間一髪、かろうじて彩の拳をかわした渋谷。
だが彼女が態勢を立て直すのを待たずして、今度は反対の拳が渋谷の顔面を捉えた。
撃ち抜く―――――――
渋谷の顔面を真正面から捉えたその拳は、
渋谷の顔面を撃ち抜いた。
渋谷「っっっ!!!」
仰向けに倒れていく渋谷。
ダンスの目には
ゆっくりと、まるでスロー再生かのようにゆっくりと
自らが慕う渋谷が
またも一撃で倒される姿が映った。
渋谷は天を仰いだ。
またしても
一撃で。
彩「あれ?どないしたん?」
渋谷(重いなぁ……一発が…。)
彩「まさか、今ので終わりちゃうよな?」
渋谷(また…一発、か…)
彩「嘘やろ?立てや、立って反撃してこいや」
渋谷(立ちてえけど立てねえんだよ、くそ…)
彩「なんや、しょーもな。東京までわざわざ来た意味やわ。」
渋谷(嘗められすぎだろあたし……動けよ、脚…)
彩「おい、二人とも。終わってもた。」
ダンス「あぁああぁぁあああ!!!」
舎弟は姐貴の面子のために命を賭す。