■銭湯再生前年比 | 銭湯再生請負人が銭湯から地域活性化

■銭湯再生前年比

再生中の墨田区「松の湯」
丸一年が経過し、前年比が出るようになりました。

2015年7月 70人/日
2016年7月 130人/日

当初かかげた目標は144人/日
まだまだ未達。

経営していくうちに気が付くことも多々あります。

炭酸泉もなく、マイクロバブルさえない
昔ながらのTHE銭湯。

でも60年の歴史があるという実感をヒシヒシと感じます。

昔ながらの銭湯だからの味もあり。

当社は温浴業界(スーパー銭湯・健康ランド・日帰り温泉・サウナ)の会社ですから、
私自身THE銭湯の魅力をあまり感じていないのです。(ハード的に)

墨田区ですと御国湯さんや大黒湯といった素晴らしい銭湯が多々あります。
(入浴料700円レベル。事実4歳の娘が御国湯に行きたいって騒ぎます)

わざわざ自転車で通ってきてくれる常連さんとハナシをしてみると
なんのヘンテツもない「松の湯」が落ち着く。
気を使わなくて安心できる・・・・って。

この感覚ってアレと同じかなぁと思います。
特筆すべき料理はないけど何故か足を運ぶババアの店。

例えはベストではないですが(ニュアンス的には)
キャバクラよりも馴染みのババアの店。
(松の湯スタッフは美人しかいませんよ。女房も含め)

結局・・・・居場所なのです。
人間は。

公衆浴場、温浴業界のみならず居場所を提供できるか否か。

幸せの基準。
成功の基準。
そんなものは人それぞれ。

でも居場所がある人は幸せの可能性が高く、
居場所ない人はストレスの塊の可能性が高い。

ハナシは変わりますが。
2月から始めた朝風呂(日曜のみ朝8時~)
50人目標でのスタートでした。
3カ月あれば達成できるだろうと取り組んできました。
結果としては大きく遅れて7月31日に50人を初めて超えました。

50人を超えないと損益分岐的に雇用は無理。
だから自ら薪を切って湯を沸かし
フロントは人件費のかからない女房と4歳の娘。
(1人で幼児を置いておけないですから)
ようやく損益分岐を超えたわけですが、
数字が伸びなかった苦しい期間も嬉しい事が多々ありました。
お客さんからのお土産や差し入れが多いだけでなく、
日曜日なので平日よりもノンビリムード。

朝市をやったけどイマイチの結果だったりしましたが、
必ず支援してくれるお客さんがいてくれて。

朝風呂って誤解されやすいんです。
浴場経営者に。

通常営業で来るお客さんが朝風呂にシフトするだけで
絶対数が増えない。
要は自店で自店のお客さんを食ってしまうだけで光熱費の無駄という
銭湯経営者の誤解。
(やりもしない人に限ってこの理論を振りかざす傾向)

時間はかかりましたが、墨田区「松の湯」の朝風呂。
来店者が50人を超えましたが日曜午後の来店者数は減っておりません。

何故朝風呂にこだわるのか?
東京都全店で展開したいのが本音です。

東京の銭湯が朝からやってるのが当たり前。
と認識されれば、利用者の絶対数が増えるはずです。

朝風呂に来てくれるお客さんを見ていて思うのは「粋」

「粋」こそ東京。