夏休みは勿論うきうきワクワク十三へ。シアターセブンで『きさらぎ駅』『きさらぎ駅Re: 』の二本立てを観ました! エンタメホラー。観終わったときには、なんとも云えない心地よさに包まれました。どんなところに?
一致団結されたチームの情熱に満ち満ちた空気感、お互いのリスペクト、映画への愛、それらに包みこまれ、ホラーと云うのに、とてもあたたかい気持ちになったのでした。
脚本で感心しました点はいくつもありました。
まず価値観のディテールです。多様化する現代、人物への視線が乱暴では観客の心に届きません。善悪観にもディテールが求められます。そのことを丁寧に、さりげなく、描いていらっしゃる点が素晴らしかったです。
さりげなさというのはとてもたいせつですね。押しつけられると人は引くものです。謙虚にさりげなく、しかも面白く。例えばこのような人物は絶対に許されない。それを明確に表現。しかしこのような人を世の中は批判しがちだが、本来は批判される人ではなくて、それはその人の個性である。描きわけです。そこに多くの観客が感情移入します。そして観客は映画を観終わったあとからの人生に於いて、あらためて自分を信じて生きていこうと明るく強く思います。
また先人への真摯なリスペクトをとても感じました。この頃は幼い子どもまでもが冷めたヴァーチャル評論家へと。とても残念です。
なにより主人公・本田望結さん。三年を経ての続編ですが、主人公の成長を主軸としてみごとに演技、演出、構成が成されていました。
若さと情熱と実力溢れるステキな映画の完成と上映、本当におめでとうございます!
十三と云えばいつも〆に通うサイケデリックなちっちゃいバー。サイコと云う名のカクテルを頼むのが常。ヒッチコックの『サイコ』ファンのわたしはサイコに限ると十三を堪能!