NASCAR Cup Seriesは1か月半の中断によるスケジュールの遅れを大量のレースを詰め込んでかなり解消、

気づけばレギュラー シーズンは折り返しを通過しました。ここまでの成績をざっと振り返ってみます。

 

 まずはポイント スタンディングス、レギュラーシーズンのポイントから。上位30人まで見てみました。

 

  driver points diff win Ppts
1 Kevin Harvick 581   3 16
2 Ryan Blaney 529 -52 1 6
3 Brad Keselowski 514 -67 2 13
4 Chase Elliott 510 -71 1 10
5 Denny Hamlin 506 -75 4 23
6 Joey Logano 500 -81 2 14
7 Martin Truex.Jr 500 -81 1 7
8 Alex Bowan 464 -117 1 9
9 Aric Al,irola 431 -150 0 1
10 Kurt Busch 430 -151 0 1
11 Kyle Busch 423 -158 0 0
12 Jimmie Johnson 390 -191 0 1
13 Clint Bowyer 387 -194 0 2
14 Matt DiBenedetto 384 -197 0 0
15 William Byron 372 -209 0 1
16 Erik Jones 341 -240 0 0
17 Austin Dillon 327 -254 0 0
18 Tyler Reddick 315 -266 0 1
19 Ricky Stenhouse.Jr 311 -270 0 1
20 Chris Buescher 298 -283 0 0
21 Bubba Wallace 290 -291 0 0
22 John Hunter Nemechek 269 -312 0 0
23 Michael McDowell 255 -326 0 0
24 Ryan Newman 253 -328 0 0
25 Christopher Bell 252 -329 0 0
26 Cole Custer 241 -340 0 0
27 Corey LaJoie 212 -369 0 0
28 Ty Dillon 209 -372 0 0
29 Ryan Preece 187 -394 0 0
30 Matt Kenseth 182 -399 0 0

 

 

 現時点でレギュラーシーズンポイントはハービックが52点のリード。参考までに、昨年の第15戦終了時、

ポイントリーダーはロガーノで2位のカイルに9点差、2018年はカイルがハービックを85点リード、
2017年はカイル ラーソンがトゥルーエックスを5点リードでした。え、ラーソン!?
 
 ハービックは15戦でトップ10フィニッシュ12回、平均順位7.3と驚異の数字。総走行距離5854.38マイルも
全ドライバー中トップの数字です。
 
 平均順位では全体2番目の数字がハムリンで9.0、次いでケゼロウスキー9.7、兄ブッシュ11.7と続きます。
実は兄ブッシュの上には、シーズン中断中に解雇されたラーソンが11(ただし4戦しかしてない)で続いており
チップ ガナッシが健闘している、ラーソンがもったいなかったことが分かります。ちなみに、後を受けた
ケンゼスはけっこう頑張っている様子が見受けられますが、トップ10は一度だけ、平均順位も21と平凡で、
レース途中の上位に顔を出したタイミングで『あの年でよくやってるなあ』と印象に残っているだけで
数字の面ではそこまででもないようです。トラブルもありましたけどね。
 
 最多勝のハムリンですがポイントでは5位、そして気がかりなのはカイルでしょう。現在兄に続く11位、
優勝どころかプレイオフポイントすらまだ獲得できていません。ジョーンズも現在16位でJGRのドライバーとして
やや物足りない数字に映りますね。マット ディベネデトーの14位が光ります。
 新人ではレディックが18位でプレイオフを争える位置、かつ兄ディロンに肉薄。ネメチェックもマクラダウルを
上回る数字で個人的には想定以上です。逆にベルがやや物足りなく映りますが、去年のMatt Dも
この時期は20位以下だったのでチーム力の差もあります。得手不得手がやや大きいですね。
 
 
 そして、仮にこの段階でプレイオフが始まったとしたら何点で開始されるのか、というのを計算すると
  driver Project Playoffs
1 Kevin Harvick 2031
2 Denny Hamlin 2029
3 Brad Keselowski 2021
4 Joey Logano 2019
5 Chase Elliott 2017
6 Ryan Blaney 2016
7 Alex Bowan 2012
8 Martin Truex.Jr 2011
9 Aric Almirola 2003
10 Kurt Busch 2002
11 Clint Bowyer 2002
12 Jimmie Johnson 2001
13 William Byron 2001
14 Kyle Busch 2000
15 Matt DiBenedetto 2000
16 Erik Jones 2000
 
