鎮守の森のカニ(小網代の森) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

三浦半島の小網代の森は、春と夏で

最低年に2回は訪問しているお気に入りのスポット。

とりわけ源流域にカワトンボの出る春がおススメなのですが

今年は4~5月と神奈川の実家に帰れず、小網代にも行けずじまい。

そういうわけでこの日が今年初訪問となりました。

 

さすがにこの時期はもうカワトンボなど飛んでいないのですが

ここのメインディッシュとも言えるアカガニはむしろ夏以降が本番。

基本「会えない」ということはないので、安心して訪問できます。

 

 

 

 

 

満潮時間に差し掛かっていたため、

残念ながら毎年お馴染みチゴガニのダンスは見られませんでした。

(コメツキガニは数匹確認できたのですが……)

 

 

 

 

 

 

大分前にここで撮影したことのあるヤブヤンマ

青い眼がナイスです。

泥にケツを突っ込んで何をしているのかと思いきや

実はこれ、卵を産んでいるところなのだそうです。

 

ギンヤンマなどが池で産卵しているシーンを見かけるため

どのトンボも水中に産むものだと思っておりましたが

こういう例外もあるみたいですね。

ただ、この産卵地点のすぐ横に池がありましたので

ヤブヤンマのヤゴに水が必要ないというわけではないみたいです。

卵の間は土中で外敵から守られ、生まれたらすぐに池に移動するのでしょう。

 

 

 

 

 

ルリタテハと、くっきりした影絵。

……そういや今年の7月は四六時中曇天で

この手の写真は全く撮れていませんでした(汗)

 

ここ一週間も曇天続きではありましたが(気温も下がったし)

今週はどうやら晴れ間が多いようなので、期待しています。

 

 

 

 

 

妙にかっこいいトビの写真。

くちばしも鋭く、こうして見る分には

ビジュアル面にも何ら問題はないんですが……。

 

好感度が高くないのは数が多すぎるせいか、

残飯を漁るせいか、人の食い物を狙うせいか(汗)

 

 

 

 

 

さて、上記のアカガニの件ですが

小網代の森のあちこちに生息している一方

森の中で散策路から外に出ることは禁止されているため

源流~河口の散策路上(デッキの上など)からでは

実はなかなか見つかりません。

 

彼らが頻繁に姿を見せるのは、

眺望テラスから白髭神社までのルート上です。

道中の壁面にある岩の隙間に隠れていることが多いほか

積み上げられた枯草の中にもわんさかと隠れています。

上の写真、見えているだけでも4匹確認できますが

もしこの枯草を引っ繰り返したら(以下自粛)

 

 

 

 

 

白髭神社です。小網代湾に隣接しています。

せっかくなので参拝しようと境内に入ったら……↓

 

 

 

 

 

結構急な階段に、アカガニの姿が。

一見すると余裕で歩いているようにも見えますが

実はこれ、本人(?)にとっては結構キツいらしくて

変に驚かすと転がり落ちてしまうこともあります(汗)

 

昆虫と同じ節足動物ではあるものの、カニと虫では体重が桁違い。

クモやアリのように斜面を自在に歩き回ることはできないようです。

 

 

 

 

 

 

なお、アカガニは体色の差がやたらと幅広く

名前の通り手(ハサミ)だけ赤くてわかりやすい個体もいれば

全身赤いものまでいます。この真っ赤な個体というのが厄介で

近似種のベンケイガニ(これは基本常に真っ赤)と誤認しやすいのです。

 

甲羅に切れ込みがあるかどうかで識別できる……のですが

素早く動くカニを真上から撮影しないといけないので結構大変。

上の写真、左は問題なくアカガニと識別できるのですが

右の個体はよく見ると甲羅の側面に切れ込みのようなものがあり

恐らくはベンケイガニではないかと思われます。

 

 

 

 

 

 

!?

 

 

 

 

 

神社の裏手をちょっと覗いてみたら

とんでもない数の赤いカニが。 ここまで多いと気持ち悪いですか(汗)

 

アカガニベンケイガニも(ついでにクロベンケイガニも)

大潮の夜に海に降りてきて子供を放つ習性があるのですが

普段は海の傍の森の中などに暮らしています。

小網代湾に隣接した白髭神社の境内は

棲み処としては最適なのかもしれません。

 

上の写真だと、何となくベンケイガニの方が多そうです。

ただ、境内では明らかにアカテガニと断言できる個体も多かったため

この2種はあまり競合しないのかもしれません。

(実際、階段の斜面にいたのは100%アカガニです)

 

 

 

 

 

木登り中のアカガニ

手を出す私に対し、ハサミで抵抗しようとしています。

かなり力が強いので、興奮していそうな時は

変に捕まえたりしない方がいいでしょう。

 

 

 

 

 

アカガニのいる風景。

 

昆虫と比べて斜面を登るのは大変そうだと書きましたが

一方でこうやって木に登ってしまう個体もいます。

(以前、ブロック塀を垂直に登っている奴もいました)

 

 

 

 

 

ポケGO。白髭神社で1匹だけ捕獲したクラブ。

深い意味はない。 ハサミと頭だけ赤いのできっとこれもアカテガニ

 

 

 

 

 

帰りがけ、イソヒヨドリのオスにも出合いました。

 

ちなみに小網代の森そのものは鬱蒼としているため

バードウォッチングにはあまり適していません。

ただ、春と秋の渡りのシーズンになると

小網代湾にシギ・チドリが訪れることはあるそうです。

実際私も、キアシシギとチュウシャクシギをここで撮っています。

 

まあしかし、単に渡りのシギ・チドリを撮りたいだけなら

もう少し開けた干潟(三番瀬や谷津干潟など)に行った方がいいでしょう。

今年もちょうど今あたりがピークのはず。

頃合いを見ていってみようかと考えている今日この頃です。

 

 

 

【9/6 小網代の森で撮影した生きもの】

鳥類・・・イソヒヨドリ、カワウ、トビ、ムクドリ

昆虫類・・・アカボシゴマダラ、イチモンジセセリ、オオシオカラトンボ、キタキチョウ、キタテハ、クロウリハムシ、コミスジ、サトキマダラヒカゲ、シオカラトンボ、シマアメンボ、ショウリョウバッタ、ツチイナゴ、ツバメシジミ、ヒカゲチョウ、モンキアゲハ、モンキチョウ、ヤマトシリアゲ、ルリタテハ

その他・・・アカテガニ、アシハラガニ、クロベンケイガニ、コメツキガニ、ベンケイガニ、ヤマトオサガニ

 

 

【9/6 小網代の森で捕獲したポケモン】

オムナイト・・・4

クラブ・・・1

ケーシィ・・・5

コイル・・・9

コロモリ・・・1

サイホーン・・・7

ズガイドス・・・1

ダンバル・・・1

ハスボー・・・12

プテラ・・・3

ムックル・・・1

モンジャラ・・・5