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海岸線に沿って走る筑肥線の車窓は美しい。
優しい曲線は、今から始まる楽しみをくすぐるように、海が広がっていく。

まずは「大入」で下車すれば、驚くことに無人駅だ。
寒風を押して、海辺の「大入焼きガキ」へ。

炭火が赤々とパチパチと弾け、牡蛎や帆立貝が口を開けて、ジュッジュッと踊る。
熱燗、ビール、焼きおにぎり等も添えて、三人の宴は炭火の炎のように勢いづく。

満たされた心地良さで、更に先の「福吉」まで電車に乗る。

江戸末期から続くという「まむし温泉」へ向かう。

赤ワイン風呂、抹茶風呂等などに浸かりながら、
登山したことのある「十坊山」や「浮岳」連峰を眺めながらの温泉は別世界。

訪ね来た西行法師も詩う。
音に聞く
筑紫の富士をたづぬれば
霞にまごう
雲の浮岳

湯煙の向こうに見える「まむし温泉の由来」の最後に気付かされることがあった。
郷土史研究家会長
吉住寅之助
驚くことに大学の先輩のお父様と記憶する。

点と点はいろんな線(縁)を生み出す。
人生とは面白い。

コーヒーは戦いの時に、
紅茶は安らぐ時に。

紅茶をたっぷり頂いた一日。
いつの間にか、紅茶の種類が増え、楽しむことにする。

クラシックを聴きながら、読書しながら、紅茶の香を楽しむ。

紅茶を変え、
紅茶カップを変え、
ゆったりと、静かに、穏やかに、平和に時間の流れに寄り添って。

お手製のハーブティー・カモミールに
ミルクとマシュマロを浮かばせ頂く頃は、
ほこほこと全身が温かく安らぐ。

庭の梅もほころび始めた。



快晴、気温も上がり、春のように過ごしやすい一日。

「こぶしの会」の集まり、歓迎の準備は心弾むものだ。
この瞬間までの「感動」を語り合う。
目を輝かせ、心躍らせ、それぞれの「感動」を語る。
いい時間が、それぞれの心に大切に包まれていく。

漢字一文字で今年の思いを表現する課題を出す。
真剣に取り組んだ結果、生き方が明確になったと、心膨らませたようだ。


難病でベッドにいる方の詩を思い出すことがある。
「健康な日を三日ください」
一日目
私は飛んで故郷に帰りましょう、
そして、おじいちゃんの肩を叩いてあげて、母と台所に立ちましょう。
父に熱燗を一本つけて、美味しいサラダをつくって、
妹達と楽しい食事を囲みましょう。

二日目
私は飛んであなたのところへ行きたい。
一緒に遊びたいなんていいません。
お部屋のお掃除してあげて、
ワイシャツにアイロンかけてあげて、
美味しいお料理してあげたいの。
そのかわり、
お別れの時、
優しくキスしてね。

三日目
私は
ひとりぼっちで思い出とあそびましょう。
そして、
静かに一日がすんだら。
「三日間の感動ありがとう」と
笑って永遠の眠りにつきましょう。

静かに
平穏に
しかし 確実に
その日が
近づいてくる