一期一会のつもりで臨むということ(浮間公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

2月28日、出社前に立ち寄った浮間公園です。

前にも書いたかもしれませんが、種ごとに集団を作って固まる傾向があり

色々な種が混在するようなことはあまりありません。

(上の写真でも、キンクロハジロしかいないと思います)

 

 

 

 

 

 

ヒドリガモは、芝生広場に上がって食事をしていました。

水元公園などでもよく目にする光景ですが

ここでは大抵の場合風車の前に集ります。

 

この集団の中に、以前にも紹介しましたアメリカヒドリが紛れ込んでいました。

水元公園のそれと比べると集団の規模があまり大きくないので

探すのはそんなに大変ではないはず。そして結果は……↓

 

 

 

 

 

やはりすぐに見つかりました。左側の個体がアメリカヒドリです。

偶然にもシンクロ(?)しているシーンが撮れました。 日米が足並みを揃えるということ

 

この角度からだと、肝心の顔の緑色部分にシャドウが入ってしまうため

ちょっとわかりにくいかもしれませんが……。↓

 

 

 

 

 

これなら、差が明確にわかるのではないでしょうか?

目の後ろにメタリックグリーンの帯が入るのがアメリカヒドリの特徴。

ただ、本種はまだ若いオスらしく、帯の色がかなり薄いです。

多くのバードウォッチャー様曰く、昨年私のとった水元公園の混血種(?)と違い

本種は純血のアメリカヒドリ(と思われる)ではないかとの噂。

成鳥になればより帯が美しくなるのですが、それには恐らくあと1年必要……。

言うまでもなく彼らは冬鳥で、あと1ヶ月程すれば北国に旅立ってしまいますから

次にその姿を拝めるのは早くても11月以降と考えられます。

 

ただ、数ある都内の公園の中で、来年再び同じ個体が

浮間公園に来てくれるのかどうかは相当怪しいです(汗)。

出合えたらラッキー程度に考えておいた方がいいでしょう。

 

 

 

 

 

日向ぼっこ中。こちらは言うまでもなく普通のヒドリガモです。

この公園には過去にオオタカ等が飛来したこともありますが

今年は姿を見せておらず、釣り人が近くにいる故にカラスも来ないため

こうしてのんびりと休憩することもできるようです。

 

 

 

 

 

公園内のサンクチュアリ側にて。

駅側にキンクロハジロ、風車前にヒドリガモ、

そしてこちらのエリアにはホシハジロが固まっていました。

 

ただ、以前から当たり前のように見られたオナガガモは

残念ながらこの日は1羽も確認できませんでした。

私も池を1周しただけですし、見落としたのかもしれませんが……

もしかすると一足先に北国に帰ってしまったのかもしれません。

 

 

 

 

 

サンクチュアリ前の集団を、別の角度から。

ちなみに夏の話ですが、ササゴイが現れるのも大体このエリア。

そしてこのエリアは「西向き」になっておりますので

15時以降の日が傾いた時間帯は逆光になり、撮影が難しくなってしまいます。

今のシーズンは珍鳥もおらず特に差し支えないかもしれませんが

夏以降にササゴイを撮りに行かれたい方は、一応留意しておいた方がいいかも?

 

 

 

 

 

 

シロハラ(左)にバン(右)。

いずれもサンクチュアリで撮影したものです。

バンはこの公園だと基本いつでも観察できる鳥なのですが

駅側には少なく、安定して観察できるのはこちらのヨシ原の前辺りになります。

(オオバンの方は行動半径が広く、池のあちこちで見かけます)

 

 

 

 

 

そういえば、アカハジロ騒動があってからもう3年になります。

あれ以降、浮間公園での観察記録はありません。

もちろん、今回採り上げたアメリカヒドリはアカハジロと比べると個体数も多く

別に絶滅危惧種というわけでもないので一概には語れませんが

上にも書きましたとおり、次の冬に会えるかどうかはわかりません。

 

野鳥との出合いは、基本的に一期一会です。

毎年のように集団で飛来するならまだしも、個体数が限られるなら

来ている内に撮っておかないと、次はないかもしれない。

というより「ない」という前提で考えたほうがいいでしょう。

 

 

 

ぶっちゃけ、江の島のハヤブサもいつまでああして観察できるのか

個人的には結構不安だったりします。あの猛烈台風にも耐え切ったものの

繁殖の成否には運も左右しますし、トビや野良猫が多くなれば

別の場所へと移動してしまうかもしれません。

 

 

 

 

【2/28 浮間公園で撮影した生きもの】

アオサギ、アメリカヒドリ、オオバン、ガビチョウ、カルガモ、カワウ、キンクロハジロ、コゲラ、コサギ、シジュウカラ、シロハラ、ダイサギ、ツグミ、ハクセキレイ、バン、ヒドリガモ、ヒヨドリ、ホシハジロ、ムクドリ、ユリカモメ

 

※出社前だったのでポケGOの記録はありません。