だいぶ前に書いてはいたけれど、ずっと下書きに入っていた記事がいくつかあって…このまま投稿するのをやめてしまおうと思っていた。
けど、このブログを書いている些細な理由の一つ、色々悩んでいた頃の自分が知りたかったことを少しずつだけど、どこかに書いておきたくて。その色々悩んでいた頃の自分と同じように悩んでいる人がもしいるなら、その人たちの目に止まってくれたらいいなと思って。
このブログを描き始める以前のこと、里親登録を進めていた当時の私の気持ち。そこに、アイ君をうちに迎えて4年近く経った今の自分が感じることも最後に付け足して、長くなってしまったけど思い切って投稿。
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そもそもなぜ、養育里親をやってみたいと思ったか。
最初のきっかけはやはり、私たちは実子に恵まれなかったこと。結婚後に自分が妊娠することも出産することもないなんて、想像したこともなかった。少なくとも3人は子供が欲しいと思っていた。
もし何の問題もなく妊娠出産して、子供に恵まれていたら、私は養育里親になりたいとは、多分考えてもみなかったと思う。そのような里親の存在すら知らずにいたかもしれない。
不妊治療などひと通り全てやって、それでもかすりもしなかった時はかなり落ち込んだ。2年にも満たない治療中、出口に辿り着けない暗いトンネルの中で激しい気持ちの浮き沈みに耐えられなくなった。心のダメージが大きいこの治療にお金と時間を費やすことが本当に嫌になって、子供を諦めるという決断をする前に治療を続けることができなくなってしまった。
そこから自分はもう妊娠することも出産することも多分ないという事実と向き合って、受け入れるのに時間がかかったけど、40歳を過ぎてからは気持ちがそれなりに落ち着いて来た。
夫は相変わらず優しくて、私を大切にしてくれる。ドイツで私も人並みのお給料をもらい税金も払えるようになり、趣味も楽しみながら穏やかに暮らしてはいたけれど、それでも何か足りない気がしていた。妊娠出産子育ては無理だけど、世の中のため困っている人のために何かできないか?と考え始めた。
ボランティアメッセなんていうのに行ってみたこともある。でもなんとなく最初の一歩を踏み出すまでの熱意が湧いてこなくて、何も始められなかった。
暇があったら、自分の人生のこと、本当は何がしたいのかなど、よく考えに耽っていた。ぼーっと自分の心の中をよく覗き込んでいた。
そんな時に、新聞だかネットで、里親学校そして里親を必要としている子供達についての記事が目に付き、私たちが住むこの街に親や家族に恵まれない子供達がこんなにたくさんいるの?とすごく驚いた。居ても立っても居られなくなった。私の時間とエネルギーはその子たちのために使うんだ!と自分の中でカチッと音がしたような気がした。
里子ではなく、養子に出される子だって同じように育てられない親の元に生まれて来て、新しい親を探している。けれど、養子を迎えることはあまり最初から考えていなかった。もしうちに養子として引き取って欲しい!という子がいたとしたら、もちろん即答で迎え入れていたと断言できる。でも実際ドイツでも親権がとても強いので養子に出される子供の数はとても少なく、手続きにかかる時間に加えて待つ時間もかなりかかる。それに、養子を希望する若いカップルは他にも沢山待っている。ドイツでの特別養子縁組が難しいために、海外から養子を迎え入れた友人もいる。
だから特別養子縁組の親としてはそんなに必要とされてる感が無かったというか…これ以上自分たちの時間もエネルギーも待つことに使いたく無かったというか…
一方で、親や家族に恵まれず長期的に温かい里親家庭を必要とする子供たちは、次から次へと私の住むこの街で保護されるのに、里親は足りていない。
そんな子供達のうちの誰かひとりでも、安心して安らげる家庭に迎えてお世話をして、大人になってからの人生を力強く生き抜ける土台作りを少しでも助けてあげることができたら。
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…というのが里親登録を始めた頃に書いた気持ち。なんだか偉そうなことを書いたな、私。
里親を必要とする子供のために何かしたいという思いは実際にあったし、研修が進むにつれてどんどん大きくなっていったのも事実。でも、やっぱり根底にあって自分を突き動かす動機というのは、代替でもいいから親になってみたいという私のワガママな思いだと思う。
母親が子供を想う気持ちを実感を通して知りたい。子供が親に向ける思いを受け止めてみたい。夫と一緒に子育てをして家族を築きたい。
100%子供のためのこの制度を、こんな私が使うのは子供を授かれなかった私のエゴなのか?ということも割と考えた。
でもこういう心からやりたいという自分の思いがなかったら、里親なんてできないし続かないんじゃないかとも思う。
やりたいという思いさえあればなんとかなる!とはもちろん思わない。子育てってしんどい。実子だったとしても、多分しんどいと思う。子供の特性や個性によって、プラス里子ならこれまで育ってきた環境によって、そして自分自身の個性や育ってきた環境にもよって、しんどさ難しさ大変さの方向性はそれぞれ違うと思うけど、楽な子育てなんて絶対に無いような気がする。
不妊治療をしていた頃の、妊娠さえすれば…出産さえ無事に終われば…と切望していた自分には全く想像できていなかった。日々の子育てのしんどさは私の想像を遥かに超えていた。
それに加えて里親ならではの苦労や不安も確実にあるし、何よりも里親というのはなりたい親のためではなく100%子供のための制度。子供のために全てを受け止めてやり抜くという覚悟はもちろん必須。でもそれと同時に、自分を突き動かす深くて強い思いも絶対に必要だと思う。
今思うのは、もう少し早くに実子をスッパリ諦めてすぐに里親という選択肢を知って行動に移せていれば、もしかしたら2人目3人目も可能だったかも…などと思わないこともないけれど。でもそうなっていたらアイ君に出会うことが出来なかったので、やっぱり私たちはこれで良かったと思う。
今の私はアイ君に何かしてあげてるという気持ちは全くなくて、こんな未熟な私のことをこんなに信用して頼りにしてくれてお世話させてくれてどうもありがとうという気持ち。
今のこの毎日がアイ君の未来に少しでも役に立てますように。
そして、彼が成人するまで一緒にいられますように…これは私のワガママな思いかな。