さらに、
小豆は、祝祭などのおめでたい日に限らず、
お葬式などの不祝儀にも用いられる食べ物であった。
古来、中国・韓国・日本では小豆の赤色は魔除けや穢れをはらう霊力があるとされてきた。
小豆を食べることによって、霊力を取り入れ、悪霊や穢れから身を守ったのである。
こうした民間俗信の背景より、
神聖な霊力を持つ小豆を洗う行為自体が、
人々に恐怖を与え
妖怪誕生のきっかけになっていったのだろう。
また、長野県では 米とぎ婆 という、米を洗う妖怪も現れた。
今でこそ、食卓に欠かせない米であるが
昔は米も小豆同様、あまり手に入らない貴重な食べ物であった。
食卓には、ひえや粟などが並んでいた。
食べ物が少ないそんな時代に、
小豆や米などを洗う音がするとどうだろう。
神の恵みだろうか、
はたまた悪魔の使いだろうか・・・
得体のしれない恐怖を感じずにはいられない。
よって、インゲンマメ洗いでも、黒豆洗いでも、ひよこまめ洗いでも、はたまた落花生洗いでもなく、
人間を怖がらせるためには、
小豆洗いでなくてはならなかったのである。
~ つづく ~

