次は真夏に ※熱中症注意(秩父ミューズパーク・後編) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

食事を済ませた時点で12:30をまわっていました。

前編で言った通り原稿の修正が待っているので(呪)15:00には出ないといけません。
午前中に回ったのは雑木林の中ばかりで(トンボ池も林の中にある)

その他の大半をまだ回れていませんでしたから、少し急ぐことにしました。


写真は、主に山野草を中心とした見本園(左)と、そこに咲いていたハマナス(右)。

主に臨海域に生える野生のバラで、豊潤な、それでいてどこか野趣を感じる香りが特徴。

実(ローズヒップ)は食用等に利用されることもあり、結構人の生活にも密接しています。




ツツジの植え込みにやってきたモンキアゲハ

こうして花で食事するか、地面に降りて水を吸う時くらいしか止まってくれません。

花の大きさから、そのサイズのデカさがわかります。




これはゲームセンターのようなもん。

この奥にプールがあります。無論、今はまだ閉鎖中です。

なんか波のプールまであるみたいですよ。結構広いですし、

秩父の山奥とは思えないほど充実した造りになっている模様です。




パルテノン神殿を髣髴とさせる噴水のモニュメント。

時々柱から勢いよく水が噴き出します。




さて、ここが午後の散策のメインとなる“昆虫の森”です。

森とはいったものの実質的には草原がメインで、基本的に森の中までは入っていけません。

そのため、自ずと主役はバッタやチョウなどになってきます。

今後、夏場にカブトムシなどを探す場合には、前半の雑木林を軸にした方がいいかも?

(実際、雑木林ではヒオドシチョウが樹液に集まっているのを確認しています)





これはトノサマバッタの幼虫ですね。

背丈の低い草原が多いため、よく見られます。




 

ここの散策路は途中いくつかの分岐があり、結構遠くまで行けてしまうので

甘く見ていると迷う可能性があります(汗)。お子さん連れの方は要注意。







この日“昆虫の森”で最もよく遭遇したチョウ、ウラギンヒョウモンです。

温暖化に伴って都心に進出してきている(らしい)ことで有名なツマグロヒョウモンと比べると

大きさはやや小さく、模様はもちろん似てはいますがよく見ると結構容易に見分けられます。






谷を見下ろす手摺の端で、高らかに鳴くホオジロ

足下が糞で汚れてしまっているのはまあご愛嬌。







この日はちょうどウツギの花が満開期を迎えていました。

チョウを始めとして昆虫の好む花らしく、ここを張っているだけでも

ウラギンヒョウモンを始め数多の昆虫を観察できます。


昨年来た時にはすでに花期は終わっていましたが、

代わりにオトコエシが花期を迎えており、昆虫はそちらに移動していました。

さすがは昆虫の森。四季折々、虫の好む草木を計算して配置しているものと思われます。






 

ウツギの花に来ていたウラギンヒョウモン(左)。頻繁に移動しながら蜜を吸っていました。

右は、ウラナミアカシジミシロテンハナムグリ。ウツギの木の近くに来ていましたが

彼らは木の枝に止まり、どうやら樹液を吸っていたようです。

前編のアカシジミに続き、ゼフィルスもここでは決して珍しくない存在のようですが

ハンノキ林がないためか、あいにくミドリシジミはいらっしゃらないご様子。

あれを見たいのであれば素直に秋ヶ瀬公園に行った方がよさそうです。

昨年は非常に残念な思いをした私ですが、リベンジをかけてこの翌日足を運びました。

その成果につきましては、次回の記事にて紹介させていただきましょう。




 

最後に、パーク出口付近のヘメロカリス園をぐるっと回って、お別れです。

なだらかな丘に一面黄色の花が咲いており、山野草園のような多様性はないものの

お花畑として見るならおススメ。6月いっぱいが見頃のようです。


なお、モンキアゲハはここにも飛来していました(左写真)。

巨体だけに、これくらいデカい花でないと腹を満たせないのかもしれませんね。


その後、筋肉痛の足にムチ打って会社へ。

結局20分足らずで修正作業は終わってしまいました。





最後に、この日とある場所で撮影したシランです。

庭先でよく植えられているお馴染みの花ですが……これやっぱり自生ですかね?

歩道に面した場所に生えていましたが、誰もこんな所に植えないと思いますし……。

というわけで株の保護のために具体的な場所はぼかしています。あしからず。




【6/4 秩父ミューズパークで撮影した生きもの】

鳥類・・・ガビチョウ、カルガモ、カワラヒワ、ツバメ、ビンズイ(タヒバリ?)、ホオジロ

昆虫類・・・アオオサムシ、アカシジミ、アサギマダラ、イチモンジチョウ、ウラギンヒョウモン、ウラナミアカシジミ、オオシオカラトンボ、オオトラフコガネ、オオヒラタシデムシ、クマバチ、クロヒカゲ、コアオハナムグリ、コロギス、サトキマダラヒカゲ、シオカラトンボ、シオヤアブ、シオヤトンボ、ジョウカイボン、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、シロテンハナムグリ、スジグロシロチョウ、ダイミョウセセリ、タンザワフキバッタ、ツチイナゴ、トノサマバッタ、ナキイナゴ、ナナフシ、ナナホシテントウ、ニホンカワトンボ、ヒオドシチョウ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメギス、ベニカミキリ、ミドリヒョウモン、モンキアゲハ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ヤブキリ、ヤマトシリアゲ

その他・・・シュレーゲルアオガエル、ニホンカナヘビ、ニホントカゲ、ミスジマイマイ