脳細胞を元気に保つコツ
最近では“脳をトレーニングする”と称したゲームやドリルが次々と商品化され、ちょっとした「脳ブーム」が起きています。健康に関心のある方は、さっそく試した方もいらっしゃることでしょう。
これらのブーム、じつは突然起こったものではないと考えられています。陰で流行を後押ししているのは急速に進む人口の高齢化[1]
。日本は世界をみても群を抜いて高齢化社会[2]
が進んでおり、介護[3]
する側もされる側も深刻な問題[4]
になっています。誰もが健康に年を重ねたいと願うからこそ、同時に健康への不安も社会全体を包んでいく。こうした風潮を象徴するブームといえるでしょう。
○まずは脳について知りましょう
脳の神経細胞は、手をつないだような形でつながっています。3~4歳くらいまでは神経細胞のネットワークをどんどん広げていき、脳が発達しています。3~4歳を過ぎると、食事や運動など様々な生活習慣の影響を受けながら、自分の得意とする分野が発達していきます。
じつは、こうした脳の発達を縁の下で支えているのが血液の循環[5]
なのです。脳にはたくさんの血管が集まっていて、血液を通して脳に必要な栄養と酸素を運んでいます。脳の重さは成人では体重の約2%に過ぎないのに対し、血液循環量は全体の約15%、酸素消費量は約20%と高い割合を占めています。つまり、脳を元気に保つためには、血液の循環がいかに大事なのかを示しています。
○脳は老化と発達を繰り返している
発達する部分がある一方で、脳の一部は少しずつ衰えていくことも事実です。年齢を重ねると、脳の血管はつまりやすくなります。他にも、神経細胞が脱落する、若い人に比べて体積が減る、物覚えが悪くなるなど、うれしくないことが起こります。とはいっても、脳の一部は老化[6]
しますが、すべての機能が低下するわけではありません。こうした程度には個人差があります。
そもそも老化は病気ではなく、防ぐことはできないものです。実際に脳の年齢を気にする人は多いのですが、脳を元気に保つコツについてはあまり知られていません。「老化」と聞いて不安になるのではなく、老化に伴いどんな症状がでてくるのか、知っておくだけでも生活は豊かなものになります。詳しくは、このコラムでお話ししていきましょう。
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[2] 「日本には100歳以上の高齢者が約2万5000人以上います」
[4] 「日本の年齢別人口構成」