予想に反して午後イチで雨が止んでしまったので、
先週訪れた、母校・山手学院裏手の瀬上池に今日もう一度行ってまいりました。
さすがに足元がぬかるんでいて覚束なかったですが(何度か滑りましたし)、
いやあ、蒸し暑い中行ってきた甲斐がありました。↓
池の畔にて、なんとタマムシ(ヤマトタマムシ)に遭遇しました!
数が減っている上、普段は樹上を飛び回っていて滅多にお目にかかれず、
実際私も舞岡公園での1回しかお目にかかったことがなかったのですが
この日は幸運にも、下草に降りてジッとしているところを発見しました。
こんなに至近距離で撮影できたのは、もちろんこれが初めてのこと。
じっくり見ると本当にきれいです。きれい過ぎるがゆえに、草むらにいても一発でわかってしまうほど。
発見時、このタマムシは翅を開いて固まっていました。
怪我をして飛べないのか?と思ったのですが、
後程自分で翅を開閉していましたので、負傷しているわけではなさそう。
これは予想に過ぎませんが、午前中に降った雨で翅が濡れてしまったため
地上で乾かしていたんじゃないかと思っております。
固くて水をはじく外翅(あのキラキラしている翅)と違い、中の翅はデリケート。
昆虫全般に言えることですが、水気を帯びては上手く飛べません。
しかし、こんなところにジッとしていては格好の鳥の餌食……と思いきや、
鳥は、こういう見る角度等によって色の変わるメタリックな輝きが苦手らしく、
ターゲットとされる恐れはあまりないそうです(あくまで確率の話ですが)。
正面から撮影(フラッシュ使用)
顔はこんな感じです。目は丸っこくて、この角度から見る限りでは可愛らしげ(詳細後述)
ちなみに、頭の先から脚まで全部きんきらきん。
さて、これだけの至近距離でしかも逃げる様子もないということなので、
せっかくですから直接持ってみることにしました。↓
写真じゃわかりませんが、持つ手が震えました(汗)。
潰さないように気を付けたのはもちろん、こんなきれいなもの持ったことなかったもので……。
私の指と比較するとわかるかもしれませんが、サイズは意外と大きめです。
3~4センチくらいでしょうか?甲虫なのでやはり固く、表面はつるりとしています。
滑りやすいので、潰さないように尚且つやや強めに摘まんでいます。ちょっとコツが必要かも?
お腹側から撮影したもの。
正面からでも確認できなかった「口」の部分が写っています。
……何?もっと間近で拝みたいと?
……アップにしないほうがよかったっスか?(汗)
タマムシは主にエノキの葉を食べる、完全な菜食主義者。ハンミョウと違って大人しい昆虫です。
写真ですとどうにも可愛げがなくクリーチャーのように見えるかもしれませんが、
固い植物の繊維を噛み切るには、こういう固く鋭い歯がどうしても必要なのです。
何か言いたげな口の開き具合が不気味ですね。多分、私に抗議しているんでしょう(汗)
が、その割には……↓
指を離しても逃げださず、私の手を登り始めました。
上から見る限りでは何とも可愛らしい御姿です。
この辺で雨が降り始めましたので、大荒れする前に撤退を決意。
何分、瀬上池周辺には雨宿りのできる場所がありません(公道からも大分離れています)ので、
カメラを守るためにも長居は無用。タマムシには泣く泣く別れを告げ、小走りで帰路につきました。
ちなみに私は、基本的に捕まえた昆虫は撮影だけに留め、その場で逃がします。
標本作りや飼育はしないことにしていますし、例え1匹でも、仮に逃がして別の場所に移動させれば
それだけで生態系に影響を及ぼす恐れがあります。
特にタマムシは、食糧となるエノキの葉がなければ生きていけませんので(減少の原因もコレか?)、
最低限責任もって飼育できないのであれば、下手に持ち帰るのは禁物です。
最後に、せっかくですのでもう一つの美しい昆虫、ハンミョウと並べてみましょう。
ちなみにこの周辺は、ハンミョウの観察には最適のポイント。今日も多数確認できました。
日本で最も美しいとされる2種の昆虫を、同じ場所で同じ日に見られたことは大変な幸運です。
明日は台風が上陸しそうで大変だと思いますが、無事に凌げることを祈ります。
皆様はどちらがお好みですか?
(なお、ハンミョウの大きさは2センチ程度と、タマムシよりもかなり小型です)