海外からのお客さまが増えるご時世、ウィルス感染も心配ですね。
わたしのご近所では高層ホテルが二軒も建築中。
アンテナ不具合のせいでテレビの観られない日々を楽しみつつ、ブルーのミニギターでブルースの練習。おばさんダジャレじゃないけれど……。
そんな事情もかさなりヴィスコンティを観つづけています。
二十代のころ、いつか理解できる年齢になったら観ようと決めていました。
それもそのはず初老や老人の主人公が人生を儚むストーリーが多く、若いころに理解ができるはずもありません。
イタリア映画で勉強になるのは、物語もさることながら、ファッションやインテリア、ヨーロッパの歴史です。膨大な製作費!
充実しています。そしてあらためて勉強になるのは、ヴィスコンティ作品では伏線を丁寧に描いていることです。
セリフ、仕草、小道具。芸術映画でありながらも伏線が丁寧なのです。
Man with makeupの映画では、『寝盗られ宗介』の原田芳雄が『愛の賛歌』を歌いステキでした。
『大鹿村騒動記』での原田芳雄もまた脛もあらわに駆けぬく歌舞伎女形役が性倒錯コメディとして光っていました。
『地獄に墜ちた勇者ども』でヘルムト・バーガーが歌うシーンは『嘆きの天使』でのS悪女・ディートリッヒを連想させられ絶妙です。
Man with makeupの映画さまざまあれど、惹かれるのは〝おとこおとこした男〟が化粧している映画です。
虚実皮膜の授業で歌舞伎の女形が実際の女より女っぽいと云うお話をするのですが、この場合、化粧しているのに、なお男っぽいと云うアンビバレントに妖しい魅力を感じます。
そしてそのシーンには必ず男っぽさゆえの激しい葛藤がクライマックスへと合致していくように、シナリオが十分に計算されています。
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