これは間違いなく「知名度1」。黒のアジサシ出現(伊佐沼) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

再び伊佐沼(川越市)へ。駅から現地までの動線上は

大きな田園地帯になっており、サギの集団が飛来していました。

こうした田園を横目に現地まではほぼ一直線……なのですが

実は歩道がしっかりと整備されていない上に車の数が多いため

徒歩で向かうのであればかなり注意が必要です。

(本来であれば徒歩で向かうべきではないのかもしれません)

 

 

 

 

 

 

田んぼはちょうど水を張った直後or水張り中といったところ。

右のオタマジャクシは、行きで遭遇したものですが

この時点では正体がよくわかりませんでした。

既に後ろ足が出ているにもかかわらずサイズが大きくなかったので

恐らくウシガエルではないだろうと想像はつきましたが……

詳細は後述いたします。

 

 

 

 

 

沼の様子。比較的いい天気でしたが

埼玉県の内陸部ということもあり、

蒸し暑さは折り紙付き。飲み物の持参は必須です。

 

 

 

 

 

さて、ここの主役といえばコアジサシ

前回訪問時にも一足早く飛来していた2羽を見かけましたが

今回も早速登場。ポールの上に乗っかっています。

 

 

 

 

 

魚をもってアプローチをかけるコアジサシ♂

が、あっさりフラれました(爆)

言い換えるなら、気に入らない相手は拒否できるくらい

個体数に余裕があるということかもしれません

 

 

 

 

 

水面に突き出した杭を独占するコアジサシたち。

この時期の伊佐沼ではよくある光景……なのですが

1羽だけ色の変な個体が確認できました。

 

中央の頭の黒い鳥。形は周りの個体と同じですが

コアジサシでこんな配色になることはありません。↓

 

 

 

 

 

正体はハジロクロハラアジサシ

コアジサシと違って日本にはごく稀にしか飛来しない

珍鳥といっていい存在です。その名の通り腹部が黒く、

頭部回りも真っ黒。コアジサシとは大きく異なります。

 

遭遇率・・・1 (ただし伊佐沼では割とコンスタントに飛来する模様)

インパクト・・・3

美しさ・・・4

俊敏性・・・5 (サイズが大きい分、ややコアジサシよりゆっくり飛ぶ)

知名度・・・1 (そんじょそこらの図鑑には載っていない)

 

一般の書店で売っているようなコンパクトサイズの図鑑では

日本で普通に見られるような野鳥しか掲載されていないことがあります。

(だからオオカラモズなんかはまず掲載されていない)

ただ、上記の通り伊佐沼では何度か飛来が確認されているようで

検索をかけるとすぐに見つかります。お試しあれ。

 

 

 

 

 

飛ぶ、ハジロクロハラアジサシ

飛び方はコアジサシに準じるのですが

コアジサシよりも一回り大きいためか、飛び方がやや緩やか。

そのため、飛翔シーンを撮るのはコアジサシより簡単なのですが

距離があったので私のカメラではこれが限界でした(汗)。

 

ただ、名前の由来である腹部の黒い部分については

ちゃんと押さえることができたかな?という印象です。

 

 

 

 

 

さらに、珍鳥とまでは言えませんが

そう簡単に出合えない鳥 ヨシゴイも姿を現しました。

知名度で点を振るなら、2点といったところ。

図鑑にはほぼ掲載されている一方、目にする機会が少ないため

一般にはあまり知られていないサギの仲間です。(ササゴイと同レベル?)

 

ちなみにコアジサシは絶滅危惧Ⅱ類

ヨシゴイは準絶滅危惧種で、カテゴリではコアジサシの方が危険。

ただし「個体数が少ない=絶滅の心配あり」というわけでは

必ずしもありませんので一応念のため。

 

 

 

 

 

 

夏らしく、トンボの数も多くなってまいりました。

写真はコフキトンボ(左)と飛んでいるウチワヤンマ(右)。

知名度で点を振るなら、コフキトンボが2、ウチワヤンマが3といったところか?

 

コフキトンボはシオカラトンボ(これは知名度5)と誤認されやすいのもネック。

なお、日本のトンボの中で他に知名度5点と言えそうな種は

アキアカネ、オニヤンマ、ギンヤンマあたりかなと思っております。

(カワトンボやイトトンボの仲間は認知度が低そうです)

 

 

 

 

 

 

近くの花壇ではエキナセアが多数開花していました。

カラーバリエーションが豊富で、なおかつ株が小さく花が大きいので

夏場のボーダーガーデン等では引っ張りだことなっています。

また、昆虫の飛来もそれなりに期待できるみたいで

アゲハチョウなどのサイズの大きい蝶もよく吸蜜に訪れます。

 

 

 

 

 

昼食は沼近くのうどん屋で。

前回訪問した際はクソコロナのせいでクローズしていたのですが

緊急事態宣言解除を受けてか、無事再オープンしておりました。

 

ここのうどんは極太で腹に溜まりやすく

なおかつお手頃価格なので、腹の減った野郎どもにはピッタリです(爆)。

写真はキノコつけ汁うどん。冷奴もついていました。

 

 

 

 

 

これは帰り道。一応、車の通れない農道もあるので

そちらを歩いて南古谷の駅を目指します。

足元が舗装されていないため、雨上がりなどは要注意。

 

 

 

 

 

1匹だけですが、帰りにトウキョウダルマガエルの成体を見かけました。

朝撮影したオタマジャクシも、恐らくこれの子供ではないかと。

(Webでチェックしてみましたが、形状はよく似ていました)

 

ダルマガエルも準絶滅危惧種とされていますが

分布域が局所的なだけで、いる所にはかなりいる生きもの。

そういう意味ではコアジサシに通じるものがあると言えそうです。

(……って同じようなことを前にも言った気がしますが)

 

 

 

 

 

最後に、皆さん熱中症にはくれぐれもお気を付けください。

もし鳥が口をあんぐり開けていたら、危険信号です(マジ)。

 

 

 

【6/16 伊佐沼で撮影した生きもの】

鳥類・・・アイガモ、アオサギ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、コアジサシ、コサギ、コチドリ、ダイサギ、ハジロクロハラアジサシ、バン、ムクドリ、ヨシゴイ

昆虫類・・・ウチワヤンマ、オンブバッタ、コフキトンボ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ルリチュウレンジ

その他・・・アカミミガメ、タニシ、トウキョウダルマガエル