●合格者平均【社会】:54.5点
●合格者数:43,476人
上の画像のオレンジの部分が合格者平均になります。グラフの形は『英語』のグラフと似ています。『社会』の勉強をしてきた生徒の実力に応じて、点差が付くようなバランスの良い試験だったと思います。
実は今年度の入試問題で『社会』が最も100点の取りづらい科目でした。(100点が取れた生徒はおよそ43人(0.1%))暗記科目ということもあり、5科の中では勉強を後回しにされがちな『社会』ですが、日々こまめに勉強しないと手遅れになる危険のある科目です。
また、高校では大学入試改革にともない、地理A・B→地理総合、世界史A・B/日本史A・B→歴史総合、倫理/政治・経済→公共と、それぞれが必修科目になります。高校を卒業するためには避けては通れませんので、先を見据えて中学生の時からしっかり勉強しましょう。
また、下の画像は社会の正答率を表にしたものです。
●実施結果の概要【社会】※神奈川県HPより
地理、歴史、公民ともに、基本的な知識を問う問題の正答率は高かったが、知識を活用したり、複数の資料から必要な情報を読み取って思考・判断した結果を記述したりする問題などの正答率は低かった。
上の表から、正答率50%以上の問題を全て正解できたと仮定すると61点になります。内訳は、地理【15点/31】、歴史【22点/39】、公民【24点/30】です。今年は歴史の配点が多かったです。また、公民が解き易かったのか、問6(エ)の記述以外は高い正答率でした。
問1【世界地理】では(ウ)時差と(エ)雨温図の正答率が低かったです。この2つの問題は入試問題では定番中の定番の問題ですし、季節講習で1~2コマあれば対策ができるので、私としては授業し易い単元です。うちの塾生は正解した生徒が多かったので、対策の有無が結果に出たのでしょう。
問2【日本地理】は、毎年さまざまな県から出題されるため、「地理っていっても日本のことだから大丈夫」と油断していると全く分からなくなります。(イ)千葉県と群馬県の工業に関する問題なんかは、「京葉工業地域」「北関東工業地域」って言葉は暗記しても、それぞれの工業地域の特徴(京葉工業地域なら、東京湾に面していてタンカーが泊まれる港があるので、石油化学コンビナートがたくさんある=化学工業が盛ん)まで覚えないと、グラフからの読み取りは難しいです。(ウ)地図の読み取りは、私も間違えました(ⅱ)土地の断面図の問題が斬新でした。今後は、こういった問題も数多く演習しないといけないと思いました。また、(エ)隣り合う県の組み合わせの問題は、県の形と名前をバラバラに覚えただけでは対応できません。日本地図のパズルなんかで勉強させると良いかもしれません。
問3【歴史(古代~近世)】は、(エ)資料がいつの時期のものかあてはめる問題が、正答率が低かったです。資料Ⅲの雪舟から『室町時代』に気付くことはできたと思います。問題は資料Ⅳの真言宗から空海と気付いても、空海=遣唐使だったことを知らなければ間違えてしまうかもしれません。(オ)資料から漢字2字で書かせる問題は、定期テストで大定番の『勘合貿易』でしたので、『勘合』という字も間違わずに書けたでしょう。
問4【歴史(近代~現代)】は、(ウ)第1次世界大戦以降の出来事の間違い探し問題が、低い正答率でした。しかし、この『第1次世界大戦ルート』は神奈川県の近代史の出題傾向としては定番です。(他にも『明治維新の施策ルート』や『自由民権運動ルート』などいくつかあります)ましてや、民族自決がらみの選択肢が2つもあったので、実質は2択でした。(エ)資料読み取り記述問題は新しいタイプの問題でしたが、そもそも記述問題が苦手な生徒が多いので、正答率が低いのは致し方ありません。しかし、キーワードが与えられ、字数制限のない記述は演習次第では書き易く感じるはずです。
問5【公民(国会/内閣/裁判所)】は、受験生にとって後期中間テストの試験範囲であるため5問とも正答率が高く、良くできていたと思います。私は(ア)と(ウ)を間違えてしまったので、何も言えません。
問6【公民(経済)】は、(ウ)や(エ)が雇用問題に触れた面白い出題でした。(エ)は字数制限のない記述問題でしたが、試験時間に余裕があれば部分点を取れるくらいの解答は書けたと思います。詳しい解説は2/18に書いたブログを見てください。
『社会』は真面目に勉強すれば、した分だけ成果がはっきりと現れる科目です。そして、来年度も日本地図を逆さまにして出題するようなユニークな問題を出題してくると思います。この科目こそ「努力は裏切らない」と実感できる科目だと思うので、公民の勉強をしつつ地理・歴史の復習をしっかり行いましょう。
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