北はピカチュウの巣。南はアオサギの巣?(長浜公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

最近関東圏の公園では、公園名で検索をかけると

「(公園名)  ポケモン」という予測ワードが表示されます。

それだけポケモン探しを目的に来園する方が多いということでしょう。


さらに特筆すべきは、場所によって「(公園名)  (具体的なポケモンの名前)」

予測されることがあるということ。これは俗に“ポケモンの巣”という

特定のポケモンが大量発生するスポットが公園内にあることを意味しています。

そうした公園は一層ポケモン目当ての来園者が多くなる傾向にあり、

今回訪れた長浜公園もその一つ。


ここには、世界一有名なポケモン ピカチュウの巣があるとの専らの噂。

生きものめぐりがてら、私も探してみることにしました。


なお、生きものめぐりと現代文化(ポケモン)との融合の可能性を探るため

今回より獲得したポケモン一覧を記事の最後に掲載いたします。

決してアクセス稼ぎのためではありませんのでご了承ください。






公園南側の鳥獣保護区。鳥見小屋からの光景です。

保護区を囲うように設置された鳥見小屋は、全てポケストップに指定されております。

が、それ以外のストップは非常に少なく、アイテムの補給にはやや苦労します。


さて、覗き窓から中を覗くと、遠く奥の方に無数の鳥の姿が……。









写っているだけでも10羽! これこそアオサギの巣(?)です。

よく見なくても奥の2羽がケンカしていますね……エサの取り合いか?メスの取り合いか?

この手の首都圏の水場においてはほぼ最大種といっていいアオサギですが、

実はカワウと同様に結構な頻度で群れることがあります。

身の丈が1メートル近くに及ぶこともあるアオサギは、軍団になると迫力もなかなか。

ただ、あくまで人の近づけない川の中州や鳥獣保護区での話であり、

例えば日比谷公園の心字池(よくアオサギが来る)なんかで群れることは基本ないようです。


ここを訪れる猛禽類はほぼミサゴのみで、彼らは魚食主義者ですので

基本的にアオサギの天敵はいないと考えてよいでしょう。まさに我が物顔です!








 

鳥見小屋の近くに現れた、イチモンジセセリのつがい(左)とアオモンイトトンボ(右)。

セセリの方は、やはり下の小さい方がオスなんでしょうかね?





公園に隣接する、野口英世由来の旧細菌研究室

今は研究実績等の展示室となっております。

名所ゆえか、しっかりポケストップとして押さえられています。


ちなみに私が幼少期、生まれて初めて読んだ伝記が野口英世のものでした。







 

研究室内の展示と、野口英世氏の胸像。

見学にはさほど時間はかかりませんので、長浜公園に行かれた際には

ぜひ一度立ち寄ってみてください。とりわけ理系の方ならきっと楽しめるはずです。


ちなみに史跡や観光施設の多くがポケストップに指定されていますが、

アイテムだけ取ってトンズラするのではなく、ぜひ一度はじっくり見学してほしいものです。

せめて、アプリ上で表示される解説文くらいは読みましょう。






研究室を出て公道を渡り、左手に進めばまた公園に戻ります。

この辺りは小川と芝生広場を中心とした空間。

小川は、保護区内の汽水池に注いでいます。

つまり海水と隣接した森ということ。ゆえにアカガニがここにも棲んでいます。






ほぉら、出てきた出てきた。地面の穴から出てきました。

小川近くにはまるでアリの巣のような穴が随所に見られますが、

大きいものはカニの巣であることがほとんど。小さいものは大抵セミの出てきた穴です。


ここでアカテガニを撮ったのは初めてではなく、昨年の秋にも記録があります。

小網代のメイン種となっている故に希少種っぽく見えることがありますが

実際のところは割とポピュラーな存在です。

ここに限らず、海と森が隣接しているところでは探してみるといいでしょう。









同じ個体です。

2個上の写真を撮った後、驚いたのか穴の中に引っ込んでしまいましたが

少し時間を置いて戻ってきたら出てきていました。

まあこの後、今度は茂みに隠れてしまいましたが(汗)