こうなります。これには、レギュラーシーズン上位10人に与えられるボーナスが含まれており、
1位のハービックには15点、2位のブレイニーに10点、とそれらも加算されての数字です。
過去3年を見ても、最多得点の人はだいたい2050点前後でプレイオフを開始しています。
カイルは過去3年間、2045、2050、2029、という数字でスタートしていますが、今年は前述の通り
何も稼ぎが無い上に、ポイント11位ではレギュラーシーズンのボーナスもなくて2000点の初期装備。
どうもプラクティス無しのぶっつけスタイルがカイルには合わない、どちらかというと距離を走り込んで
車を煮詰めたいタイプではないかと思われます。当分このフォーマットでしょうから、カイルとファンにとっては
厳しい時間が続くのかもしれません。
 
 ジョンソンは現時点で12位になっていますが、昨日お伝えした通りCOVID-19の感染が明らかになり
インディアナポリスは欠場。無症状なのでウイルスの反応さえ消えれば早期の復帰は可能でしょうが、
このあたりの順位の人は単純計算で1レース平均25点ほどの獲得ポイントですから、1戦欠場で25点ほど
失う計算になります。今の順位で考えると25点失えば当落線上の16位になってしまいますし、現行の
グリッド決定フォーマットでは13位以下に落ちるとスタート順位が13~25位の範囲での抽選になるので
さらにステージ ポイントを獲得しにくくなります。勝てばいいわけですがそう簡単にもいかず、JJのファンは
今年もポイントとにらめっこし一喜一憂、ということになる可能性が出てきました。ちなみに去年のジョンソンは
15戦終了時点で当落線上の16位でしたが、最終的にレギュラーシーズン18位でプレイオフを逃しました。
 
 ここからまだ11戦もありますからもちろん何が起こるか分かりません。ジョンソンの件からも分かるように、
感染危機は身近な存在で全員にとって明日は我が身、社会情勢的にも、果たしてこのままシリーズを
継続できるのか懸念もあります。
 
 ところで、第5戦以降無観客、1日開催、予選・練習無し、平日開催、など緊急事態用の対策で
シリーズを乗り切ろうとしているわけですが、こうした非常時対策は今後に役立ちそうなものもあると考える
ジャーナリストもいるようです。私も同様に感じていますが、金曜日に練習、土曜日に予選、日曜日に決勝、
という流れや、現場に送り込む各種スタッフの人数や規模、そしてシリーズ全体のスケジュール。
 もちろん削減すれば職を失う方もいますし、連戦を作ってシリーズ全体の期間を短くするのが現場にとって
どうなのかは外部の私なんかに分かるはずもないですが、今まで慣例で進めてきたことが本当に
今後もこの競技を続けていくのあたって必要なのか、考え直す契機になっているのは間違いないと思います。
 
 思えば、SUPER GTも金曜日~日曜日が当たり前でしたが、いわゆるリーマン クライシスを受けて
走行を土曜日からにする2デイ開催に変更されると、結局そのまま定着しています。もうかれこれ10年になり、
「金曜日のフリー走行枠を戻さないと」という動きがあるようには見えません。
 NASCARの場合ナショナル シリーズがカップ シリーズとたいてい帯同して転戦しているので事情や日程管理は
また大きく異なりますが、大規模なだけにちょっとした頭の切り替えで大きく効率化できる余地があるのも
また事実でしょう。いち早くシリーズを再開させたことでテレビでの視聴者は多く、NASCARの存在感を、
(状況が状況だけに喜ばしいとは言えませんが)示すことにもなった模様です。
 
 異例のシーズンは中盤から後半戦へ。全く休みのない(わざわざ平日にオールスターをやるんだからびっくり)
シーズンが続きますが、何事も無く進行することと、変革の時代にうまく対応できるよう願いつつ
インディアナポリスへと向かいましょう。