■公衆浴場の新設 | 銭湯再生請負人が銭湯から地域活性化

■公衆浴場の新設

公衆浴場をつくりたい。
公衆浴場を経営したい。

ちょくちょく若い方からいただくお問い合わせです。

皆無とはいいませんが、都内での新設は極めて困難です。
実際に動きだしているプロジェクトも存在しますが・・・・
それは優秀な経営者による多店舗展開です。

土地の取得から厳しいですよね。
自社の土地があれば可能ですが・・・マンションにしちゃいますよね。
ふつうは。

でも地方なら・・・可能かもしれません。
今チャレンジしております。

温浴施設の立上げ業務って既存クライアントの店舗展開か
業者仲間の紹介、設計の先生の紹介でやるものです。

ですが、今回は1本の電話。

被災地である北茨城市の事業者さんが
観光客が戻りそうもないので地域貢献で銭湯をやりたい・・・・・。

趣旨に賛同できたので調べてみると
茨城県には公衆浴場は4店。
組合もない。

全国浴場組合に問い合わせると、茨城県には組合がないので
公衆浴場を経営しても組合員にはなれない。

現在、公衆浴場を営んでいる日立の銭湯へヒアリングにいくと・・・・
行政支援がないのでみんな辞めてしまった。
数店で組合活動しても仕方がない・・・・。
そのうちゼロになるでしょう・・・・とのこと。

北茨城市に出向いて
・公衆浴場の水道代の優遇の有無
・固定資産税の減免の有無
を確認すると・・・・わかりません。公衆浴場がないので。
そもそも「公衆浴場」「その他の公衆浴場」の区分さえわかっていないようでした。

簡単に言えば
「公衆浴=銭湯」物価統制を受ける。水道代等の優遇
「その他の公衆浴場=スーパー銭湯や健康ランド」料金設定自由。水道代等の優遇なし。

予定地は温泉が出そうなので
入湯税を確認すると150円。
公衆浴場でも適用する。とのこと。

茨城県の公衆浴場料金は350円。

こりゃぁ公衆浴場無理だな。
との結論。

でも薪も焚ける地区で、地下水を使用すれば採算は合うか?
と希望を捨てずにおりますと
北茨城市から続々と連絡が入りました。

公衆浴場では温泉利用でも入湯税は不要。(おっいいぞ!)
水道料金も送られてきました。(浴場料金は一般より安い!)
固定資産税の減免も通達があるので対応できる可能性大。(確約はない)
さらに、予定地の近隣で温泉を格安で提供できる会社も出現。

こりゃぁ公衆浴場でいける!

近隣に市の経営する温浴施設があります。
設計の先生と入浴してきましたがとてもよい施設でシニア世代で賑わっておりました。
入浴しながら、食事をしながらお客さんを観察しましたが、
自分が一緒に来た人とは会話をしておりますが、
居合わせた人との会話はありません。

もうひとつ宿泊や宴会のできる大型の温浴施設が近隣にあります。
もともと知っている施設なので入店しませんでしたが、
駐車場からして繁盛しておりました。

同じコンセプトですと消耗戦となり
お金のある方が勝ちます。

やはり公衆浴場がよいのです。
地域の人の憩いの場。
350円の入浴料で毎日来ていただく。
そこにいけば誰かがいて、自分の居場所がある。

大きな浴槽で体をあたためて健康になり、
居合わせた人と笑顔で会話する。

これでいいのだ。