本種に限らず、カニは基本的に憶病です。

隠れた後でも待っていれば大抵出てきてくれますが、

音を立てるなどして少しでも脅かすと再度引っ込んでしまい、また待つ羽目に……。

接写の際には“無音の間合い詰め”を心掛けましょう。


具体的な方法?ないです(爆)。慣れるのみです(爆)









 

昨年も立ち寄った近くの草むらにて。

ショウリョウバッタモドキ(左)とヒナバッタ(右)です。
レアではないですが、かと言ってどこにでもいるわけではないという微妙な立ち位置。


ポケモンGOユーザーにわかりやすく言うなら

アーボニャースのような存在と思ってください。


ちなみに私の認識では

鳩山ポッポ(鳩)→ドバト

コラッタ(鼠)→ドブネズミ

コダック(家鴨)→カルガモ

コイキング(鯉)→そのまんまコイ

クラブ(蟹)→クロベンケイガニ ※アカテガニはもうちょい格上(?)

ニャース(猫)→ノラ猫

アーボ(蛇)→ニホンカナヘビ

といった立ち位置だと思っております。


蛇がモチーフのアーボですが、実際公園で蛇に出合う確率はかなり低め。

むしろちょうど遭遇率が合致するのがカナヘビだったりします。






さて、冒頭で触れたピカチュウについてご説明しましょう。

実は汽水池を中心とした鳥獣保護区は、出るポケモンといえばメジャー種ばかりで

歩けど歩けどピカチュウなんか現れません。


ピカチュウに会いたいのであれば、迷わず公園の北側へ!

歩道橋を渡ってテニスコート等がある芝生広場に行くといいでしょう。

遊具の設置された周りをウロウロしていれば、そのうち出てくるはずです。

(運にもよりますので、会えなくても私の責任を追及しないでね(汗))


ちなみにこの周辺は、出てくる生きものといえばショウリョウバッタとセミくらいなもの。

興味がなければポケモン一本に絞ってしまってもいいでしょう(爆)






歩くこと10分強、駐車場の近くで無事ゲットできました。

この後立て続けに2匹出現し、いずれも捕獲。

初の遭遇でしたが、この日だけで3匹獲得できたので、

噂通り“ピカチュウの巣”と考えてもよさそうです。


ちなみにピカチュウの身長は40センチ未満。アオサギの半分以下です(汗)

電撃を封印して戦わせたらどっちが勝つでしょうねぇ(爆)




最後になりましたが、この日はメインで狙っていたミサゴがいませんでした。

まだ時期が早かったのかもしれません。10月になったらもう一度見に行ってみようかと思います。






【今日のカワセミ君】

アカテガニを撮影した小川にて。

中央の石の上に乗っています。わかりますか?






クローズアップするとこんな感じ。ちょっと距離があったかな?

どこでも人気のカワセミですが、意外にもというべきかこれがモチーフのポケモンはいません。

代わりに(?)ドラクエシリーズに「はなカワセミ」という超マイナーなモンスターがいますが

マイナーゆえにか人気はサッパリ伸びていない模様です。




【9/3 長浜公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、カワウ、カワセミ、コサギ、トビ、ムクドリ、ヤマガラ

昆虫類・・・アオドウガネ、アオモンイトトンボ、アブラゼミ、イチモンジセセリ、イボバッタ、オオシオカラトンボ、オンブバッタ、キアゲハ、キタキチョウ、クルマバッタモドキ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ、ツクツクホウシ、ツチイナゴ、ツマグロオオヨコバイ、ヒカゲチョウ、ヒナバッタ、ホシササキリ、モンキチョウ、ヤマトシジミ

その他・・・アカテガニ、アメリカザリガニ、ニホンカナヘビ




【9/3 長浜公園で捕獲したポケモン】 ※数字は捕獲数

イーブイ・・・1

キャタピー・・・1

コイル・・・1

コダック・・・2

コラッタ・・・2

ズバット・・・1

ディグダ・・・1

ナゾノクサ・・・2

ニョロモ・・・1

ビードル・・・2

ピカチュウ・・・3

ビリリダマ・・・1

ポッポ・・・3

ヤドン・・・1