昼の火照りの名残りにつつまれる夏の夜、ほんの少しのワインに癒されて、このまま眠れたらと思うなか、そう、今夜のうちにゴミ出しへ。そんなときに聴くとステキな気分になる曲。わたしにとっては『MACK THE KNIFE BY SINATRA』。フランク・シナトラのアルバム『L.A.IS MY LADY』のなかの『MACK THE KNIFE』です。
賞賛しつつ替え歌を。かつてこの歌を歌ったルイ・アームストロング、ボビー・ダーリン、エラ・フィッツジェラルドへ。なんていかした歌い方なんだ。このアルバムのプロデュースとバックバンドを務めたクインシー・ジョーンズへ。クインシーズ・ビック・バンド、最高な気分で歌ってるぜ。しんがりを務めるバンドのジョージ・ベンソン、ニューマン・フォスター、ブレーカー・ブラザーズへ。素晴らしい、本当にありがとう。そんな賞賛をシナトラオリジナルの替え歌で歌うのです。大人度。ゆとり。なんて恰好がいいのでしょう! 心地よくなります。
シナトラといえば世界で一番タキシードが似合うダンディ。でもレコーディングのときの写真は、シンプルなブルーグレイのセータ―姿です。近所のやさしいお爺ちゃんがちょっと立ち寄ったかのような。ダンディとは服装や表面の様子でなく、人を思いやる心ですね。このアルバムがシナトラ最後のアルバムになりました。
シナトラは生まれたときに難産で、耳の鼓膜が破れてしまったそうです。しかしそれを活かし、後にクルーナー(小さな声で歌う)・ヴォイスによって世界中を魅了しました。
6月14日に大阪校で大変お世話になりましたジェームス三木先生がお亡くなりになりました。お打ち合わせのときにも、わたしたちに対してユーモアを交えて労ってくださり、先生のやさしさに触れました。本当にダンディな先生でした。ありがとうございました。ご冥福を心よりお祈り申しあげます。