自然系ニコタマ・ブランド(大田区のある公園~二子玉川)※後編 | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

前編でお送りしました大田区の公園から電車を乗り継ぎ、

等々力駅で下車。そのまま等々力渓谷を歩いて多摩川方面に向かい、

二子玉川へと向かいます。昨年秋に歩いたのと同じルートですね。

 

先日NHKで、等々力渓谷の訪問者が増えたというニュースがありました。

県境を跨ぎにくい雰囲気の中、自然を求めて東京の方が訪れているとか。

ニュースでは「近場の良いスポットに目を向ける人が増えた」と言われ

奇しくも本ブログが推奨する流れが来た……と言えなくもありません。

ただしそれだけでは、言うなれば「コロナ禍でのその場しのぎ」の域を

脱することができず、事態が収まればまた人が離れてしまいかねません。

状況に関係なく、近場の公園・自然地にもっと行きたいと思わせるような

何かしらの「働きかけ」を考える時期が来ているのかもしれません。

(無料なんだから人が来なくてもいいじゃん……とかそういう問題ではなく)

 

 

 

 

 

 

渓谷に隣接する日本庭園。前回訪問時と違い真夏ですので

カノコユリ(左)やサギソウ(右)など夏らしい花が咲いていました。

いずれも植栽されたものだとは思いますが、在来種ということもあって

和風の庭園風景によくマッチしています。

ちなみにもしサギソウなんか自生していたら山野草ファンが殺到します

 

 

 

 

 

M字開脚を決めて懸命に私を威嚇する、オオカマキリの若い個体。

カマを広げて身体を大きく見せることは多いのですが

この個体はボクシングよろしくカマを顔の横に構え

臨戦態勢を整えているようですので、より攻撃的と言えるかも?

 

 

 

 

 

そんなカマキリすらも捕獲して体液を吸うこともあれば

逆に捕らえられて食われることもあるアオアブ

人の血を吸うわけではないのですが、変にちょっかいを出すと

太い口吻で刺されて悶絶することがある(らしい)ので要注意。

 

ちなみに本種の知名度は2とするか3とするか迷うところ。

似た系統では、恐らくシオヤアブの方がよく知られています。

(最強の昆虫議論でよく名前が挙がるため)

 

 

 

 

 

葉の上で休憩中のムラサキシジミ(知名度は3)。

普段は翅を閉じているので、こういう時は撮影のチャンス。

翅が破れてしまっていますが、それでもちゃんと飛べていました。

 

 

 

 

 

こちらも渓谷に近い玉川野毛町公園

バッタやミツバチなどがよく飛来します。

上記のムラサキシジミやアオメアブはここで撮影したものです。

 

ちなみにこの公園には、前方後円墳(つまり古墳)が存在します。

写真の石垣みたいなのは、古墳の四角(?)の部分です。

 

 

 

 

 

再び渓谷に戻り、川を下って多摩川の河川敷へ。

7月はとにかく雨が多く常に足元が湿っていたため、

こうやってチョウやハチなどが地面で吸水していることも。

(写真はお馴染みのアオスジアゲハです)

 

 

 

 

 

アオダイショウをさがせ!

 

答(右下中央付近の草むらから顔を出しています

 

 

 

 

 

こんな感じで顔だけ出しています。

見つかりましたでしょうか?

 

ちなみに河川敷でも草丈が高いところでは

ヘビが隠れていてもなかなか気づけません。

アオダイショウは大人しいので大して脅威ではないですが

毒のあるヤマカガシや気性の荒いシマヘビが隠れている可能性もあり

歩く際には一応注意した方がいいでしょう。

(ヘビが隠れられる高さの草むらには入らないという選択もあり)

 

 

 

 

 

同じく、河川敷の草むらで撮影したキリギリス

この昆虫自体は知名度が高く(恐らく5点

どういう形をしているかも知っている方が多いでしょうが

草むらの奥深くに隠れていることが多く、なかなか見つかりません。

生きている姿を見たことがないという方も多いかも?

