95年桜花賞でダンスパートナーが迫ってきたときのプライムステージや、同年の有馬記念でナリタブライアンに対してのジェニュインは、どちらも敗因は不明とされたが、一部ではボス気質を持った馬に迫られて闘争心をなくしたためと言われていた。どちらも岡部騎手の騎乗馬であり、プライムステージのときは“ふっと引くような感じ”というような、名手独特な言い回しで伝わってきた記憶がある。そして、その記憶が新しいうちにジェニュインの不可解なレースを目撃したので、やっぱり競走馬にも微妙な上下間系があるのだと妙に納得してしまった。
皐月賞。サトノフラッグは4角までスムーズすぎる競馬でワタシも勝利を意識せずにはいられなかったが、コントレイルに並びかけられた瞬間、サトノフラッグの走りがおかしくなり、そこからはいつもの沈み込むフォームが見られないまま5着に流れ込んだだけだった。このシーンを目撃して、直感的に頭をよぎったのがプライムステージ&ジェニュインの“事件”だった。その後も陣営からは敗因が明らかにされず、代打とはいえ鞍上にいたルメールも歯切れの悪いコメントを残したままワーケアの元に戻っていった。となると、やっぱり“王者の気質”に屈したという解釈は、あながち間違っていないように思えてくる。
さて、POG。サトノフラッグは今回もコントレイルの影に怯えながら走ることになるかもしれない。これを克服するにはどうしたらいいか。
答えは2つ。コントレイルが差し馬なので、積極的に前に行ってコントレイルとの距離を置くこと。もう一つは、コントレイルより後ろから直線勝負にかけること。この“ソーシャルディスタンス作戦”によって王者のオーラを感じずに自分の走りに徹することができれば、大一番での巻き返しの可能性も十分あるとみる。
本日は注目の枠順発表だった。サトノフラッグは7枠15番で、コントレイルは3枠5番。内外逆が理想だが、これならソーシャルディスタンスは十分保てそうだ。