旅は道連れ世は情け………感動の一期一会の瞬間。
博多駅でのことだった。

上京のため鼻歌まじりで福岡空港に向かったのだが、満席で、空席待ちのコーナーに座って数時間。

急遽計画変更で、博多駅へむかった。
新幹線で東京へ向かうことに。

ちょっとしたご縁から、チケット買う時から座席に落ち着くまで同行くださった青年は、博多で会議の帰りだという。

車中でもビジネスから人生論に及び、青年の誠実なやりとりに旅心も弾む。

柳生家の家訓にもあるではないか。
少才は縁に会っても縁に気付かず
中才は縁にあっても縁を生かせず
大才は袖擦り合う縁をも生かす


切り替えたことで飛行機での真夜中到着ではなく、9時過ぎには東京入りとなるだろう。

愛するもの達の思考の結晶でもある。

電車の揺れにも慣れてきた頃は「新神戸」、車窓は薄紫の景色がながれる。
お気に入り翼広ヘレンカミンスキーの帽子を深く被り外出。

約束の2時、福岡市美術館ロビー待ち合わせ。

大濠公園のお堀の側を通り、こんもりとした自然遊歩道を歩くとはっとするほどの淡いピンク色の夾竹桃。
美しい曲線の緑の中を歩く心地好さは示現会展鑑賞の前奏曲だ。

152点の大作を鑑賞満喫した後は、窓いっぱいに緑そよぐ喫茶店で語り合う、穏やかな至福の時が流れる。


一人の友は今日発った。
アルプス登山、金沢を過ぎ富山に向かってるという。

登山の無事を祈っていよう。

それぞれの夏は平和に時を刻む。
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炎天下の樹々のそよぎにふと思う。

ケニアの環境副大臣でノーベル平和賞をもらったワンガリー・マータイさんは「もったいない」という日本語をそのままま用いて、物を大切にする心を世界へ発信した。

マータイ氏は言った、「人はちっさな木陰と少しの水があればいいのです」


ある日、思いのままを綴った詩を思い出す。

「樹々讃歌」
最近の基礎工事で築くられたビルの根っこ
雲雀の遊園地を突き抜ける高いビル
それ以上に根を広げ
根を張ることもないビルの根っこ

ビルの間に植えられた
沢山の種類の木々は
風・光・雨 ……………
神の愛を一心に受けて
根を大地いっぱいに広げ
枝葉は母なる神にすがるようにぐんぐん伸びていく。

慌ただしく過ごす人々の間で
黙々とその場を動くこともなく
ありのままに自然を受け入れて…………

春は
降り注ぐ柔らかい光を浴び
芽萌える草花を包み
風や光や雨を喜ぶ

夏は
さんさんと輝く灼熱の太陽を一手に受け
優しい光に変えて
人々を優しく包み
木々を揺らして癒しの時を生み出す
秋は黄金色に燃え
より深く人々を安らぎへと誘う
フルフルと紅葉を踊らせながら

冬には
驚くほどに葉を落とした逞しい幹の広がりを
大空いっぱいに広げ
冬の大イベントの大役を全身でうける
白黒のコントラスト美しく
自信いっぱいで雪景色をお披露する

人々は大地に張る力強い樹の愛を感じ癒されます

初春の風のそよぎに
窓辺の椅子に身を埋めると
若葉萌える樹々の揺れは
わたしの揺り篭
緑の揺り篭と柔らかい陽光に
生命の喜びを詩うのです