ハーバード「医学校」 | 行雲流水~へき地の一人病理医の日常

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兵庫県の赤穂市民病院に勤務する病理医です。学士編入学を経て医学部に入学し、2004年卒業。病理専門医、細胞診専門医です。

 ハーバードメディカルスクールが世界最高の医学部であるとは、多くの人が思うところだ。


 ハーバード大学が一流大学だから、その医学校(アメリカでは医学部は専門職大学院なので、日本語で訳すとこうなるが、なんか違和感あるなあ)も一流のはずだ、というわけだ。


 まあ、各種の医学部ランキングでも上位にランクされているので、それはほぼ間違いないところだろうという気もするが、医学部の評価も研究や臨床などさまざまなものがある。


 名門と言われるところがすべてにわたって素晴らしいわけではないことは、まあ、考えてみれば分かる。


 素顔のハーバード医学校はどんなところだろう。

エレン ロスマン, Ellen Lerner Rothman, 宮坂 勝之
ハーバード医学校―わたしが選んだ道

 まず最初は、ハーバードで学んだ人の体験記。実際に医学生として内側から見たハーバードの姿は、果たしてイメージと同じだろうか。

ジョン ランゴーン, John Langone, 白根 美保子, 栄陽子留学研究所
ハーバード医学部

 こちらは主にハーバードの歴史を追っている。黒人学生を認めなかった時代、女子学生を認めなかった時代…保守的なこの大学がいかに今に至ったのか…アメリカの医学教育を考える上で貴重な本だ。

田中 まゆみ
ハーバードの医師づくり―最高の医療はこうして生まれる

 こちらは京大卒の田中先生(今は聖路加病院)の書かれた本。日米両国の医学教育を経験した田中氏だからこそ書ける鋭い指摘だ。

 なお、この田中氏の夫は、ライターの李 啓充氏。大リーグの評論なんかもやるユニークな人だ。

李 啓充
市場原理が医療を亡ぼす―アメリカの失敗