トーセンスターダムがきさらぎ賞でバンドワゴンとの無敗馬対決を制し、3戦3勝でダービーの最有力候補に名乗りを上げた。
と、まあ、メディアは随分な持ち上げ様だが、私の評価はそこまでいっていない。すべてはここから3か月の成長力にかかっている。少なくとも現時点では、まだハープスターより強いとは思えなかったからだ。
パドックではうるさい面を出していたが、これは許容範囲内のものだった。休み明けで+10㌔の馬体は太め感なく仕上がり、トモの緩さも筋肉が増えて幼さが消えてきた。ただ、まだ細い。この体格ならもっと肉が付いていい。
注目のレースは、スターダムの駐立は相変わらずイマイチだったが、それ以上にスタートでバンドの和田がバランスを崩した時点で勝負あった気がした。オールステイの中途半端な貯め逃げに我慢できず、向こう正面で外からバンドがハナに立つ。あそこで行ってしまうのがバンドの強さとモロさ。そんなバンドを横目に見ながらスターダムはユタカに促されて早めに中団の外へ。これで勝利の図式が完全に出来上がった。
3、4角ですんなり動けないスターダムにやきもきした。このあたりが今後の課題の一つに挙げられる。直線を向いてエンジンが掛かると一完歩ごとにバンドとの差を詰め、最後はきっちり頭が出たところがゴールだった。
時計は稍重で1分47秒6。見た目よりかなり速かった。ラップ的にも決して前潰れなわけでなく、平均ペースの流れのなかでしっかり差しているので、この数字は信用していい。
とはいえ、今回も僅差の勝利で穴党の突っ込む余地はたくさんある。だが、昨年まで惜敗コレクターだった私としては、着差より勝利が重要なことを重々承知している。今回、もしバンドがスムーズな競馬をしていたら、と考えるのはナンセンスで、相手のミスに乗じてでも勝った馬が称賛されるのが春先の3歳戦だ。そういう意味でも、派手さはないが、どんな展開でも頭差勝ってくれるスターダムは頼もしい。
重賞タイトルを手にしたスターダムにとって、本当の勝負はここからだ。池江師は課題克服のために経験を積ませたいと、トライアルでのひと叩きを口にした。確かに現状は京都大将であり、皐月賞を前に長距離輸送を経験させておく必要があるだろう。ただし、冬場の充電期間が長引いたのは京都2歳Sの疲労回復に時間を要したためであり、使うかどうかの判断は馬体のダメージを確認してからでも遅くない。
個人的には、使えるなら弥生賞が理想のステップだと思うが、同厩であり同じくPO馬であるトゥザワールドの参戦が決まった。となると、皐月賞直行でもいいかなという気がしてくる。いずれにしても、有力馬だらけの池江軍団なので大馬主の思惑に左右されつつ、出てきた答えに素直に従うしかないか。