#24 | 狂(-U)武士

狂(-U)武士

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『ねんね~おころりおころりよ~ともちゃんよいこだねんねしな~』




それが私の初めて聴いた歌。
私の初めて触れた音楽。


柔らかな声、優しい顔、
溢れんばかりの愛に包まれて、私は静かに眠ったものだった。


物心のつく前であったことは確かだが、その大きな愛は
身体が覚えている。




いつからその愛に
押し付けがましさを覚え、嫌悪感を募らせ、反抗してしまったんだろう。



いつから愛を受け入れられなくなったんだろう。







「ねんね~おころりおころりよ~ともちゃんよいこだねんねしな~」



…気を失っていたのか。





なんだ…
温かい。



あの時と同じ感じだ…




今、私は
優しく、温かい愛に包まれている。






目を静かに開けると、そこには血を流しながらも、優しい顔で子守歌を歌うダンスの顔があった。




渋谷はダンスに抱かれていた。




ダンス「あ、起こしちゃいましたか…」





渋谷「ここ、どこだ…?」


うす暗い場所だ




ダンス「線路下のトンネルです。渋谷さん背負って病院に行こうと思ってたんですけど、私体力なくて」



ダンスは自虐を冗談ぽく言う、この和やかな雰囲気に何度救われたことか。




ダンス「私がしゃがんだ時に渋谷さんすごく苦しそうな顔してたんで、つい…」


渋谷「……続き、歌ってくれる?」




ダンス「え?」



渋谷「……聞き返すんじゃねーよ…。」




渋谷の裏拳はゆっくりと、
そして優しく、
ダンスの頬に静かに触れた。


拳には、愛が詰まっていた。



そして、その愛はダンスに伝わった。




ダンスはにこりと微笑んだ。



ダンス「それじゃあ、歌いますね。」



渋谷「ああ。」




ダンス「ねんね~おころりおころりよ~ともちゃんよいこだねんねしな~………」




渋谷は目を閉じた。