1.5mくらいまで

近づいてきていました。それはそれで心配になりますが。

 

 

 

 

 

最後に、シギ・チドリの餌……もとい

三番瀬に生息しているカニたちをアップ。

まずは数え切れないほど多数存在するコメツキガニ

巣穴に潜る前に捕まえ、接写してみました。

 

 

 

 

 

巣に潜りかけていたオサガニ

2年前に新顔登録したばかりの種です。

コメツキガニよりはるかに大きいですが

数は反比例するように少なく、なかなか見かけません。

 

豊富な食糧があるからこそ、毎年鳥がやってくる……

そういう場所が東京湾の奥に存在することを

一般の方は実はあまりご存じありません。

講座においてはその旨を解説したかったものです。

 

 

 

 

 

講座は開催できなかったものの、鳥はたくさん。

天候にも恵まれ、オバシギの集団など

初めて撮れたものもありました。大収穫と言えるでしょう。

 

来年こそは、改めてここをご案内したいものです。

 

 

 

 

【9/19 三番瀬で撮影した生きもの】

鳥類・・・ウミネコ、オオソリハシシギ、オバシギ、ソリハシシギ、ダイサギ、ダイゼン、チュウシャクシギ、トウネン、ハマシギ、ミヤコドリ、ミユビシギ

昆虫類・・・オンブバッタ、サビキコリ

その他・・・オサガニ、コメツキガニ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年10月17日(日)に開催いたします。

 行先は「長浜公園~八景島~海の公園」でございます。

 (シーサイドラインに乗って移動します)

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。