そうしていると、アホウドリが木の枝から下に飛んできて、くちばしから何かを転がした。見ると、淡いクリーム色の、角が取れて丸まっているサイコロが、コロコロと転がって僕の目の前に止まった。
aleatory。そう書いている。
サイコロを振って、あるいは偶然に基づいて決める、という意味の形容詞だ。
全くマイナーな単語だ。よく挙がる例がaleatory contractという用語だけれど、射幸契約(しゃこうけいやく)と訳されるらしい。この日本語もまたマニアックだ。けれどもこれはどちらかというとギャンブルのニュアンスが強いので、偶然契約との訳の方が実態には合っている。保険契約も含めてこういうのだから。
話を英語に戻して、他にいい文例はないだろうか。ちょっとこれだけだとさすがに使いにくい。
ただ、かなり堅い単語であるのは確実で、以下のような例しか見つからなかった。
Most uncertainty is a mix of epistemic and aleatory elements. (2020/4/7 NYT)
ほとんどの不確実性は、認識論的な要素と偶然の要素の混合物である。
※ 記事の中では、epistemic uncertainty(認識論的不確実性)を、事実、数字及び科学に関する不確実性であり、過去や現在に関する知識の欠如によって生じると説明されている。
全くこれからの出来事がどう続いていくのか、偶然に委ねるしかない気がした。