2024年度 聖路加国際大学 3年次学士編入学試験の小論文について | 看護学校 社会人入試・一般入試 受験情報 スコレー・アスコルーのブログ

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みなさん、こんにちは。

今日は、2024年度 聖路加国際大学 看護学部 第3年次学士編入学試験の小論文について、簡単な解説を行いたいと思います。

 


詳細な解説は、「2024年度 聖路加国際大学 看護学部 第3年次学士編入学者選抜 小論文」をご覧ください。

 

 



2024年度の課題は、令和元年実施の国民栄養調査の結果のグラフを見て

 

問1 図を見て、年齢階級間の比較から読み取れることを2つ、箇条書きで記す。
問2 図をふまえて考えられる日本人の食習慣に関する課題とその背景を指摘し、人々が健康な食習慣を身につけるために、地域社会、個人ができることについてあなたの考えを 500~600字で述べる。

 

というものです。


問1について
2024(R6)年度の問題も、前年に引き続いてグラフの読み取りの問題です。しかも、問1は、ただ図から読み取るのではなく、「年齢階級間の比較から読み取れること」を書くように求めていますから、グラフの変化を追いかけて、それを書くことを求められていると考えるのがよいでしょう。

そのような目でグラフを眺めると、全体的に年齢が上がるにつれて下がっていく右肩下がりの項目(忙しくて時間がないこと、面倒くさいことなど)と、反対に上がるにつれて上がっていく右肩上がりの項目(特にないなど)があることや、特定の項目にデータが集中していることなどが見えてきます。これらは目立ちますから、ぱっと見ただけでもわかりやすい。そうした点を箇条書きでまとめましょう。その際、できるだけ数値を示し、具体的に答えるようにしてください。

なお、今回の問題では、グラフは1つだけなので特に意識をしなくても構いませんが、グラフが複数あるときは、答えでは、そのすべてに触れるようにしましょう。そして、どのグラフから読み取ったのかをはっきりさせたい。「図1からはX、図2からはYであることが読み取れる」というように、意識的に、読み取り元のグラフと、読み取った内容を対応させて書く癖をつけるとよいでしょう。


問2について
問題文からは、

①(図をふまえて考えられる)日本人の食習慣に関する課題とその背景の指摘
②人々が健康な食習慣を身につけるために、地域社会ができること
③人々が健康な食習慣を身につけるために、個人ができること


の3つを書くことが求められています。

問2の問題文の「図をふまえて考えられる」というのは、「問1で答えたことをふまえて」と置き換えて考えてください。皆さんがグラフから読み取ったことから、日本人の食習慣の問題について考え、書かせたいというのが、作問者の狙いでしょう。

たとえば、「忙しくて時間がないこと」を回答した人は、30~40歳代では、約半数います。それが年齢と共に徐々に少なくなっていき、70歳代になると、5%ほどにまで下がっています。この年齢による数値の変化を問1で書いた場合は、

①には、30~40歳代の半数が「忙しくて時間がないこと」と回答する人が、約半数いる背景や、そういう人たちがどういうふうに食習慣が乱れてしまいやすいかといった課題を書くとよいでしょう。

たとえば、仕事で長時間の残業があるとか、会社までの通勤時間が長いとかでなかなか自宅にいることができないことや、スーパーの総菜を利用することで揚げ物中心の食事になったり、栄養が偏りやすいことなどは、すぐに指摘できそうです。30~40歳代で子育てをしている家庭なら、きちんとした食事ではなく、スナック菓子で空腹を満たすといった、子どもたちに基本的な食習慣を身につけさせられない問題を指摘できるかもしれません。

また、高齢での数値の減少に触れることもできますよ。グラフの変化から高齢者は自宅でご飯を作って食べることができている層が多い可能性があることは読み取れますが、そうすると、今度は日本食特有の、塩分が多くなりがちという問題が出てきます。自分で料理する高齢者の食事は基本的に日本食でしょうから、高血圧対策で塩分を控えめにしないといけないという問題は指摘しやすいでしょう。

……このように、答案を書く前に、問1で答えた内容に関連して、若い世代から高齢者まで、各世代でどのような課題があるのか、世代ごとにひととおり考えてみたいです。そのうえで、②③の答えも意識して、自分として①で取り上げるものを決めて、①をまとめたいですね。


②③には、そうした課題・背景を踏まえた上で、総菜などを利用して揚げ物中心の食事になりやすい忙しい30~40代の社会人には、あるいは、自宅で料理を作る余裕はあるけれども塩分が多めになりやすい高齢者には、②地域社会として、③個人として、どういう対策を取っていくべきかを、考えて書いていきます。

どうすれば、野菜をもっと取れるか(子育てをしている家庭なら、子どもたちにどうやって野菜も食べさせるか)とか、どうやって塩分控えめの食事を実現できるかとか、できるだけ具体的に考えて、提案を行いましょう。

段落構成としては、この3つを別々の段落にするのが、シンプルで書きやすそうです。完全に同じ分量にするなら200字ずつ。①200字②250字③150字のように多少メリハリをつけてもよいでしょう。

問1で読み取ったことがらについて、問2では、世代ごとに具体的にどういった課題があるのかを考えてメモとして書き出し、その中から、地域として・個人としての対策まで答えられるものを抜き出して、答案を作っていきたいです。

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