3ヶ月ぶりの再会で、ノミ(?)といっしょ(花をたずねて鎌倉歩き) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

3ヶ月ぶりに開催された「花をたずねて鎌倉歩き」へ。

参加者の皆さんもお元気で安心しました。

 

今回の出かけ先は散在ガ池森林公園(鎌倉湖)でした。

何度か本ブログでも紹介しているスポットですが

鎌倉湖だけでなく、周囲の寺社にも足を運びましたので

非常に新鮮な気持ちで楽しめました。

 

 

 

 

 

 

最初に訪れたのは白山神社。ちょうどアジサイが美しい時期ですが

明月院などの著名なスポットと違い、至って静かです。

感染予防の観点から入場制限を課している所も多いですが

ここはそうした制限がないため、落ち着いて花を観賞できるのがポイント。

 

 

 

 

 

境内では、とりわけベニシジミを多数見かけました。

知名度は……4といいたいところですが

見かける機会が多いわりにイマイチ一般に認知されていない気もするので

もしかすると3になってしまうかもしれない?

 

 

 

 

 

三方を山に囲まれた静かな神社。

鎌倉市の立地に通じるものがありますね。

 

 

 

 

 

と、ここで昨年私を刺した怖いヤツ(アリバチ)が。

バチッと、強力な静電気を食らったような衝撃があるため

くれぐれも触らないよう注意が必要です。

 

 

 

 

 

続いて、鎌倉湖よりやや奥に位置する称名寺へ。

 

 

 

 

 

カマキリの幼虫。まだ小さくてどこか頼りなく

葉の中に隠れてジッとしています。

この時期はまだトンボの方が遥かに強く

うっかりすると捕食されてしまいます。

 

 

 

 

 

こういう美しいもあります。

毎度個人で訪問する際には鎌倉湖にしか行かないため

こんな場所があったなんて初めて知りました。

 

私も関東圏各所に足を運んできましたが、それぞれの行き先でも

まだまだ未踏のスポットはたくさんあるのかもしれません。

秩父の裏山にはホラーゲームの題材になった廃村があるけど、そこは一生未踏のままでいい

 

 

 

 

 

初夏の鎌倉でアジサイと並ぶ代名詞といっていいイワタバコ

厳密に言うならケイワタバコという種だそうです。

岩肌に大群落をつくる山野草ですが、暑い日が続いたせいか

今年はちょっと早めに花の最盛期が過ぎてしまいました(汗)。

(実際写真でも元気がない)

 

それでも、咲いている株を確認できただけ幸運だったかもしれません。

この1週間後でしたら完全にアウトでしたからね。

 

 

 

 

 

道中で見かけたオオミズアオ。羽化した直後かと思いましたが

サナギの殻が近くになかったので、単に休んでいただけかも?

 

やはり巨大でインパクトがあるため、参加者の皆さんも目を惹かれた模様。

「美しい蛾」としてコンパクトタイプの図鑑でも大抵掲載されていますが

蛾であるが故に注目されないケースも少なくはないので、

知名度については迷うところです。3~4くらいといったところか?

 

 

 

 

 

これはアリグモ……のように見えますが

よく見るとボディが一部赤くなっています。

気になって調べてみましたところ、正体はヤガタアリグモと判明。

本ブログでは新顔になります。

 

遭遇率・・・2 (一応普通種らしいのですが……)

インパクト・・・2

美しさ・・・2

俊敏性・・・4 (無印と同じく、アリのように忙しなく動き回ります)

知名度・・・1 (無印のアリグモでやっと2くらいかと)

 

 

基本、図鑑に掲載されているのは無印のアリグモだけ。

こうして直接エンカウントしなかったら、

「日本のアリグモは他にも何種類かいる」なんて気づきもしなかったはず。

だからこそ直接外出し、直接生きものに触れることが大事なのだと

少なくとも私は考えています。

 

今日、リモートセミナーですべったから負け惜しみしているわけじゃありませんが(恥)

自然を知るには、どうしてもオンラインでは限界があるのです。

 

 

 

 

 

 

さてさて、ご存知鎌倉湖です。

こうして他の皆さんと一緒に訪問すると、違った面白さがあります。

オオルリキビタキと思われる鳥の鳴き声が何度か聞こえましたが

残念ながらこの日は姿を確認することはできず……。

ただ、相変わらず健全な環境が保たれているように感じます。

 

で、そんな湖で足元に現れたのが……↓

 

 

 

 

 

全長はせいぜい6~7mmといったところ。

黒光りしていてコオロギ辺りを彷彿とさせますが

形状は大分異なります。が、縦では形がわかりにくいので

そぉ~っと横に回り込みます。↓

 

 

 

 

 

前に図鑑で見ていたので、この時点で種名はわかりました。

ノミバッタというバッタの仲間で、もちろん新顔になります。

ちなみにMOTHERというファミコンゲームには、敵を痒がらせて

攻撃力と守備力を激減させる「ノミとシラミ」というアイテムが存在します。

(ちなみになぜかロボット系モンスターにも効きます)

 

遭遇率・・・2 (今まで会えませんでしたが、少なくはない模様)

インパクト・・・1 (サイズがあまりに小さいので……)

美しさ・・・2 (黒光りといっても「あれ」のように生理的嫌悪感は起こさない…はず)

俊敏性・・・5 (瞬間移動可能(後述))

知名度・・・2 (図鑑には割と載っていることが多い)

 

 

このバッタ、名前の通り見た目も確かにノミに似ているのですが

特筆すべきはその動き。もし、うっかり驚かせてしまおうものなら

次の瞬間に消えます。過言でなく本当に消滅します。

正確に言うならとんでもないスピードで跳ぶため、

人の目には消えたように見えるわけです。まさにノミそのもの

ノミと同じく遠くまで跳んでしまうため、目で追うことができません。

 

上記の通り非常に小さいため、これを撮るために地べたに座り

這いつくばるくらいのつもりで地表近くで撮りました。

傍から見たら変態でしょうが、何を今更

 

 

 

 

 

ちなみにここにもケイワタバコが生えているのですが、

やはり花の最盛期は過ぎてしまっておりました……残念。

(写真は、地面に落ちていた花です)

 

 

 

 

 

 

最後に、帰りのバス停近くで撮影した

ヤマユリ(左)とゴマダラカミキリ(右)です。

ユリの方は結構鎌倉市内でも随所に生えており、

決して珍しい山野草ではありません。香りも相変わらず豊か。

 

今年は昨年と比べ、花の開花期が全体的に前倒しになっています。

お目当ての花などございましたら、早めに足を運んだ方がいいでしょう。

自粛ムードで外に出にくいのかもしれませんが、

感染症対策を怠らないのであれば、あえて一言言わせていただきます。

 

 

今年見られなかったその花

来年同じ場所で見られる保証は

どこにもありません。

※群生地でなく数株しか生えていない山野草は特に顕著。

 また、秋ヶ瀬公園のようなどうにもならない理由(台風で水没→立入禁止)もありえます。