5月16日(土)に「スクールバンクフェスタ」が開催されました。当日はたくさんの方にお越しいただきまして、本当にありがとうございました。午前中に行われましたパネルディスカッションの様子をお伝えします。
【パネルディスカッション
2020年に向けてどう変わる、日本の教育】
パネラーの方々
・森上教育研究所 所長 森上 展安 氏
・文部科学省大臣官房 文部科学省広報官 松坂 浩史 氏
・学校法人桐朋学園 理事長 小柳 敏志 氏
・学校法人啓明学園 学園長 北原
都美子 氏
キーワードとなるのは「高大接続改革」です。現在の大学入試方式は、2つの問題を抱えています。1つ目は「推薦・AO試験による大学入学者の学力低下問題」です。近年、私立大学入学者の半数が、推薦・AO試験を利用して入学するようになりました。必ずしもペーパーテストによる試験を受ける必要がなくなり、学生の学力低下が顕著にみられるようになりました。もう1つの理由は「知識偏重型の指導形態」です。大学入試おいて重要な能力として「暗記力」が依然として問われています。大学入試で知識の暗記・再生に比重が置かれるのであれば、自然と高校でも、いかに暗記できるかを鍛える授業にならざるをえません。
上記のような状況を変えるため、従来のセンター試験にかわり「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が行われます。このテストは、従来のセンター試験のように「知識・技能」を単独で評価するのではなく、「思考力・判断力・表現力」を中心に評価する試験となります。知識や技能を蓄えることも重要ですが、それを利用して何ができるかが、本当に重要なこととなります。人によって意見の分かれる問題であったとしても、答えのない問題に答えを見いだせるのか?社会人となった際に、求められる力が問われるのが、これまでとの大きな違いとなります。
パネルディスカッションでは、文部科学省の立場から・実際の学校現場の立場から、この「高大接続改革」への意見をお聞きしました。「大学入学希望者学力評価テスト」は2018年度よりプレテストが始まり、2020年には正式に稼働する予定です。「高大接続改革」はすぐまじかに迫っているのであり、改革に向けて対応していく必要があります。