数自体は少なくなく、河川敷でもあちこちから鳴き声が聞こえてきます。

 

 

 

 

 

二子玉川公園へ。ここにも日本庭園があります。

池が広く、トンボなどが多く観察できるスポットです。

 

 

 

 

 

 

公園と二子玉川駅の間に位置する商業施設「二子玉川ライズ」

右写真の池は、実は屋上庭園の一部です。まるで自然公園のよう……。

何でもここ数年、毎年カルガモの繁殖が確認できているとか。

都内の屋上庭園でカルガモが子を産んで育てているというのも

よく考えると結構すごいことなんじゃないかなと感じます。

(近くに多摩川があるなど、立地が恵まれていることもありますが)

 

また、広いオープンスペースを活かして

左写真のようにアウトドアで楽しめる催しを実施することも。

緑ある屋外空間で、なおかつ上品な雰囲気も楽しめる……

人が集まるのもよくわかる気がします。

 

 

 

 

 

 

二子玉川ライズ内をウロウロしていたハクセキレイ

突然草むら(左写真奥)に飛び込んだかと思いきや、

小さなオンブバッタを捕獲しました。

 

いち施設のオープンスペース内でもしっかりと

「食う・食われる」の関係は成り立っているわけですね。

 

 

 

 

 

ただ、自然をうまく取り入れている代償とでも言いましょうか

外来種が侵入し、繁殖してしまうケースも少なくありません。

写真はカオグロガビチョウ。その名の通りガビチョウの仲間で

眼の周辺がパンダのように黒い中国原産の外来種です。

 

遭遇率・・・2 (分布域はそこまで広くない模様)

インパクト・・・4

美しさ・・・3

俊敏性・・・4 (なかなか静止してくれません)

知名度・・・2 (無印のガビチョウと違い、図鑑に載っていないことも)

 

 

 

 

 

無印のガビチョウ、渡良瀬で撮ったカオジロガビチョウに次ぐ

ガビチョウ3種類目。今回が初顔合わせですが ついでにあんま嬉しくはないですが

二子玉川周辺ではそこそこの数が確認できました。

 

 

 

 

 

玉川高島屋の屋上庭園。こちらもちょっとした公園レベルの

広さと美しさを兼ね揃えたオープンスペースです。

ショッピングの休憩はもちろんのこと

子供を遊ばせるのにもピッタリなスポットとなっています。

(真夏の猛暑日には、暑くなったら施設内に避難できるので特に有効)

 

 

 

 

 

最後に、河川敷の兵庫島公園を訪ねてフィニッシュです。

長引く梅雨の合間の晴れ間ということもあってか(撮影日は7/24)

川遊びしている親子連れがたくさん。地元の皆さんかも?

 

ツミに始まった今回の散策。

新顔であるナマズ(一応カオグロガビチョウも)の撮影など

結構な収穫がありました。無論今回の散策エリアは氷山の一角。

東京23区にはまだまだ未開拓のスポットが多数ありますので

熱中症と感染に気を付けつつ、引き続き散策に出かけたいものです。

 

 

 

【7/24 大田区内某公園~二子玉川で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、カオグロガビチョウ、カルガモ、カワウ、カワラヒワ、キジバト、ツバメ、ツミ、トビ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ムクドリ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、アオドウガネ、アオメアブ、アオモンイトトンボ、アブラゼミ、アメンボ、オオカマキリ、オオシオカラトンボ、オンブバッタ、キタキチョウ、キリギリス、キンケハラナガツチバチ、コバネイナゴ、コフキトンボ、ササグモ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、スジグロシロチョウ、セイヨウミツバチ、セグロアシナガバチ、ダイサギ、チャバネセセリ、トウキョウヒメハンミョウ、ニイニイゼミ、ニホンミツバチ、ハグロトンボ、プラタナスグンバイ、マイマイガ、マメコガネ、ミンミンゼミ、ムラサキシジミ、モノサシトンボ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ

その他・・・アオダイショウ、アカミミガメ、クサガメ、ナマズ、ニホントカゲ、ミミズ

 

★現在、生きもの探索ツアー開催に向けて準備中! ご期待ください。m(_ _)m