海岸線に沿って走る筑肥線の車窓は美しい。
優しい曲線は、今から始まる楽しみをくすぐるように、海が広がっていく。
まずは「大入」で下車すれば、驚くことに無人駅だ。
寒風を押して、海辺の「大入焼きガキ」へ。
炭火が赤々とパチパチと弾け、牡蛎や帆立貝が口を開けて、ジュッジュッと踊る。
熱燗、ビール、焼きおにぎり等も添えて、三人の宴は炭火の炎のように勢いづく。
満たされた心地良さで、更に先の「福吉」まで電車に乗る。
江戸末期から続くという「まむし温泉」へ向かう。
赤ワイン風呂、抹茶風呂等などに浸かりながら、
登山したことのある「十坊山」や「浮岳」連峰を眺めながらの温泉は別世界。
訪ね来た西行法師も詩う。
音に聞く
筑紫の富士をたづぬれば
霞にまごう
雲の浮岳
湯煙の向こうに見える「まむし温泉の由来」の最後に気付かされることがあった。
郷土史研究家会長
吉住寅之助
驚くことに大学の先輩のお父様と記憶する。
点と点はいろんな線(縁)を生み出す。
人生とは面白い。
