まもなく元気なギャル神輿の季節がやってきます。ねじり鉢巻、晒しに法被。太腿あらわにスニーカー。暑さも吹き飛びますね。このところのギャル。言葉の緩和に注目。「好きくないかも」「あかんかも」と。「うざっ!」「きもっ!」はほぼ消えました。これはいいことではないでしょうか? 心ない断言は人を疵つけます。ギャルと云えば定番誇張のセリフはやめた方が?
裲襠に徳兵衛を覆い縁の下へ匿うお初。なんとしてでも徳兵衛を守りたい母性本能が滲みでます。大阪の女の子は母を見習います。お母ちゃんやったらこんなとき、どないしたやろう? 人情イコール古いと思うなら、それこそ定番思考ではないでしょうか?
遊女へと、茨の道を強いられようと親に従い、それでも本能的に親を見習い生きてきたお初が心中へ。「恋の手本となりにけり」と結ぶ近松の、庶民への慈愛と正義感が、観る人の悲しみを救います。
『偐紫田舎源氏』(柳亭種彦原作・藤間勘十郎氏構成・演出の文芸シリーズ)と云う題名の朗読劇にいってきました。邦楽のライブ演奏にあわせて宝塚歌劇団トップスターの方々と三林京子さんが出演されていました。
江戸時代に大ヒットした原作。『源氏物語』を室町時代に置きかえたパロディ長篇です。芸のパワーに圧倒されました。ドドン、ドドン、ドドドと轟く和太鼓の地響きにあわせて稲妻の閃光のごとくあらわれた三林さんは短刀を斬りかざす盗賊。そこから母へ、鬼女へ、変身。殺陣もあればもののけへ。歌舞伎で演じられる演目とのことですが、とにかく楽しめ、日本古来からのきめやかな女心男心親心が伝わり、ど真ん中にほんものの芸が据えられている。エンタティメントの神髄を堪能させていただきました。
和太鼓、横笛、琴、三味線… 幽玄から活劇へ。ファンタジーを描く方は、満月の夜に、邦楽の音にイメージを馳せてみても?