ハンドカーダー | ケニアのマトマイニ(希望)を育てる

ケニアのマトマイニ(希望)を育てる

1987年から30年続いたマトマイ二・チルドレンズ・ホーム。その卒園生達と共に、貧しさ故に子どもを困窮状態に追いやっているスラムのシングルマザーの自立援助に力を注いでいます。マトマイニ第2章の始まりです。

今回のケニア滞在中に「フェルト工房を小規模で再開する準備」を手配したのですが、問題は山積みです。

 

水供給や原毛調達の他、フェルト作品を作るには細かい作業と道具が必要です。原毛の使えない部分を切り取るハサミ、原毛を洗うシャンプー、湯沸かし用の鍋とバケツ、薪、染料、手袋、ハンドカーダー、アニマルの芯にするスポンジ、フェルト針等々沢山あります。この中、マトマイニの敷地内で調達できるのは薪だけで、他は輸入品が殆どです。

 

例えばハンドカーダー。洗って染めた羊毛をフワフワの状態に梳くための道具で、髪を梳くヘアブラシと同じ役目を果たします。以前は日本から手持で運んでましたが、消耗品なので現地で調達できるケニア製に切り替えたのです。それが今回は2倍に値上がりしてました。仕方なしに注文してカマンデ氏に後を託しました。

ハンド・カーダーを使って羊毛をフワフワにする作業は地味で単純な仕事ですが、大事な工程です。

写真はマグダリン。2人の子どもの母です。

 

カマンデ氏はスポンジや原毛、染料の購入、小包の発送等、多岐に渡る仕事を担当しています。出発前修三がエテメシさんとカマンデ氏に改めて全ての手順を説明し記録と報告をお願いしてケニアを発ちました。

 

10年以上かけてヒット作品になったフェルト工芸品。一つ一つの工程に失敗と学びがありました。コロナ禍で再びゼロからの出発をするフェルト作りですが、この長い試行錯誤の経験こそが手元に残ったとても大きな財産です。